料理をする方の悩みのタネである鍋の焦げ付き、みなさん自己流で取ろうとしていませんか?
せっかく長い時間をかけて綺麗にしようとしても、その鍋に合わない方法をとってしまうと、焦げ付きが落ちないどころか、かえって鍋が傷ついてしまうこともあるのです。
愛用の鍋をずっと使い続けられるように、8種類の素材別に鍋の焦げ付きをキレイにとる方法をお教えします!
「ステンレス鍋」の焦げ付きの落とし方
調理器具の売り場でよく目にするステンレス製の鍋。保温性が高いので、煮込みなどじっくりと火を通す料理に向いています。
ただステンレスは、焦げ付きやすいというのが難点。そこでオススメなのが、重曹とお酢を使った方法です!
台所には欠かせない「重曹」で焦げ付きを落とす方法
台所まわりのお掃除にはかかせない重曹。油汚れ落としや消臭など様々なことに利用できます。
日常生活の中の汚れというのは基本的に「酸性」で、水に溶けた重曹は弱アルカリ性の性質を持っています。この溶液を鍋に入れて加熱すると化学反応によって重曹の分解が起こり、二酸化炭素の泡が出てくると同時に、炭酸ソーダが生成されます。この炭酸ソーダは、pHが高い=アルカリ性が強いため、酸性の汚れである焦げ付きを中和して取れやすくしてくれるのです。
やり方はとっても簡単。
1. 鍋に焦げ付きが隠れるくらい水を張り、大さじ1杯の重曹を入れる。
2. 鍋を火にかけて沸騰させる。
3. 10分沸騰させたら、鍋を火から下ろす。
4. 鍋を放置して、ゆっくり熱を冷ます。
5. お湯を捨て、スポンジなどで軽くこすり落とす。
水200ccに対して、重曹は大さじ1杯の割合で使うといいでしょう。また、肌荒れを防ぐためにも、ゴム手袋の着用をお勧めします。
重曹で落とせなかった焦げ付きには「お酢」を試そう
もしも重曹を使って焦げ付きが落ちなかった場合は、お酢やクエン酸を試してみるのも一つの手です。この2つの溶液は酸性のため、重曹では対応できないアルカリ性の汚れを落としやすくしてくれます。
やり方は次の通りです。
1. 鍋に焦げ付きが隠れるくらい水を張り、大さじ2杯のお酢を入れる。
2. 鍋を火にかけて沸騰させる。
3. 10分ほど沸騰させて、鍋を火から下ろす
4. ゴムベラ、木ベラ、菜箸などで焦げ付きをこすり落とす。
頑固な汚れに対しては、鍋を一晩放置したり、お酢の量を増やして対応してみてください。
重曹・お酢を使った焦げ落としは、覚えておくと色々な種類の鍋に応用が効くのでとても便利ですよ。
ステンレス鍋の注意点 傷に気をつけよう!
ステンレス製の鍋は、傷つきやすいという特性があります。焦げ付きが落ちないからといって、金属のたわしや硬い材質のヘラで、ゴシゴシこすらないようにしましょう!
また、空焚きを行うと「焼け」が生じて、表面が茶色く変色してしまうことがあります。
「アルミ鍋」の焦げ付きの落とし方
非常に軽く熱伝導率も高いアルミの鍋。使い勝手が良く、値段もリーズナブルなので愛用している方も多いと思います。
アルミ鍋の材料であるアルミニウムはサビに強い材質ですが、酸性やアルカリ性に弱いという性質があります。そのため、お手入れには少々コツが必要です。
アルミ鍋の焦げ付きは中性洗剤で落とそう!
アルミ鍋の焦げ付きは、基本的に水と中性洗剤で対応しましょう。やり方は、重曹を使う焦げ付き落としと同じですが、アルミ鍋の場合は重曹の代わりに中性洗剤を加えます。頑固な焦げ付きに対しては、加熱後に、一晩〜半日ほど放置するなどして対応しましょう。
アルミ鍋の注意点〜重曹やお酢は厳禁!
アルミ鍋も、ステンレス鍋と同じく表面が傷が傷つきやすいため、硬い材質のたわしやヘラでこすらない方がいいでしょう。
また変色する可能性があるという点で、空焚きをしてはいけないのも同じです。
そして何より覚えていてほしいのは、アルミ鍋の焦げ付き落としには、重曹やお酢を使ってはいけないという点です!
アルミニウムの表面は、空気に触れることで「酸化被膜」というコーティングが自然と発生します。これによってアルミ鍋は正常な状態を維持できるのですが、このコーティングは酸性やアルカリ性に弱いのです。そのため、重曹やお酢を使って焦げ付きを落とそうとすると、この酸化被膜を傷つけてしまい、黒ずみや腐食の原因になってしまいます。また、同様に酸化皮膜を傷つけてしまうため、クレンザーなどの使用もお勧めできません。
「フッ素樹脂(テフロン)加工鍋」の焦げ付きの落とし方
フッ素樹脂加工の調理器具は、鍋だけでなくフライパンでも非常によく使われています。
フッ素樹脂という素材で表面を加工することで、焦げ付きや食材のこびりつきが少なくなり、水もはじきやすくなるという性質があります。
ただし金属製の硬いヘラなどを使うと、表面のコーティングがはがれてしまうため注意が必要です。
フッ素樹脂鍋は「水」で焦げ付きを落とそう
焦げ付きが少ないフッ素樹脂鍋の焦げ付きを落とすのには、水を使うという方法が有効です。
1. 焦げ付きが隠れるように、鍋に水を張る。
2. 鍋に火をかけ、10分ほど沸騰させる。
3. ゴムベラでこすり落とす。
フッ素樹脂は、基本的に水のみのお手入れでも十分です。ただしこの方法を繰り返しても焦げ付きが落ちないという場合は、重曹やお酢を試してみてください。
フッ素樹脂鍋の注意点〜コーティングをはがさない!
フッ素樹脂鍋の最大の注意点は、「表面のフッ素樹脂コーティングがはがれないようにする」ことです。
フッ素樹脂には高い耐久性がありますが、強い力でこするとフライパン表面のコーティングが徐々に剥がれてしまいます。そのため、焦げ付きを落とす際に金属製のたわしやヘラでこすってはいけません。そして、クレンザーなど、研磨剤を含むものを使用するのも控えた方が良いでしょう。
「ホーロー鍋」の焦げ付きの落とし方
カラフルで優しい雰囲気のデザインで、女性にも人気の高いホーロー鍋。この鍋は鉄や銅でできた鍋に、ガラスの粉(うわぐすり)を焼き付けることで作られます。
見た目のかわいらしさとは裏腹に、酸に強く高い保温性もあり、実用性も兼ね備えているのが特徴です。ただし使用中にひびが入ると、そこからサビが発生することがあります。デリケートな材質なため、丁寧に使ってあげることが大切です。
ホーロー鍋は重曹で焦げ付きを落とそう!
ホーロー鍋の焦げ付きを落とすなら、重曹かお酢で対応するのがベストです。ただし、ホーロー鍋は急な加熱や冷却には弱いため、沸騰させる際はゆっくりと熱を加えてあげてください。
ホーロー鍋の注意点〜サビの原因を作らない!
ホーロー鍋の表面は極めて硬いため、高い摩耗性(こすり傷に対する耐性)があると言われています。しかし、金属製のたわしやヘラ、研磨剤の入ったクレンザーなどで力強くこすってしまうと、表面に傷がつき、錆の原因になってしまいます。また、衝撃にも弱いため、取り扱いには十分注意しましょう。
「鉄製鍋」の焦げ付きの落とし方
鉄鍋はこまめなお手入れをしないと、サビや焦げ付きが簡単に発生してしまう調理器具です。また、鉄鍋はずっしりと重量感があるため、女性の方には少し扱いづらいかもしれません。
一方、その扱いに慣れれば、炒め物から焼き・揚げなど幅広い調理に向いたタフな鍋です。高温に強くかなり耐久性もあるため、焦げ付きを落とす際も他の鍋とは違う方法が使えます。
鉄製鍋は唯一「空焚き」で焦げ付きが落とせる!
空焚きはほとんどの材質の鍋では使えませんが、鉄鍋にとってはベストな選択です。
その方法はいたってシンプルです。
1. 鉄鍋を表面から煙が出るまで空焚きする
2. 鍋よりもサイズの大きいボールか、シンクに水を張る
3. 空焚きした鍋を水の中に入れ、一気に冷却する
4. 十分に冷えた後、ヘラなどでこすり落とす。
耐久性の高い鉄鍋は、金属製のヘラやたわしでゴシゴシこすっても問題ありません。
鉄製鍋の注意点〜洗剤や重曹は特別な時だけ使う
焦げが落ちにくい場合は、洗剤や重曹を使っても問題ありません。ただし、フライパンに馴染んだ油が落ちてしまうため、日常のお手入れは水とたわしだけで十分です。また、空焚きを行なっている際は鍋が非常に高温になるため、やけどや火事には十分に注意しましょう。
「土鍋」の焦げ付きの落とし方
最近では、美味しいご飯が炊けると、再び注目が集まっている土鍋。火のあたり具合が柔らかく、保温性も高いため、寒いときの鍋料理にもぴったりです。
見た目は頑丈そうに見える土鍋ですが、実は繊細です。鍋そのものが重いため、決して衝撃に強くはありません。また、土鍋の表面には非常に小さな穴がたくさんあり、つけおきすると洗剤などがその穴の中に入り込んでしまいます。
土鍋の焦げ付きは重曹とお酢を使い分けよう
土鍋を使った料理では多くの食材を使用します。使った食材に応じて、重曹とお酢を使い分けるのがオススメです。
たとえば肉類や魚介類、卵や穀類、砂糖が原因に焦げは酸性のため、アルカリ性の重曹が適しています。それに対して野菜や果物、きのこ、大豆や海藻類の焦げはアルカリ性のため、酸性のお酢が有効です。
焦げ落としには「水と卵の殻」が使える!
土鍋は文字通り「土」でできているため、金属製の硬いたわしやヘラ、クレンザーなどでこすると表面に傷がつき、ますます焦げ付きやすくなってしまいます。そんなときに便利なのが「卵の殻」です!
使い方は簡単で、土鍋に水を張って沸騰させた後、スポンジに砕いた卵の殻をつけてこするだけ。卵の殻が研磨剤のような役割を果たします。しかしクレンザーや金属とは違い、デリケートな素材にも使えるのが大きなポイントです。この方法は、土鍋だけでなくフッ素樹脂加工の鍋にも応用できるため、ぜひ試してください!
土鍋の注意点〜丁寧な手入れを心がけよう
デリケートな土鍋では、前述の通り金属製のたわしや金属製のヘラ、クレンザーなどの研磨剤を使用しないようにしましょう。また他の鍋と同じで、空焚きによる焦げ落としも厳禁です。
「銅鍋」の焦げ付きの落とし方
独特の色味で根強いファンも多い銅製の鍋は、熱伝導性が高く、熱が鍋全体に伝わりやすいため、様々な料理に向いている万能鍋です。また、手入れさえ丁寧に行なっていれば一生使えるとさえ言われるほどの高い耐久性も魅力です。
さらに、サビにも強く殺菌効果もあるなど、多くのメリットがある銅鍋ですが、その一方で手入れを怠ってしまうと、変色や変形が起きやすいため注意が必要です。銅鍋を使用した料理は、調理後にすぐに別の容器へ移したり、鍋を洗った後は水気を十分にきって保管するといった対応を心がけましょう。
銅鍋の焦げ付きは水とお酢で対処しよう
銅鍋はとてもデリケートなため、水を沸騰させて行う焦げ落としを活用しましょう。それでも落ちない汚れに対しては、お酢を使って対応してください。
銅鍋の注意点〜実は重曹NG!
銅鍋は表面の傷に注意が必要です。他の鍋と同様に、金属製のたわしやヘラでゴシゴシこすらないようにしましょう。また、変形しやすくなってしまうため、空焚きもNGです。
「耐熱ガラス鍋」の焦げ付きの落とし方
耐熱ガラスを使用した鍋は、同じくガラスを使用しているホーロー鍋同様に保温性が高く、レンジにも使えるという他の鍋にはない特性があります。また、鍋自体が透明なので、蓋をしていても料理の状態が一目でわかるのもいいですね。
酸やアルカリ、塩分にも強いなどタフな印象が目立つ耐熱ガラス鍋ですが、あくまでもガラス。お手入れや取り扱いには、注意が必要です。
耐熱ガラス鍋の焦げ付きはお酢と重曹で対処
耐熱ガラスの鍋にこびりついてしまった焦げは、定番の重曹とお酢(クエン酸)の2つを、コゲの種類によって使い分けながらお手入れするのが一番です。
耐熱ガラス鍋の注意点〜傷・割れを作らない!
耐熱ガラス鍋の扱いで大事なのは、「傷や割れの原因を作らない」ことにあります。
金属製のたわし、ヘラでこすらないようにしましょう。また衝撃にも弱く、お手入れ中に落としたり硬い部分にぶつけてしまったりすることのないよう、注意が必要です。また、急速な加熱や冷却をするとヒビが入りやすくなります。種類によっては空焚きしても問題ないものもありますが、判断ができない場合は空焚きを行わない方が良いでしょう。
どの鍋の焦げ落としにも使える「天日干し」
「ここまでに紹介した方法を試しても頑固な焦げ付きが取れない。どうすればいいだろう?」そうお悩みの方は、ぜひ一度「天日干し」を試してください。
ここまでご紹介した鍋の焦げ付きを落とす方法は、鍋の種類によって使い分ける必要がありました。しかし天日干しは、どの鍋にも活用できるという大きなメリットがあります。
天日干しで焦げを落とす方法
天日干しは非常にシンプルな手順でできます。主な流れは次の通りです。
1. 日当たりのよい場所に鍋を置く。このとき、鍋の焦げ付き部分が太陽の光に当たるようにして置く。
2. 約1週間そのままにして、天日干しをする
3. 天日干しが終わったら、木ベラや割り箸などで焦げをこすり落とす。金属のヘラやたわしは鍋を傷つけてしまうため、使用を避ける。
天日干しを行うときの注意点
ご覧いただいた通り、天日干しは特別な道具を必要としないので、簡単に試すことができる方法です。ただし、天日干しで鍋の焦げ付きをしっかり落とすには、最低でも1週間程度の時間が必要です。そのため、しばらく鍋を使わない時など、タイミングを見計らって実施するようにしましょう。
天日干しは、ここまでご紹介した8種類の鍋全てで使える方法ですが、鉄鍋や一部のガラス鍋に限っては空焚きで対応可能です。
使っている鍋にとって最適な方法で焦げ付きを落とそう!
合計8種類の鍋について、焦げ付きの対処法をご紹介しました。大切な鍋が焦げ付いてしまった時は、それぞれの特徴を生かした方法や万能な天日干しを活用して、賢く焦げ付きを落としてあげましょう。
鍋は日頃の料理によく使う道具だからこそ、正しいお手入れを行なって、長い間愛用してあげたいですね。
DMMオンラインサロンでは、暮らしに役立つオススメのサロンも開設中!下のボタンから詳細をチェックしてみてください。また、サロンをフォローすると、サロンに関するお得な情報を無料でお届けします!
(※記事内容については、CANARY編集部、及びライターが独自に調査、執筆したものです。ご紹介しているオンラインサロンのオーナー様、及びその関係者からの監修を受けたものではありません。)