暖かくてお天気のよい日は、ついついどこかへ出かけたくなります。お散歩やショッピングもいいけれど、ゆったりとリフレッシュしたいときは神社を訪れてみませんか? 今回は、『龍神サロン』のオーナーで数々の神社ツアーも企画されているSHINGOさんと一緒に神社をめぐり、神社の魅力を満喫するための参拝のポイントを教えてもらってきました。訪れたのは、SHINGOさんおすすめの『武蔵一宮 氷川神社』です。
武蔵一宮 氷川神社
http://musashiichinomiya-hikawa.or.jp/
埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407
※楼門開閉時間などの情報は神社ホームページをご確認ください
ぼーっとして広がる、感覚の受け皿
関東に280社以上ある“氷川神社”の総本社である武蔵一宮 氷川神社は、大宮駅から歩いて15分ほどのところにあります。駅前から続く商店街を抜けると、緑豊かな参道が。木々が風に揺られる心地よい音に包まれて、とても気持ちがいい!
参道を進むと、大きな『三の鳥居』が見えてきました。木漏れ日に照らされる姿がきれいです。ここでSHINGOさんと合流します。
SHINGOさん、今日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします! さっそく境内をまわりましょうか。
この日は『龍神サロン』メンバーのみなさんも集まってくれました。
僕の神社ツアーでは、ご自身の感覚で自由に動いてもらうことを大切にしています。だから、「ここの神様はこういう神様で……」みたいな解説はあえてあんまりしません。神社ならではの雰囲気を感じとってほしいので、ぜひ力を抜いてぼーっとしながらまわりましょう。
わかりました〜(脱力)。確かに、普段の生活でもぼーっとしているときのほうが「景色がきれいだなあ」とか「風が気持ちいいなあ」とか、ふと気づくことが多いかもしれません。
橋が見えてきましたね。
神社では、こういうふうに池や川があって橋がかかっていることが多いですよね。これは、あちらの世界とこちらの世界の境目を意味するんです。つまり、橋を渡ったら神様がいるところ、というわけですね。
橋を渡ると壮麗な楼門が目に飛び込んできます。
楼門をくぐった瞬間、空気がゆっくりと舞い上がるような気持ちのいい風が吹き抜けて、木々の揺れる音がざわざわと響きました。
今みたいに風が吹くのは、神様からの歓迎の挨拶だといわれています。ほかにも、ご祈祷が始まったり、生きものに出会ったりするのも歓迎のサイン。ひとつひとつはちょっとしたできごとだけれど、何か気づくポイントがあったら「歓迎の挨拶ということにしてみましょう」と、いつも参加者のみなさんに提案しています。普段だったら気のせいとか勘違いだとされることが一般的かもしれませんが、ちいさなできごとも前向きにとらえられると、なんだかうれしくなりませんか?
なります! 神様に歓迎してもらえているなんて考えたらうれしいです。それに、ちょっとしたできごとに気づいて前向きにとらえる感覚は、普段の生活にもプラスになりそうですね。
そうなんです。日ごろからちっちゃなことに気づけるようになると、何かに悩んでしまったときなども、身近にあるヒントをキャッチできる可能性が上がるんじゃないかな、と思います。
そして、拝殿にお参りです。本殿には、「須佐之男命(すさのおのみこと)」「稲田姫命(いなだひめのみこと)」「大己貴命(おおなむちのみこと)」が祀られています。
わずかな空気の違いをキャッチする
拝殿をお参りしたあとは、氷川神社内にあるさまざまな神社にもお参りします。こちらは本殿近くにある御嶽(みたけ)神社。
今回氷川神社を選んだ理由は、個性ある神社さんが本殿以外にもたくさんあるからなんです。
たくさんの神社があると、どんないいことがあるのですか?
それぞれの雰囲気の違いを感じてもらえるかと思います。御本殿はどーんと建って堂々としていますが、こちらはひっそりとした佇まいで、ゆったりした空気が流れていますよね。
確かに、今いる「門客人(もんきゃくじん)神社」と「御嶽神社」は、本殿からそれほど離れていない場所なのに雰囲気がぜんぜん違いますね。
神社の雰囲気の違いは、神様たちの雰囲気の違いでもあるんです。いろいろまわっていると、自分にご縁のある神様がなんとなくわかったりすることもあります。感覚的にほっとしたり、気持ちがいいなあと感じる神社があったら、同じ神様が祀られるほかの神社へいつか行ってみると、神様も喜んでくれると思いますよ。
お参りしていると御嶽神社の屋根にカラスがやってきて、しばらくのあいだ静かにとまっていました。これもきっと歓迎のサイン!
こちらは「多起理比売命(たぎりひめのみこと)」「市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)」「田寸津比売命(たぎつひめのみこと)」が祀られた宗像(むなかた)神社。
ちなみに、神社の裏側からは神聖なエネルギーが出ているとよく言われるらしいです。裏側にまわるだけで、にじみ出る空気が変わるような気がします。
宗像神社では、サロンメンバーさんが光の輪を発見。太陽の周りに浮かび上がる虹のような輪がきれいでした。これも歓迎のサインかも!
稲荷神社。たくさんの鳥居をくぐると、なんだか別世界に出たような気分になります。
氷川神社の境内にはほかにもたくさんの神社があり、本殿以外の神社の数は全部で13にものぼります。SHINGOさんがおっしゃるように、空気の違いをそれぞれ感じることができました。とても感覚的な“なんとなく”の差かもしれませんが、この違いに気づけると、神社めぐりがぐんと楽しくなってきます。
知る人ぞ知る隠れスポット
ひととおり神社をめぐり終えて最後に向かったのは、氷川神社の隠れスポットともいえる「蛇の池」です。氷川神社発祥の地といわれる神聖な場所だからこそあまりオープンにはされておらず、知る人ぞ知るパワースポットになっています。
池に向かって林のなかを歩いていると、蝶がひらひらとやってきたり、鳩がのんびりと歩いてきたり。これは、歓迎してもらえているのかもしれません!
林を奥まで進んだところに蛇の池があり、奥には湧き水が流れ出る様子も見えています。この空間だけがぽっかりと静かで、私たちが普段暮らしている場所とは流れる空気がぜんぜん違って感じました。静かで落ち着いているけれど、なんだか自然と背筋が伸びるような……さすが発祥の地とされるだけあります。
神社ツアーで一度こういったスポットを紹介すると、みなさん自分で探しにいくようになるんです。たとえば、自分の家の近所の神社さんに行って脇道を進んでみたら、ほこらを見つけたり。すると、偶然地元のおじさんが現れて「それ、気になるかい」と、昔から伝わるエピソードを教えてくれるなんてことも起こったりするんですよ。
この空気の違いを一度感じたら、次からは自分でも探してみたくなりますね。とくにここは緑豊かで自然も気持ちいいし、心が洗われていく気がします……。
みなさん、神社を訪れたらまずは御本殿をお参りして、あとはなんとなく素通りしてしまう人も多いと思います。でも、今回のように雰囲気の違いを感じたり、ちょっとした自然の動きをキャッチしてもらえたらうれしいです。
よく、お参りの礼儀作法などを聞かれることもありますが、僕としてはあまり細かいことは気にしなくていいと考えています。「作法を守らなきゃ」ということで頭がいっぱいになってしまうくらいなら、最低限のマナーを守って、きちんと心をこめてお参りするのがいいはずです。最初にもお伝えしたように、ぜひ肩の力を抜いて楽しんでもらえればと思います。
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SHINGOさんが主宰する『龍神サロン』は、「まだあまりメジャーではないスピリチュアルな世界を、気兼ねなく語れる場所になってほしい」という想いのもと発足したオンラインサロンです。そして、個人差があるスピリチュアルの領域だからこそ大切にされているのが、ヒエラルキーを発生させないこと。「見える」「見えない」関係なしに、フラットな関係性のコミュニティとして楽しめるよう、SHINGOさん自身も1参加者という立場で運営されています。今回のような神社めぐりのほかに、オンライン上での交流やイベントの企画も盛んです。スピリチュアルについて共感できる仲間がほしい人や、神社が好きな人は参加してみてはいかがでしょうか。