女性にとって、毎日欠かせないルーティンの1つがスキンケア。世の中には数え切れないほどのスキンケア商品が出回っていますが、1つ1つのスキンケア用品の役割を十分に理解しないまま、口コミや周りの勧めで何となく使っているという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、スキンケア用品を種類に分け、それぞれの役割や正しいスキンケアの手順を詳しく解説します。さらに、迷いがちなクリームと乳液の順序など、スキンケアに関するよくある疑問も解消しますので、今後のスキンケアに役立ててくださいね。
スキンケア用品の種類と役割
スキンケア用品の役割を理解することは、正しい使用順を把握するための基本と言えます。そこで、まずはスキンケア用品の役割を種類別に見ていきましょう。
クレンジング
クレンジングは、メイクを落とすだけでなく、皮脂やほこりなどを取り除く役割も担っています。メイクには油分が多く含まれていますので、きちんと落とすにはクレンジングが必須。ジェルやオイル、シートなど、様々なタイプのものがありますので、使いやすいものを選ぶといいでしょう。
(参考:FANCL│意外と知らない、クレンジングと洗顔の違いとは?)
洗顔料
洗顔料は、肌の汚れやほこりを落とすためのもの。特に皮脂は水では落とせませんので、メイクをしていない時でも、洗顔料を使って顔を洗うのが良いでしょう。洗顔フォームや洗顔せっけんのほか、パウダー状や液状の洗顔料もあります。
ブースター(導入液)
導入液とも呼ばれるブースターは、化粧水などを肌に浸透させやすくするためのもので、洗顔後、最初に肌につけるものです。化粧水が肌に染み込みにくいと感じる時や、乾燥が気になる時に使うと効果的です。
化粧水
水分を補給し、肌にうるおいを与えるのが化粧水の仕事です。肌を柔らかくしたりキメを整えたりする効果があるほか、化粧水の後につけるほかのスキンケア用品を肌に浸透させやすくする働きもあります。
ジェル
ジェルは、化粧水と同じように肌にうるおいを与える効果がありますが、保湿成分が含まれているため、塗った箇所に長くとどまるという特徴があります。一方で、乳液やクリームと比べると油分が少ないので、さらりとした着け心地であるのも特徴です。
美容液
美容液は、肌に栄養分を与えるためのもので、配合されている成分によって得られる効果が大きく異なります。美白効果のある美容液や、シワに効果のある美容液など、様々な美容液が販売されていますので、自分の目的に合ったものを選んで使いましょう。
乳液
乳液は、エモリエント成分と呼ばれる油溶性のうるおい成分を含み、肌に必要な油分を補給すると同時に、化粧水で与えた水分の蒸発を防ぐ役割を果たします。また、水溶性の保湿成分も多く含まれているため、肌をしっとりとうるおわせ、柔らかくする効果もあります。
(参考:Maison KOSE│乳液とクリームの違いを解説!肌状態に合わせて選んでみよう)
クリーム
クリームは、乳液と同じく「肌にフタをする」ためのものですが、乳液よりもエモリエント成分が多く配合されています。そのため、肌内部にある水分の蒸発を防ぐ機能は乳液よりも高いとされていますが、脂っぽい肌やニキビのある箇所などに使うと症状を悪化させてしまう可能性もありますので、注意が必要です。
オイル
オイルは、肌にフタをしてうるおいを守るために使われることが多いスキンケア用品です。一方で、ブースターとしても使用できるなど、活用方法は様々。植物由来のもの、動物性の油脂を使ったものなど、いくつかのタイプがあります。
アイクリーム
目もとの皮膚はデリケートで、油分と水分のバランスが乱れやすいと言われます。そんな目もとに水分をしっかり閉じ込めるために使うのが、アイクリームです。目もとに合わせた特別な処方で作られているため、通常のクリームとは効果や使い心地が異なります。
オールインワン
オールインワンと呼ばれる商品は、洗顔後のスキンケアを1ステップで終えることができる便利なアイテムです。ここまででご紹介した複数のスキンケア用品のうち、特に化粧水、美容液、そして乳液またはクリームを一体にした商品が主流になっています。
パック
パックは、顔に貼り付けるだけで手軽に肌をケアできるスキンケア用品。肌にうるおいを与え、新陳代謝を高める効果があります。一般的なシートタイプのほかに、ジェルやクリームタイプのもの、肌に塗ったジェルが乾いてからはがすピールオフタイプのものもあります。
(参考:Arouge│敏感肌研究室)
スキンケアの順番を解説
それぞれのスキンケア用品がきちんと効果を発揮するためには、使用する順番が重要です。ここからは、シナリオ別にスキンケアの順番を解説していきます。
朝用スキンケア
朝のスキンケアの目的は、眠っている間に肌に溜まった皮脂を落とし、うるおいを補給したうえで、日中の活動に備えて紫外線対策をすること。そのため、朝のスキンケアは、次のような順番で行うのが基本になります。
スキンケアの後にメイクをすることが多いため、肌にフタをする役割を果たすものとしては、着け心地の軽い乳液が最適です。
1.洗顔
2.化粧水
3.乳液
4.日焼け止め
夜用スキンケア
夜のスキンケアの主な目的は、眠っている間に失われる水分を最小限にするため、油分を補給することです。また、夜にはまずメイクを落とす必要がありますので、夜のスキンケアは次のような流れが基本になります。
1.クレンジング
2.洗顔
3.化粧水
4.美容液
5.乳液
6.クリーム
肌質にあったスキンケアの順番
基本のスキンケアは上で紹介した順番で行いますが、肌質によっては、使用するスキンケア用品を追加したり省いたりすることもあります。そこで、続いては肌質別におすすめのスキンケアの順番をご紹介します。
乾燥肌
乾燥肌の人は、基本のステップにオイルを追加し、保湿効果を向上させるのがおすすめ。乾燥肌の人におすすめの朝のスキンケアは、次の流れです。
1.洗顔
2.化粧水
3.オイル
4.クリーム
5.日焼け止め
化粧水の後にオイルをつけることで、うるおいと油分を同時に補給することができ、肌をバランスの良い状態に持っていくことができます。また、乳液よりも油分の多いクリームを使うのも、肌にうるおいを保つうえで効果的です。
乾燥肌に適した夜のスキンケアは、次の流れです。
1.クレンジング
2.洗顔
3.ブースター
4.化粧水
5.美容液
6.乳液
7.クリーム
洗顔後にブースターとしてオイル美容液をつけることで、肌を保湿するとともに栄養を行き渡らせ、後で使う化粧水などの浸透力をアップさせることができます。
脂性肌
10代から20代に多いオイリーな脂性肌は、皮脂が過剰に分泌されている状態。そのため、しっかりと肌を保湿しながらも、油分を与えすぎないことがポイントです。
朝のスキンケアは基本のままでもOKですが、次のステップのように、乳液をジェルに置き換える、次のステップがおすすめです。
1.洗顔
2.化粧水
3.ジェル
4.日焼け止め
夜は、油分を多く含むクリームを使わず、乳液で終わりにしておいても良いでしょう。
1.クレンジング
2.洗顔
3.化粧水
4.美容液
5.乳液
混合肌
Tゾーンやあごに皮脂が多い反面、目もとや頬は乾燥しがちな混合肌。油分と水分のバランスをとるために、部位に合わせたスキンケアが求められます。基本のステップに従いながら、乾燥の気になる箇所には乳液やクリームを重ね塗りするのが良いでしょう。また、乾燥しやすい目もとにはアイクリームを使うなど、特定の部位に特化したスキンケア用品も効果的です。
たとえば、混合肌の夜のスキンケアの手順として、次のようなステップが考えられます。
1.クレンジング
2.洗顔
3.化粧水
4.美容液
5.乳液
6.アイクリーム
韓国式のスキンケア
美容意識の高い韓国式のスキンケアは、ここまでで紹介したものよりもずいぶん本格的です。朝で8ステップ、夜ではなんと10ステップにおよぶスキンケアで、さらなる美肌を目指してみてはいかがでしょう。
韓国式の朝のスキンケアは、次の順番で行います。
1.クレンジング(ウォータータイプ)
2.角質ケア
3.化粧水
4.エッセンス
5.美容液
6.アイクリーム
7.保湿クリーム
8.日焼け止め
夜は、オイルタイプのクレンジングとシートパックを追加し、日焼け止めをナイトクリームに置き換えた次の10ステップで肌をケアします。
1.クレンジング(オイルタイプ)
2.クレンジング(ウォータータイプ)
3.角質ケア
4.化粧水
5.エッセンス
6.美容液
7.シートパック
8.アイクリーム
9.保湿クリーム
10.ナイトクリーム
ただし、朝と夜の角質ケア、そして夜のシートパックは、毎日ではなく週に2~3回で良いとされています。特に、角質ケアはやりすぎると逆効果になることもありますので、適度に感覚を空けて取り入れましょう。
メンズ向けのスキンケア
男性でスキンケアの習慣がある人は少数派かもしれません。しかし、実は男性の肌は女性よりも乾燥しやすく、それでいて皮脂の量も多いため、肌トラブルが起きやすいとされているのです。さらに、男性は毎日のシェービングによって肌にダメージを受けてしまいます。
女性ほど色々なスキンケア用品を使う必要はありませんが、肌の汚れを落として水分を保つため、次のステップできちんと肌のケアをしてあげるのが理想です。
1.洗顔
2.化粧水
3.乳液
男性の場合、化粧水を使っている人でも、乳液までは使っていないことが多いのではないでしょうか。乳液には、化粧水で補給した水分を肌に閉じ込めるための「フタ」の役割があります。化粧水が持つ効果を最大限に発揮できるようにするためにも、乳液でスキンケアの仕上げをする習慣をつけることをおすすめします。
スキンケアの順番にまつわるQ&A
シナリオ別のスキンケアの順番がわかったところで、最後に、スキンケアの順番に関するよくある疑問を解消しておきましょう。
スキンケアの順番を間違えるとどうなる?
洗顔後のスキンケアは、基本的に油分の少ないものから順に肌につけていきます。なぜなら、順番を間違えてしまうと、場合によってはスキンケア用品の効果がほとんど得られなくなることがあるからです。たとえば、化粧水の前にクリームを塗ってしまった場合、クリームに配合されている油分で肌にフタがされてしまうため、あとで使う化粧水を肌に浸透させることができません。
もし順番を間違えてしまった時は、ホットタオルを使って肌を蒸しながら拭き取り、洗顔後の最初のステップからやり直すようにしましょう。
クリームと乳液の順番はどちらが先?
クリームと乳液は、どちらも肌にフタをし、水分を逃がさないようにするためのものですが、配合されている油分と水分のバランスが異なります。併用する場合は、油分の少ない乳液を先につけ、その後にクリームを塗るのが正しい順序です。
朝と夜のスキンケアは一緒じゃだめ?
朝と夜では、スキンケアの目的が違います。朝はその日に受けるダメージに備えることが主な目的ですので、洗顔後は化粧水と乳液で簡単なケアを行い、日焼け止めをつけるのが基本。これに対して、夜のスキンケアは日中肌についた汚れやメイクを落として保湿することが目的ですので、クレンジングや美容液、クリームなど、朝よりも必要なステップが増えます。
リモートワークなどで家から出ずメイクもしない人でも、日中に窓から降り注ぐ紫外線に備えておくのが良いでしょう。このような場合は、日焼け止めの代わりにUVカット効果のある乳液を使うのも一案です。ただし、UVカット成分を落とすためにも、夜はやはりしっかりとクレンジングを行うようにしてください。
年齢によってスキンケアの順番は変わる?
スキンケアの順番は基本的に同じですが、年齢によって肌のコンディションが変わりますので、それに合わせて基本ステップにアレンジを加えていくのが正解と言えます。
たとえば、20代後半からは徐々に肌の水分量が減っていきますので、オイルを追加したり、化粧水の浸透を助けるためにブースターを追加したり、といった工夫が考えられます。反対に、20代前半までで特別な肌の悩みがない人などは、夜に美容液を使う必要はないかもしれません。
基本のスキンケアは、最初に汚れやメイクを落とした後、水分や栄養分を補給し、最後に油分でフタをするという流れで行います。このため、洗顔後は油分の少ないものから順に肌につけると思っておけば問題ありませんが、オイル美容液をブースターとして洗顔のあと一番に肌につけるなど、やや変則的な場合もあります。そういったケースでも、それぞれのスキンケア用品の目的をきちんと把握していれば、使う順番で迷うことは少なくなるでしょう。
この記事で解説したそれぞれのスキンケア用品の役割をきちんとおさえ、自分に適したスキンケアのステップを考えてみてください。