
国際薬膳師・料理家の増子友紀子さんがオーナーを務める「こしらえごと.Lab」は、「実践的な薬膳の食と暮らし」を日常の中で体験できると評判の人気サロンです。もともとはFacebookやInstagramを使って薬膳レシピを配布し、勉強会を開催していた増子さん。現在はDMMオンラインサロンに拠点を移し、より多くの方に薬膳の魅力を伝えています。今回は、移行のきっかけやオンラインならではのメリットについて、率直に語っていただきました。

国際薬膳師・料理家。人気イタリアンの元オーナーシェフ。毎日ごはんで体をケアすることをテーマに出産後、国際薬膳師として2016年より活動を開始。毎月のオンライン料理教室『おまもりレシピ』や、薬膳と共に今の自分を大切に生きていく習慣を楽しむオンラインサロン『こしらえごと.Lab』を主宰。著書に「心とからだを整える 春夏秋冬 薬膳レシピ」(マイナビ出版)、「身近な食材でからだが喜ぶ、野菜レシピ」(エムディエヌコーポレーション)。
サロン誕生のきっかけは「声に応えた」こと
――以前はFacebookやInstagramを使って、薬膳レシピの配布を行っていたとお聞きしました。
最初は、Facebookのグループ機能でした。無料で始められるし、一番簡単だったんですよね。そこで毎月新しい薬膳レシピを公開していたんですけど、「毎回申し込みをし忘れてしまう」という声や「継続的に受けたい」という要望が多く「期間を決めて申し込んでもらえれば取りこぼさないかな」とInstagramのサブスクリプション機能を使うようになりました。でも、Instagramだと申込者のリストを自分で管理しなくてはいけなくて。それがちょっと面倒だったんですね。だったら、DMMの機能を活用できるオンラインサロンの方がスムーズかなと、移行の決め手の一つになりました。
――利用者の声を受けて、少しずつ形ができていった感じなんですね。
そうですね。最初から、コミュニティを作りたいと思っていたわけではなかったんです。多くの方に利用いただけたらうれしいという気持ちはもちろんありましたけど、当時は母の介護や育児もあったので、仕事として大きくできるとは思っていなかったんです。レシピを公開し始めたら、ファンになってくれる方が増えて「薬膳の話をもっと聞きたい」と言われて。私も、お料理と合わせて薬膳のノウハウをお話しできたら楽しいかなと。自然とコミュニティが出来上がっていったように思います。
――オンラインサロンにしてよかったと感じる点は?
会員管理や支払いなどの事務的な部分をサポートしてもらえるのは、とても助かっています。「入会方法が分からない」「支払いがうまくいかない」など、以前は自分やチームメンバーが対応していたことも、DMMがサポートしてくれるので安心して運営できています。
――コンテンツ以外の事務作業を任せられるのは、オーナーさんにとってもメリットに感じる部分はあるのでしょうか?
そうですね。会員さんにも「分からないことがあればDMMさんに聞けば大丈夫ですよ」と伝えられますから。高齢の方だと、やっぱり電話で今すぐ聞きたいという方も多いんですけど、DMMは電話でのサポートもちゃんとあるんですよね。
ただ、Instagramに比べると申し込み方法が少し複雑なので、年齢層によっては難しく感じることもあるようですね。リアルでお会いした方から「会員登録してからの流れが分かりづらくて諦めちゃった」と言われることも。そこは、もう少し分かりやすく表記できるといいなと思っています。
――Instagramからオンラインサロンへの移行時、キャンペーンなども実施されたのでしょうか。
プレゼントキャンペーンを実施しました。ですが、すべてをフォローできたかというと、そうではなく「Instagramの方がよかった」「新しいところに会員登録が必要ならやめます」という方もやっぱりいらっしゃいました。入会しても見る回数が減ったり、支払いがうまくいかなかったりというケースもありましたね。
それでもやっぱりSNSよりは安心、という点がDMMオンラインサロンを使うメリットかなと。SNSと紐づいていないから、匿名性が高いんですよね。例えばサロン内のお茶会などで悩みをお話いただいたとしても、SNSと紐づいていると不必要なことを探られたりするじゃないですか。そういったことがなく、好きなものを好きだと素直に言える環境というのは、すごくいい点だと思います。
薬膳レシピだけじゃない、繋がりが生まれる場
――現在、「こしらえごと.Lab」にはどのような方々が参加されているのでしょうか。
30代から60代くらいの女性。子育て中の方や子育てを終えた方、持病を抱えていて食生活を見直したいと考えている方など、食に対して前向きな気持ちを持っている方が多いですね。日々の暮らしの中でも、ちょっとした楽しみを見つけたいという思いが共通しているように感じます。
Facebookで活動していた頃は、もう少し若い世代が多かった印象ですが、Instagramを始めてからは年齢層が広がりました。「食から始める丁寧な暮らし」をテーマに投稿していたので、薬膳に関心を持つ方に届きやすかったのかもしれません。子育てが落ち着いて何か始めたい方、自分の中に満たされない思いを抱えている方、身近な知り合い以外とのつながりを求める方。また、毎月のレシピを楽しみにしてくださる方や、学びながら実践できることが楽しいという方など、目的は本当にさまざまです。
――毎月のレシピは、どのようなものを提供されているのでしょうか。
季節の食材を使い、体を整えて次の月まで元気に過ごせるようにと考えたレシピをお届けしています。薬膳というと和食のイメージが強いかもしれませんが、フレンチやイタリアン風にアレンジしたり、お菓子をテーマにしたりと、ジャンルはさまざまです。毎月、調理法にも少しずつ変化をつけていて、単純に「作ることが楽しい」と思ってもらえたらうれしいですね。暮らしが楽しくなると、生きることも楽しくなる。このオンラインサロンは、そんな風に「日常に小さな喜びを見つける場所」にしたいと思っています。誰かの心が、ふっと軽くなるような。そんな場であってほしいですね。
――オンラインサロンになっても、基本的な想いは変わっていないんですね。
提供するコンテンツは増えましたけど、基本はまったく変わらないですね。今では、薬膳の講座を開催したり、Instagramを通して知り合ったヨガやセルフフェイシャルの先生などに依頼して講座を開いたり。お茶会といった交流の場もオンラインで提供しています。住まう場所はそれぞれですが、1人でいるとうつうつとしてしまうようなときも、みんなと話すことで楽になってもらえればなと。
私自身、介護や育児で苦しかったときに大人と話せない、普通の話ができないという経験がありました。「明日花火大会があるらしいよ」というような何でもない話ができるって大事なこと。そういった場所を作りたいなと。参加人数は、その時々で違いますが「ここがあったから人と話せるようになった」という声も少なくないので、今後も続けていきたいと思っています。
――ほかにも、会員の方の声でうれしかったものはありますか。
「毎月新しいレシピが食卓に上がるのを家族が待っている」という声は、すごくうれしかったですね。作る喜びだけでなく、完成した料理の写真をシェアし合って、「こんなアレンジをしてみました」という交流もあるんですよ。Instagramではなかなか実現できなかった、双方向のやり取りができるのはオンラインサロンならではですね。リアルタイムで感想が届いたり、投稿があがってきたりするのは、運営していてもすごく楽しいです。
同じレシピを同じようなタイミングで食べられるというのは、同じ釜の飯を食べる仲間のような感覚がありますよね。「今月も元気で乗り切れたね」と言い合えるのは、うれしいことだなと感じています。
“好き”を深められる、安心なオンライン空間
――オンラインサロンを運営していて、難しさを感じるのはどんな点でしょうか。
「オンラインサロンって、ちょっとこわそう……」というイメージを持たれる方って、まだまだ多いんですよね。中身を見ていただければ安心してもらえると思うのですが、「オンラインサロン」という言葉自体に抵抗があるようで。その印象をどう変えていけるか、今後取り組んでいきたいと思っています。
――今後、コンテンツを増やしていく予定はありますか。
大きく広げていくつもりはないですが、毎月の薬膳講座やレシピ公開は、これまで通り続けていこうと思っています。薬膳は食べものだけでなく暮らし方一つで体が変わっていくもの。たとえば、「この日はヨガ」「この日に調理」といったように、オンラインサロンのコンテンツに合わせてスケジュールを立ててみるだけでも、自分の時間を意識することにつながるのかなと。そんなふうに、暮らしを自分でデザインするお手伝いができたらうれしいです。
――最後に、オンラインサロンを始めようと思っている方にメッセージをお願いします。
人とつながり続けられる、というのがオンラインサロンの一番の魅力だと思います。自分の「好き」を共有できる人たちが集まってくれるのって、本当に楽しいんですよね。Instagramのようなオープンな場ではなく、もっと深く楽しみたい、知りたいと思う方が集まってくださるのがサロンの良さ。共感し合える仲間と安心して関われる場を持ちたい方には、とてもおすすめです。DMMには、問い合わせ対応などのサポートもあるので、1人で始める方でも安心できると思います。
とはいえ、コンテンツを作り、運営し続けるのは意外と大変です(笑)。私自身、まだまだ模索中ですし、「こういう機能があったらいいのに」と感じることも。でも、そんな思いもDMMのスタッフさんに相談しながら、少しずつ改善していけるのがありがたいですね。
DMMオンラインサロン公式noteでは、「オンラインサロンを開設したい」と考えている方向けに役立つ記事をたくさんお届けしています。オンラインサロンの開設に興味がある方は、ぜひ一度のぞいてみてください!