ダイエットや健康に気を使った食事を意識する中で、食品の栄養面が気になるという方は多いでしょう。おからは低糖質で高たんぱくなことに加え、小麦粉の代用として料理に活用することもできるため、ダイエットにぴったりです。この記事ではそんなおからの種類や含まれている栄養、おすすめレシピについて紹介します。
「おから」について
和食の副菜として活用されることも多いおからですが、そもそもおからとはどのような食べ物なのでしょうか。まずは、おからの原材料や種類について詳しく見てみましょう。
おからとは?
おからは、大豆から豆腐を作る工程で細かくすりつぶした大豆を煮沸し、布でろ過した際に生じる、かすのことです。多くの食物繊維を含み、栄養素が高い点という特徴があります。
おからと「卯の花」の違いは?
おからと卯の花に違いはなく、どちらも前述のように豆腐を作る過程で生じた大豆のかすのことです。卯の花は、主に関東地域でよく使われる呼び名で、そのほかにも「雪花菜(きらず、せっかさい)」や「大入り(おおいり)」など、地域や文化によって様々な呼び名があります。
(参考:オリーブオイルをひとまわし│卯の花とは?おからとの違いや煮物の作り方を紹介!リメイク術も伝授)
おからにも種類がある?
おからは、製造方法によって大きく3種類に分けられます。ここではそれぞれの特徴や保存時間について詳しく見ていきましょう。
・生おから
豆乳を搾ったすぐあとのおからは「生おから」と呼ばれ、大豆の風味をしっかりと感じられる味が特徴です。ただし、水分を多く含むため日持ちさせることができません。また、豆乳が含まれていたり、反対に水分が絞られてパサパサだったりと、ものによって大きく差があります。
・乾燥おから
「乾燥おから」は生おからを短い時間で乾燥させたものです。乾燥させている分、生おからと比べると日持ちし、水でもどせば生おからと同じように使うことができます。また、乾燥おからは粉末のため、料理に活用しやすいのも特徴。食用として調理に使われるほかに、肥料や飼料として活用されることもあります。
・おからパウダー
乾燥おからをさらに細かくして乾燥させたものが「おからパウダー」で、保存期間が長く常温で保存できるという特徴があります。豆乳や水でもどして生おからにしたり、小麦粉の代用として調理に使ったりと活用方法は様々。
販売しているメーカーによって、パン粉のような食感のものから、水分にすぐ溶けるほど粒子が細かいものまで幅広い種類があるため、用途に合わせて選ぶといいでしょう。
(参考:DELISHKITCHEN│生おからとおからパウダーの栄養価の違いは?おすすめレシピもご紹介します)
おからはどこで手に入る?
生おからや乾燥おからは豆腐屋さんで手に入れることができます。また、スーパーマーケットではどのおから商品も取り扱っている場合が多く、いずれも豆腐売り場の付近に陳列されている場合がほとんどです。
おからパウダーに関しては、スーパーマーケットのほか、ドラッグストアや百円ショップ、ネット通販などでも購入することができます。
おからの賞味期限は?
おからは種類によって大きく賞味期限が異なっており、乾燥おからやおからパウダーは未開封の状態で2~6ヶ月程度、水分を多く含んでいる生おからは2~3日とされているものがほとんどです。
賞味期限が短い生おからは、冷凍することでおよそ1週間〜10日間保存することが可能になるため、購入した当日に調理で使用する分以外は速やかに冷凍しておくといいでしょう。ラップに分割して包み、1センチほどの厚みに馴らしてから保存袋に入れて冷凍庫で保存するのがおすすめです。
また、冷凍する前にフライパンで乾煎りしておくと、水分が抜けてより長持ちするようになるため、冷凍保存での賞味期限がおよそ1か月になります。生おからをさらに日持ちさせたいという方は、こちらも試してみてください。
おからのカロリー
生おからのカロリーは100グラムあたり111カロリーであり、100グラムあたり168カロリーである白米ご飯と比べると、ヘルシーな食材と言えます。
また、おからパウダーは100グラムで421カロリーと、同じ原料である大豆粉100グラムあたり440カロリーと比べるとこちらも低カロリーです。
生おからとおからパウダーでは、カロリーに大きく差があるように見えますが、これは含まれる水分量に差があるためです。生おからはおからパウダーと比較すると、およそ10倍の水分を含みます。これにより100gあたりで比べると、生おからより水分を含んでいないおからパウダーの方が高いカロリーとなるのです。つまり、生おからとおからパウダーを同じ重さで比較すると、おからパウダーの方が豊富に栄養を含んでいると言えるでしょう。
(参考:KAWASHIMAYAおからパウダーって?ダイエットに効く?|簡単レシピもご紹介)
おからには栄養がたっぷり!
おからには、タンパク質や食物繊維、マグネシウム、ビタミンB2、カルシウムなど、様々な栄養素が豊富に含まれています。ここでは、その中でも特に多く含まれている栄養素である「タンパク質」と「食物繊維」について詳しく見てみましょう。
タンパク質
畑の肉とも呼ばれる豆を原料とするおからは、タンパク質を豊富に含んでいます。100gあたりのタンパク質含有量は、生おからが6.1g、乾燥おから・パウダーおからが23.1gとなっており、同じ大豆由来食品である豆乳100gあたりのタンパク質含有量3.6g、絹ごし豆腐100gあたりのタンパク質量4.9gと比較しても、より多くのタンパク質を含んでいることが分かるでしょう。
(参考:文部科学省 食品成分データベース)
食物繊維
食物繊維はおからに含まれる栄養素の中でもっとも多く、生おから100gあたり11.5g、乾燥おから・パウダーおから100あたり43.6gの食物繊維が含まれています。
レタス1玉400gあたりに含まれる食物繊維は4.4gなので、生おからであればおよそ大さじ6杯分、乾燥おから・おからパウダーであればおよそ大さじ2杯分でそれを上回る量の食物繊維を摂取することができるのです。
おからの持つ効果
身体に嬉しい様々な効果を持つおからは、美容と健康に適した「スーパーフード」としても知られています。おからが持つ具体的な効果について詳しく見ていきましょう。
便秘を解消できる
おからは、食物繊維の中でも特に不溶性食物繊維を多く含んでおり、この不溶性食物繊維には、腸内で水分を吸収して膨らみ、腸のぜん動運動を活発にさせる働きがあります。そのため、おからを摂取することで、便秘の解消が期待できるのです。
また、便通が改善されると老廃物が体外へ排出されるようになるため、腸内環境を整える効果も期待できます。
血糖値が上がりにくくなる
おからに含まれる水溶性食物繊維には、消化管での糖質の吸収を遅らせる働きがあるため、おからを摂取することで食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。加えて、生おからやおからパウダーを、小麦粉やじゃがいもなどの代用として料理に使用すれば、その分料理に含まれる糖質を削減することができるでしょう。
満腹感を得やすい
おからパウダーは水分を吸収すると4~5倍位膨れ上がるため、満腹感を感じやすいという点も魅力のひとつ。スープや味噌汁に活用することで、手軽に腹持ちの良い一品になり、ハンバーグなどの肉料理のかさましとしてえば、ヘルシーな仕上がりになります。
美肌効果
おからに含まれている大豆イソフラボンには、女性ホルモンの分泌の低下が原因で起こる肌の弾力低下やシワの予防と改善効果があることが明らかになっています。
また、おからには肌の血流を促進するビタミンEが含まれているため、皮膚の新陳代謝が活性化することでシミやそばかすを改善する効果も期待できるでしょう。
オススメのおからレシピ
カロリーと糖質が低いおからは、ダイエットをしている方にもおすすめの食品です。そこで最後に、おからのおすすめレシピを紹介します。お好みの活用方法で、日々の食事におからを取り入れてみてはいかがでしょうか。
おから蒸しパン
ココア風味に仕上げることで、減量中でも甘いものが食べたいという人にもぴったりの、ギルトフリーな蒸しパンができあがります。
【材料】
A
・おからパウダー 15g
・ココアパウダー 5g
・ベーキングパウダー 3g
卵 1個
牛乳 55g
砂糖 15g
オリーブオイル 大さじ1
【手順】
- 耐熱保存容器に卵・牛乳・砂糖・オイルを入れ、ホイッパーで混ぜます。
- 1にAを加え、さらにホイッパーで混ぜます。底におからが溜まらないよう、最後はゴムベラでよく混ぜましょう。
- 耐熱保存容器にラップをふんわりと被せ、600wのレンジで3分間加熱します。
- 粗熱が取れたら完成です。
おからクッキー
通常のクッキーと比べるとカロリーが低いおからクッキーは、小腹が空いた際の間食に適しています。
【材料】
アーモンドパウダー 60g
おからパウダー 40g
砂糖 50g
卵 1個
バター 35g
【手順】
- バターを600Wのレンジで30秒程度温めましょう。
- 全ての材料をポリ袋に入れ、混ざるまでよく揉んでください。
- オーブンを200℃に設定し、予熱しておきましょう。
- 2の生地を薄く伸ばし、型抜きをします。
- 200℃のオーブンで10分程度焼きます。
- 粗熱が取れたら完成です。
おから入りお好み焼き
小麦粉の代わりにおからを使用したグルテンフリーのお好み焼きは、ほろほろとして食べやすい柔らかな食感が特徴です。
【材料】
生おから 100g
卵 2個
和風顆粒だし 小さじ1
水 大さじ5
キャベツ 1/8個
サラダ油 小さじ2
お好み焼きソース 適量
マヨネーズ 適量
かつお節 適量
青のり 適量
【手順】
- キャベツは千切りにします。
- ボウルに卵、和風顆粒だし、水を加えて混ぜ、おから、キャベツを加えて混ぜます。
- フライパンにサラダ油小さじ1を入れて熱し、2を適量広げてのせて、中火で3分程度焼きましょう。
- 焼き色がついたら裏に返して蓋をし、弱火で5〜6分程度焼きます。残りも同様に焼いてください。皿にのせ、ソース、マヨネーズ、かつお節、青のりを好みでかけましょう。
おからハンバーグ
食べ応えもあり、ヘルシーなおからハンバーグはやわらかく食べやすいため、お子さまにもおすすめです。
【材料】
とりひき肉 200g
卵1 個
おから 50g
たまねぎ 1/2個
塩、こしょう 各少々
サラダ油 大さじ1
ソース
・おろししょうが 1かけ分
・酒、みりん、酢、しょうゆ 各大さじ1
・砂糖 小さじ2
・水 90ml
【手順】
- たまねぎはみじん切りにしておきます。
- ボウルに、とりひき肉、おから、たまねぎ1/2、塩、こしょう、卵を入れ、よく混ぜて、小判形に整えましょう。
- フライパンにサラダ油大さじ1を弱めの中火で熱し、生成したハンバーグのタネを並べて1分程度焼きます。残りのたまねぎと、ソースを加えて蓋をし、約5分蒸し焼きにします。
(参考:レタスクラブ│おからハンバーグ)
多くの不溶性食物繊維やたんぱく質を含む食材であることに加え、美肌や便秘解消など様々な嬉しい効果が期待できるおから。ダイエットや健康的な食生活を目指す際に活用できる魅力的な食材です。食事の面から生活を改善していきたいという方は、この記事を参考に、ぜひおからを日々の食事に組み入れてみてください。