炭酸水とは炭酸ガスを含む水のことで、海外では以前から飲料水として親しまれてきました。近年、日本でも炭酸水を割らずに飲む人が増えており、ペットボトルの炭酸水はもちろん、炭酸水メーカーも注目されています。炭酸水は清涼感を与えてくれる飲み物ですが、それだけではなく健康やダイエット目的で使用されることも。今回は、炭酸水ダイエットで期待できることや飲み方、注意点を紹介します。
炭酸水ダイエットとは?
炭酸水ダイエットとは、空腹を感じたときに炭酸水を飲んで食欲をコントロールするダイエットのこと。普段の飲み物の炭酸水に置き換えるだけの手軽さが人気の秘訣です。ここではまず、炭酸水の種類から見ていきましょう。
炭酸水の種類
炭酸水には以下の3つの種類があります。
【天然炭酸水】
天然炭酸水とは、天然水にもともと天然ガスが含まれているもの。天然炭酸水はヨーロッパ原産のものが多く、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているのが特徴です。ただし、種類によってはクセを感じることも。強炭酸ではなく、マイルドな泡立ちのものが多い傾向です。
【天然水炭酸水】
天然水炭酸水とは、湧き水の天然水に炭酸ガスを人工的に圧入したもの。日本では飲料用の天然炭酸水がほとんどないため、国産の炭酸水は天然水炭酸水が一般的です。天然炭酸水とは違って自由に濃度を決められるため、弱炭酸から強炭酸まで豊富な種類が販売されています。
【人工炭酸水】
人工炭酸水とは、飲料水に炭酸ガスを人工的に圧入したもの。天然水にはミネラルが含まれているため産地によって味わいや風味が異なりますが、人工炭酸水はクセがありません。そのため、お酒の割り材として使いたい場合や純粋に炭酸の風味を楽しみたい場合に最適です。
炭酸水ダイエットに期待できること
炭酸水には3つの種類があり、どの種類を使っても炭酸水ダイエットは行えます。ここからは、炭酸水ダイエットで期待できることを紹介します。
カロリーゼロ
炭酸水はカロリーがゼロの飲料です。カロリーとは人間が活動するために必要なエネルギー量を指しており、年齢や性別によって必要カロリーが異なります。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると体重が増えるため、ダイエット中はなるべくカロリーを増やしたくないもの。炭酸水はカロリーがゼロのため、どれだけ飲んでもカロリーが増える心配がありません。
過度な制限がない
ダイエットをする際には、目標に向かって努力する必要があります。たとえば、毎日ウォーキングやランニングのような有酸素運動をする、適切なカロリーコントロールを行うなどです。とくに、カロリーコントロールの面では食事や間食を制限するなど、我慢しなければならないことも多いでしょう。しかし、炭酸水ダイエットは、過度な制限がなく、適度の量を飲むだけで行えます。
満腹感を得られる
炭酸水を飲むと炭酸ガスが胃の中に入り、満腹中枢が刺激されて満腹感を得られます。また、脱水症状になると偽の空腹感が現れますが、炭酸水を飲むことを習慣づければ水分補給になり、空腹を感じなくなる可能性があります。
空腹を感じると我慢しなくてはならず、ダイエットがつらくなりがち。炭酸水で満腹感を得られれば、ストレスが溜まりにくい状態を維持できます。
食欲を抑えられる
炭酸水を飲んで満腹感を得られると食欲が抑えられるため、食事量や間食を減らすことができます。無理に我慢をしなくても食事を減らせるため、手軽にカロリーコントロールができるのが魅力。食前に炭酸水を飲んでおなかを膨らませておくのもおすすめです。
(参考:サンキュ!|「炭酸水ダイエット」って効果あるの?ポイントやおすすめレシピを紹介)
便秘解消
炭酸水が消化管の壁や血管、細胞を刺激すると胃腸の働きが活性化するため、消化不良が改善し、便秘の解消が期待できます。便秘解消に必要な炭酸水はたったの100ml程度のため、無理なく続けやすいのも魅力。ただし、胃腸の働きがよくなると食欲が促進される可能性があるため、食べ過ぎには注意しましょう。
(参考:macaroni|管理栄養士に聞いた!炭酸水ダイエットって本当にやせる?)
冷え対策にも
冬だけではなく、夏も冷え性になることはあります。とくに、ダイエットをしているとエネルギー不足や筋肉量の低下で身体が冷えやすくなるため注意が必要。そのようなときにも炭酸水が役立ちます。炭酸水に含まれる炭酸ガスが身体に吸収されると、酸素を全身に送ろうとするため血流が改善されるためです。また、血行がよくなることで代謝の向上も期待できます。
炭酸水ダイエットのデメリットや注意点
次に、炭酸ダイエットにもデメリットや注意点を見ていきましょう。
炭酸水に飽きる
炭酸水はジュースとは違い、基本的に味がありません。炭酸水独自の酸味を感じる場合はありますが、飲み続けると感じなくなるい人もいます。味のしない炭酸に飽きてしまうと、毎日飲み続けるのが苦痛になる人もいるでしょう。そのため、人によって合わない場合があると考えられます。
短期間で変化を感じられない
炭酸水ダイエットは即効性を感じにくいダイエットのため、短期間で変化を感じにくいのがデメリットです。1週間や2週間で効果が現れる可能性は低いため、できれば1カ月以上続けることをおすすめします。
炭酸水はダイエット成分の入っている商品ではなく、あくまで飲料水です。炭酸水の食欲抑制効果を感じながら規則正しい食生活と適度な運動を行うことで、さらにダイエット効果が高まるでしょう。
食事中は避ける
食事中に炭酸水を飲むと水分によって胃酸が薄められ、消化する力が落ちてしまう可能性があります。その結果、消化不良になり、胃の負担が大きくなることも。量の多いものや脂っこいものを食べるときは、食事の30分前までに飲むようにしましょう。
(参考:macaroni|管理栄養士に聞いた!炭酸水ダイエットって本当にやせる?)
無糖を選ぶ
炭酸水ダイエットには必ず無糖の商品を選びましょう。炭酸ジュースには加糖が含まれており、カロリーが高いためダイエットには向いていません。カロリーゼロと表示されていても、甘みやフレーバーがついているタイプには注意が必要。なぜならば、ゼロカロリーと表示されている商品のなかには厳密にはゼロではない商品も含まれているからです。
消費者庁の食品表示制度によると、ゼロカロリー・ノンカロリーの表示は飲料100mlあたり5キロカロリー未満と定められています。つまり、無糖の炭酸水以外には少量のカロリーが含まれている可能性があるのです。
(参考:消費者庁|栄養成分表示について)
飲み過ぎに注意
炭酸水ダイエットにはたくさんのメリットがありますが、飲みすぎると不調になる可能性もあるため注意が必要です。飲み過ぎたときのデメリットは以下のとおりです。
- 腹痛や下痢を起こす可能性がある
- おなかにガスが溜まる
- 食欲が促進されて食べ過ぎてしまう
胃腸が弱い人が炭酸水を飲みすぎると、腹痛や下痢を起こしたり、ガスが排出できずにおなかに溜まったりすることも。おなかにガスが溜まると腹痛や頭痛、腰痛の原因にもなります。
また、せっかくダイエットをするつもりで炭酸水を飲んでいるのに、食欲が促進されて食べ過ぎると体重が増えてしまうため気をつけましょう。
(参考:Mizu SELECT|飲み過ぎはダメ!炭酸水の効果やデメリット|毎日飲むと体にいいって本当?)
歯のエナメル質への懸念
歯が溶け始めるのはpH5.5以下といわれており、炭酸水はpH5.0程度のため、歯のエナメル質を溶かしてしまう可能性があります。しかし、通常は唾液によって酸性度が中和されるため、歯のダメージは軽減されています。
コーラはpH2.2のため歯への影響が強いですが、炭酸水は歯を溶かすほどではないといえるでしょう。しかし、フレーバー入りの炭酸水のなかには酸性が強いタイプもあるため、できれば無糖炭酸水を飲むのがおすすめです。
(参考:カトレア歯科+美容クリニック|炭酸水で歯が溶ける?歯に影響を与えにくい飲み方は?)
炭酸水ダイエットのやり方や時間帯
最後に、炭酸水ダイエットのやり方や時間帯を紹介します。
味なしの炭酸水を
炭酸水には甘みやフレーバーがついているタイプがあり、飲みやすさから高い人気を誇っています。しかし、糖分が入っていたり、酸性が強くてエナメルを溶かしたりする可能性があるため、できるだけ味のない無糖炭酸水を選ぶのがおすすめです。商品選びに迷った場合は、成分が水だけの炭酸水を選ぶと良いでしょう。
(参考:サンキュ!|「炭酸水ダイエット」って効果あるの?ポイントやおすすめレシピを紹介)
食事前に飲む
炭酸水は空腹時に飲むことで食欲抑制効果を発揮するため、食事前に飲むのがおすすめです。しかし、食前すぎると胃腸に負担がかかるため、30分前までに飲むようにしましょう。飲む量は1回300〜500ml程度です。ただし、人によって必要量は異なるため、試してみて多い・少ないと感じた場合は量を調整しましょう。
冷たいものより常温を
冷たい炭酸水は胃腸を刺激して食欲を促進してしまうため、常温で飲むのがおすすめです。また、腹痛や下痢、冷え性の悪化につながる可能性もあるため注意しましょう。冷たい炭酸水は清涼感を味わいたいときに留めるなど、飲む頻度を調整すると安心です。
野菜やハーブで割る
炭酸水の味に飽きてしまった場合もジュースやアルコールで割るのはやめましょう。炭酸水に変化がほしい場合は、野菜やハーブで炭酸水を割るのがおすすめ。炭酸水に生の野菜やハーブを入れることで、簡単にデトックスウォーターが完成します。新鮮な味わいを楽しめるのはもちろん、野菜に含まれるビタミンCなどの栄養素を一緒に取り入れられるのがメリットです。
まとめ
この記事では炭酸水ダイエットの種類、期待できること、注意点などをお伝えしました。炭酸水ダイエットには食欲抑制や便秘解消、冷え対策などのメリットがあります。デメリットや注意点もありますが、正しいやり方を守れば問題ありません。何より手軽に行えるダイエットのため、長く続けられるのが魅力です。ダイエットとして、まずは炭酸水を飲むことから始めてみましょう。