過去に失恋を経験した誰もが、その辛さを知っていることでしょう。素敵な恋愛はわたしたちに豊かな愛情や幸せな時間をもたらしますが、その反面、失恋すれば、行き場のない悲しい感情を抱くことにもなります。失恋で辛い思いをしているあなたのために、傷ついた心を少しでも癒やし、もう一度前を向くためのヒントを紹介していきます。
恋愛は素敵なものと同時に恐ろしいもの
恋愛は私たちの心をときめかせ、生活に活力や潤いを与え、楽しく幸せな時間を多くもたらしてくれるでしょう。しかしながら、相手を思う気持ちが強ければ強いほど、失恋した時には深く傷つき、心が大きなダメージを負ってしまいます。また、恋愛中であっても、相手を想うあまり、振り回されたり嫉妬したりした経験のある人も多いのではないでしょうか。恋愛とは、良い方向にも悪い方向にも、わたしたちの感情を強く揺さぶります。だからこそ、恋愛は素敵なものであると同時に、時に恐ろしい存在でもあるのです。
失恋は死ぬほど辛い悲しみをもたらす
失恋した直後は、この世の終わりかのような絶望を味わうものです。大好きだった相手から拒絶されたように感じ、「自分は選ばれなかった」、「愛されなかった」という思いから、自信を失ってしまうのです。また、自分は真剣に相手を想っていたのに、相手はそうではなかったという場合もあります。そういった場合には、相手に裏切られたと感じ、深い悲しみに沈んでしまう人もいるでしょう。どのような形で恋が終わりを迎えたとしても、それまで相手に注いできた愛情や一緒に過ごした時間が、すべて無駄であったように感じる人も多いのではないでしょうか。
二度と愛情は報われないと悲観的になる
これまでたくさんの愛情を注いできた相手が突然離れて行ってしまうと、自分の愛が報われなかったと落ち込んでしまいます。そして、これから先も自分の愛情は報われないのではないかと、将来に対しても悲観的になってしまうのです。相手に与えられるだけの愛情を注ぎ続けたのに、その想いが報われなかったばかりか、相手を失って悲しい思いをするのも自分。こんな状態なら、傷ついて前に進めなくなってしまっても不思議ではありません。
身体にまで影響を及ぼす(睡眠、食事)
失恋は、精神だけでなく身体にも影響を及ぼしかねません。失恋直後は、去ってしまった相手のことが頭から離れないものです。どうしたら離れずに済んだのだろうと考え続けたり、幸せだった時のことばかりが思い出したりして、夜も眠れなくなる人もいるでしょう。また、失恋のショックで食欲を無くして健康を損なうほどに痩せてしまう人や、逆に食べることに走って、短期間で大幅に太ってしまう人もいます。失恋とは、身体の健康まで奪ってしまいかねないほど、影響力の大きいものなのです。
自分の愛情を理解する時間を設ける
ここからは、失恋してしまった時に大事にして欲しいことをお伝えします。まず、失恋を経験した直後には、自分の愛情と向き合うことを忘れないでください。自分が誰かに注ぐことのできる愛情をきちんと見つめて理解することで、絶望や悲観の淵から立ち直ることができるはずです。
現在の愛情が本物であることを知る
本物の愛というのは、誰もが経験できるものではありません。そんな中で、大事な人を失って深く傷ついているあなたは、真剣に相手を愛することができる人だということです。今あなたを覆っている悲しみが、あなたが相手に注いできた深い愛情の裏返しであることを知り、深い愛情を人に与えることができる自分を誇りに思ってください。
未来に生まれる愛情は否定しない
今、深く傷ついているあなたには、この先もう一度誰かを愛することなど考えられないかもしれません。そのような辛い時期には、無理をしてすぐに立ち直ろうとする必要はありません。しかし、未来にまた誰かを愛することは否定しないでください。
恋愛はたしかに恐ろしいもので、実際に今、あなたの心に大きなダメージを与えています。ですが、失恋を恐れるあまりに、愛するべき人に出会った時に素直に自分の心に従えないのでは、自分自身を幸せにすることもできません。恋愛は恐ろしいだけのものではなく、確かにあなたに幸せを運んでくれるものだということも覚えておいてください。
無償の愛を注げたか振り返る
恋愛中は、相手を想うあまりに、つい自分の気持ちを押し付けたくなることもあるでしょう。自分が相手を愛するのと同じように、相手からも愛されたいと願うのは、とても自然なことです。ですが、相手からの見返りを求めるからこそ、その想いが叶わなかった時にあなたは落胆してしまうのです。あなたがこれまで相手に注いできたのは、本当に無償の愛だったでしょうか。見返りを求めず、自分よりも相手のことを優先できていたか、もう一度振り返ってみましょう。
心の傷を癒やす期間を設ける
自分の愛情と向き合えたら、次にあなたに必要なのは、心の傷を癒す時間です。余計なストレスを避けて、心穏やかに過ごすことを心がけましょう。
自分のペースでゆっくり生活する
交際相手のいない今、あなたは自分のペースで生活することができます。休日に眠りたいだけ眠るのもいいでしょうし、泣きたい気分なら好きなだけ泣くのもいいでしょう。脳科学的な観点から、涙を流すことには抗ストレス作用があることがわかっていますので、泣くことで気分が晴れることもあるかもしれません。とにかく自分の気の向くまま、ストレスを感じずにゆったりと時間を過ごすようにしてください。
共感的で親切な友人や家族と話す
失恋を経験すると、自分に非があったのではないかと考えるあまり、自己肯定感が低下してしまうことがあります。そういったネガティブな思考から抜け出すために、家族や親しい友人など、あなたをよく知っていて共感してくれる人たちと話をしましょう。身の回りの人と話して共感してもらうことで、寂しさをやわらげることができますし、会話を通して自分の良いところを再発見することができるかもしれません。
様々な人生に触れる機会を設ける
失恋で傷ついている時期は、恋愛中の幸せだった頃を思い出したり、身の回りの人たちと自分を比べたりして、自分の人生を惨めに思ってしまうこともあります。しかし、幸せにはいろいろな形があります。あなただけの幸せを見つけるために、今まで知らなかった色々な人生のあり方に触れてみるといいでしょう。
新しい人と出会い交流する
失恋前のあなたを知らない人たちは、辛い経験を思い起こさせることもないので、気楽に付き合うことができるでしょう。興味のあるイベントがあったら積極的に参加する、近所のお店で店員さんに話しかけてみるなど、積極的に新しい人と交流するように心掛けてみてください。新たに出会う人々の人生に触れることで、今まで知らなかった楽しみや喜びに出会えるかもしれません。
ヒューマンドラマ・映画を見る
もっと手軽に試せるのは、ドラマや映画で誰かの人生に触れることです。感動して泣けるような映画や、人生に前向きになれるような映画を探して見てみましょう。そのほか、失恋から立ち直る主人公を描いた映画もおすすめです。失恋した女性2人が休暇で家を交換する「ホリデイ」などは、楽しいラブコメディ仕立てのストーリーで、きっとあなたをポジティブな気分にしてくれるでしょう。
親しい友人、家族の人生を考える
もっとじっくりと誰かの人生に触れたいときは、親しい友人や家族の人生について考えてみましょう。ある人は仕事に没頭していたり、またある人は夢中になれる趣味があったりと、誰もが恋愛を重視しているわけではないかもしれません。同じように、恋愛や結婚にもいろいろな形があることに気づくでしょう。様々な人生を目にして、自分はこれからどんな人生を送りたいのかをイメージできれば、気分も前向きになってくるはずです。
自分自身を大切にする活動をする
自分以外の人に目を向けると同時に、自分自身を大切にすることも大切です。辛い時くらいは自分を甘やかしてもいいのですから、気分転換になることや、楽しめることに時間を使いましょう。
運動やスポーツジムで健康
沈んだ気分をリフレッシュするには運動が有効です。スポーツジムに行ったりジョギングをしたりして、適度に汗をかけば、自然と気分が前向きになるものです。運動は気分だけでなく身体の健康にも良いことですので、一人でいて気分がふさぐようなら、とにかく体を動かすことを心がけるといいでしょう。
旅行やレジャーで気分転換
気分転換には、いつもの日常から抜け出してみるのも効果的です。旅行に出かけるもよし、レジャー施設で非日常な体験をするもよし。いつもと違う場所に思い切って出かけてみましょう。出かけた先で、あなたの気分を上向かせてくれるような新たな発見や出会いが待っているかもしれません。
趣味を楽しむ・没頭する
以前から打ち込んでいる趣味があるのなら、それに没頭するのもいいでしょう。もし、気になっていたことがあるのであれば、今こそそれを始めてみるチャンスです。とにかく自分が楽しめることに思い切り時間を使いましょう。何かに没頭していれば、失恋のことで悩んでいる時間が少なくなっていくはずです。ふと気づけば、悩みも吹っ切れて、充実した時間を過ごしている自分に気づくでしょう。
失恋に関する名言
最後に、失恋したあなたの心に響く名言をご紹介します。
“恋とは自分本位なもの、愛とは相手本位なもの。” - 美輪明宏
見返りを求めない「無償の愛」を端的に言い表した名言です。あなたが経験したのは愛でしょうか、それとも恋でしょうか。
“愛情に満ちあふれた心には、悲しみもまた多いものである。” - ドストエフスキー
裏を返せば、多くの悲しみを経験する人ほど、愛情に満ちた人だということです。失恋で悲しみの淵にいるあなたは、愛に溢れた豊かな心の持ち主なのだということを、どうか忘れないでください。
“始まりと呼ばれるものは、しばしば終末であり、終止符を打つということは、新たな始まりである。終着点は、出発点である。” - T・S・エリオット
ひとつの恋愛の終わりは、あなたの新たな人生の始まりです。何かの終わりが別の何かの始まりであるように、何かを失ったと思っていても、実は何か別のものを得ているのかもしれません。
“誰かを愛して誰かを失った人は、何も失っていない人よりも美しい。” - 映画『イルマーレ』より
誰かを愛するということは、誰にでもできるものではありません。それはあなたの愛情深さを示すものであり、また、これから先、豊かな経験としてさらにあなたを輝かせるものなのです。
失恋の痛みはそう簡単に消えるものではありません。まずはしっかりと自分と向き合い、自分のペースで立ち直ることができるよう、できることから少しずつ試していってくださいね。この記事で紹介した内容が、少しでもあなたの心を癒す役に立つことを願っています。