大人になっても「おやつの時間」は楽しみなものです。子供の頃から、3時に食べる甘い物を「おやつ」と呼んできましたが、皆さんはその理由をご存知でしょうか。この記事では、そんな「おやつ」の語源・由来から、コンビニで買える太りにくいおすすめおやつも紹介していきます。
おやつの時間は3時の語源・由来
諸説ありますが、「3時のおやつ」という言葉が生まれたのは、江戸時代頃だと言われています。
当時、平民の仕事は農作業などの重労働が多く、当時の1日2食制度では体力維持が難しい状況でした。そこで、休憩しながら軽食でエネルギー補給をすることで、その後の仕事に悪い影響が出ないようにしたそうです。
仕事の休憩時間は午後2~4時頃が多く、その時間のことを当時は「八刻(やつどき)」と呼んでいました。そのため、「八刻(やつどき)」の「八(やつ)」に丁寧語の「お」を先頭部分に加えて、この時間に食べる軽食のことを「おやつ」と呼ぶようになったのです。
現在は八刻という言葉は主流ではありませんが、「おやつ」という言葉は使用され続けていますよね。ちなみに漢字で表すと「御八つ」と書くそうですよ!
一般的な「おやつの時間」は10時と3時 で幼稚園や保育園でも大体この時間
幼い子どもは活動量が多い割に胃が小さく、消化スピードもはやいため、1日3回の食事では栄養が足りなくなる可能性も十分に考えられます。そこで、幼稚園や保育園では、朝食と昼食の間の午前10時頃と昼食と夕食の間の午後3時頃の2回のおやつタイムがあり、体の栄養を補っているのです。
また、適度に糖分を摂取すると眠くなるので、ほとんどの場合はおやつの後にお昼寝の時間が設けられています。
大人の場合でも、この時間におやつを食べることで、体のエネルギー切れを防ぐことができるでしょう。
外国にはおやつの時間がない?
海外でも午後3時ごろに軽食を食べる文化はあるものの、時間が明確に決められていない場合がほとんどです。そのため、「3時のおやつ」というように、おやつの時間の共通認識がある国は、日本だけなのかもしれません。
ちなみに、イギリスではおやつのことを「tea time」や「afternoon tea」と言い、午後3時ごろに紅茶を飲んだり、ケーキなどの軽食を食べたりする、上流階級の人々の習慣だったと言われています。前述した通り、日本でのおやつの文化は平民から生まれたと考えられていますので、この違いも面白いですよね。
(参考:DMM英会話 なんてuKnow?|今日の3時のおやつは何って英語でなんて言うの?)
おやつの時間に間食する良い点
おやつの意味や時間を理解していただいたところで、おやつの時間である午後2時頃から午後4時頃に間食するメリットについて考えてみましょう。特に、おやつを食べることに罪悪感を感じてしまうという人は、参考にしてみてください。
極度の空腹を抑え食事の食べ過ぎを防ぐ(太りにくい)
肥満になってしまう原因の一つに「食事の間隔」があります。前の食事から長い時間が空いてしまうと、空腹感をもたらす「遊離脂肪酸」が大量に分泌されるため、食べ過ぎにより必要以上にカロリーを摂取してしまう傾向にあります。また、「遊離脂肪酸」は、血液中の糖分をエネルギーとして消費する機能を鈍らせるため、体が太りやすい状態にもなってしまいます。
間食について研究している、家政学部食物学科・青江誠一郎教授は、「遊離脂肪酸」の過剰分泌を抑えるためには、食事の回数を増やして間隔を短くすることが有効であると述べています。そのため、昼食と夕食の間に適量のおやつを食べることで、食べ過ぎや「遊離脂肪酸」の過剰分泌を防ぎ、太りにくい体にすることができるのです。
(参考:大妻女子大学|健康的な間食「ヘルシースナッキング」とは 食物学科・青江教授に聞く)
糖質を取ると即エネルギーになる
おやつといえば甘いものを食べるのが一般的ですが、体のエネルギー源を確保する上でこれは非常に合理的です。身体や脳を動かすにはエネルギー源が必要になりますが、糖質は体のエネルギー源として最も多く利用されている栄養素で、摂取してから最も早くエネルギーに変わります。
そのため、体のエネルギーが不足しやすい午後に即効性の高い糖質を摂取することで、ハードな作業にも精力的に取り組めるようになるのです。
(参考:大塚製薬|素早くエネルギーとなる糖質)
脂肪として蓄積されにくい
おやつの時間が午後2時から3時はとされているのには、もう一つ合理的な理由があります。それは、この時間に間食を行なっても、脂肪が蓄積されにくいというものです。
脂肪の蓄積には、脂肪を蓄積する酵素を増やす「BMAL1(ビーマルワン)」というたんぱく質が関係しています。午後2時から3時は、「BMAL1(ビーマルワン)」の生成量が1日の中で最も少なくなるため、この時間に間食を摂取しても、太りにくいと考えられています。
(参考:NIKKEI STYLE|あなたの体は夜ごとに脂肪をため込んでいる 時間栄養学入門(2))
リフレッシュ・気分転換
おやつはリフレッシュや気分転換にも最適です。自分の集中力が切れやすいタイミングでおやつの時間をつくれば、気分がリフレッシュされ、最後まで作業に集中できるようになるでしょう。
また、おやつのタイミングでカフェインなどの覚醒作用があるものを摂取すると、眠気も抑えることができます。
おやつで間食する場合の注意点
おやつを食べるといいことがたくさんあるとは言っても、何を食べてもいいわけではありません。高カロリーで高糖質なものを毎日摂取してしまえば、当然体に悪く太りやすくなってし舞います。
ここで、おやつを食べるときに注意したい、いくつかのルールを確認しておきましょう。
おやつのタイミングは食事の間
ついつい食べてしまうのが、食事の後のデザート。しかし、食事の後の口直しとしてデザートを食べるのは、単純にカロリーや糖を過剰摂取しているだけになってしまいます。
こまめに食事を摂ることで食べ過ぎを防いで太りにくくしたり、エネルギーを補給したりするのがおやつの目的なので、おやつはあくまでも食事と食事の間に食べるようにしてください。また、食後は、最低2〜3時間は間隔を開け、次の食事を摂るようにしましょう。具体的には、朝食後の10時、昼食後の3時がオススメのおやつタイミングです。
おやつの食べる量には気をつける
一般的におやつの時間とされている午後2時〜3時は、確かに食べたものが脂肪として蓄積されにくく、おやつを食べても太りにくい時間だと考えられています。しかし、この時間であれば何をどれだけ食べても良いというわけではありません。
おやつを食べるときは適量を心がけ、食べすぎを防ぐことはもちろん、特にスナック菓子などのように添加物が入っているものはできるだけ避けるのがおすすめです。もし、どうしてもスナック菓子を食べたいときは、1袋を完食せず、1/2~1/3袋程度に抑えておくといいでしょう。
よく咀嚼して栄養を取りやすく
テレビを見ながら、本を読みながら、仕事をしながらなど、おやつを「ながら食べ」する人も多いでしょう。今していることを止めたくないという気持ちは分かりますが、「ながら食べ」は咀嚼回数が減り、消化不良の原因となってしまいます。
十分に咀嚼すれば、消化酵素のアミラーゼを含む唾液の分泌が促され、消化吸収が促進されるほか、脳が刺激されて活性化するため、おやつを食べるときは一口で30回程度を目安に、よく噛んで食べましょう。
コンビニで買えるおすすめのおやつ
おやつに何を食べていいのかわからないという方のために、コンビニで手軽に買えるおすすめのおやつを11個紹介します。環境や好みに合わせて選んでみてください。
栄養満点のナッツやバランス栄養食
コンビニで売られているヨーグルトには、1つずつのものと4つのものがあります。1つのものだと量が多すぎるので、4つ入りのものを購入して1日一つずつ食べるのがおすすめです。
子どもの頃におやつとして食べていた人も多いのではないでしょうか?ボーロは甘くておいしいだけでなく、栄養成分も豊富に含まれているので、おやつにぴったりです。
アーモンド、マカダミアナッツ、くるみ、カシューナッツの4種類が入ったミックスナッツ。ナッツはカロリーが高いので食べ過ぎには注意が必要ですが、必須脂肪酸やビタミンが豊富に含まれており、美容効果が高いと言われています。
低糖質や低カロリーの甘い物
柔らかく、なめらかな舌触りで、コクがあるしつこくない甘さが特徴です。1パックあたり80gと、感触にぴったりのサイズですが、これだけだと物足りないという人は、フルーツを添えてアレンジするのも良いでしょう。
甘いものが得意ではない人なら、サラダチキンがおすすめです。ちょうど良いサイズ感なので、食べきっても満腹になりません。また、たんぱく質が豊富に含まれているので、特にダイエット中のおやつにおすすめです。
エネルギー食のバナナやドライフルーツ
最近では、バナナを持ち歩く人も増えており、100円均一ショップなどで販売されている「バナナケース」というアイテムが人気を集めているようです。エネルギー源になるブドウ糖やショ糖などの糖類、健康維持に欠かせないビタミン類も多く含まれているので、まさに最強のおやつと言っても過言ではないかもしれません!
咀嚼が増えるさきイカなどの乾物
多くのビタミンやミネラルを含むおやつとして、干しいももおすすめです。低カロリーなので太りにくく、適度な糖質量でエネルギー補給に最適です。
乾きもののイカを職場などで食べるのには抵抗ある人もいそうですが、普段のおやつにはあたりめもおすすめです。乾きものは咀嚼回数も増え、唾液の分泌が促されるので、健康にも良いでしょう。
消化に良い野菜ジュースやゼリー
簡単におやつを済ませるなら、ドリンク系もおすすめです。手軽で手を汚すこともないので、ちょっとした休憩時に飲んで、気分をリフレッシュしましょう。
こちらの商品は、砂糖、甘味料、増粘剤不使用で、非常に多くの栄養素を含んでいます。「グリーンスムージー」にはレタス1個分の食物繊維、「果実のスムージー」には100億個の乳酸菌が含まれているのが特徴。飲みやすさに特化したスムージーなので、スムージー独特のドロっとした食感が苦手な人でも美味しく飲めるはずです。
白桃の甘くてさっぱりとした味わいです。カロリーも甘さも控えめなので、おいしいものは食べたいけど太るのは嫌!という人におすすめのおやつです。
小さい頃からおやつをなんとなく食べてきましたが、その由来やメリットを正しく理解していただけたでしょうか。おやつの食べ過ぎは禁物ですが、上手に食べれば心身共に良い影響を与えてくれます。記事内でご紹介したおやつのルールに気をつけながら、日常生活におやつを取り入れてみましょう。