標準体型なのに下腹だけがぽっこりしている、そんなに食べていないはずなのに下腹が引っ込まないなど、「ぽっこりお腹」に悩んでいる方は多いでしょう。そこで、この記事ではぽっこりお腹を引き起こす主な原因を説明したうえで、ぽっこりお腹の解消に役立つ生活習慣の見直し方やトレーニング方法を紹介します。
ぽっこりお腹とは?
ぽっこりお腹は、肥満体型の方だけでなく標準体型の方や痩せている方にも見られる症状です。
特に女性に多いとされており、まるで幼児体型のように下腹部だけがぽっこりと出て、スタイルが悪く見えてしまいます。では、なぜぽっこりお腹になってしまうのか、その原因を詳しく見てみましょう。
ぽっこりお腹の主な原因
ぽっこりお腹になってしまう原因は人によって様々です。自分がどのタイプに該当するのか確認してみましょう。
骨盤の歪み
猫背や反り腰などによって骨盤に歪みが生じると、骨盤が常に開いた状態になります。これにより、内臓が本来あるべき位置を保つことができなくなるため、下腹部が出ているように見えてしまう場合があるのです。
特に、座る際に脚を組む癖がある人や、直立した際に片足に重心をかける癖がある人は、骨格や骨盤の歪み引き起こしやすいため、十分注意しましょう。
(参考:RENAISSANCE│便秘?肥満?女性に多い ぽっこりおなかの原因と解消法)
筋肉の衰え・姿勢
内臓は、腹横筋や腹斜筋、骨盤底筋群といったお腹周りの筋肉によって支えられています。ただし、これらの筋肉は日常生活ではあまり使わない部分であることに加えて、加齢に伴って衰えやすいという特徴があるため、筋肉が衰えて内臓の位置が下がることで、下腹部がぽっこりと出ているように見えてしまうのです。
皮下脂肪・内臓脂肪
食べ過ぎや運動不足などの生活習慣の乱れが原因で、腸の機能が低下し栄養吸収率が悪化することがあります。これによって、消化しきれなかった糖分が皮下脂肪や内臓脂肪となって蓄積されることで、下腹部が飛び出してしまう可能性があるのです。
主に、内臓を支える腸間膜の周囲につくのが内臓脂肪、皮膚のすぐ下につくのが皮下脂肪であり、内臓脂肪は男性に多く、皮下脂肪は女性に多いという特徴があります。
(参考:with ONLINE│女性の下腹ぽっこりを解消したい! 原因や筋トレなど解消法を探ります)
便秘
便秘もぽっこりお腹を引き起こす原因のひとつ。運動不足による筋力の低下や食生活の乱れによって、腸内環境が悪化して便秘を引き起こします。これにより、腸内に便やガスが溜まってお腹が張った状態になるため、ぽっこりと下腹部が出たように感じてしまうのです。
ぽっこりお腹の解消トレーニング
すっきりとしたお腹を取り戻すためには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。ここでは、実際にぽっこりお腹の解消に効果が期待できる方法について紹介します。
骨盤の歪みを整えるストレッチ
腰や股関節回りの筋肉を重点的にほぐすことができるストレッチを行って、骨盤の歪みを整え内臓を正しい位置に戻しましょう。
膝倒し
1.体育座りの姿勢で床に座り、手は後ろにつきます。
2.両膝を右側にゆっくり倒してください。このとき、上半身がひねらないよう意識しましょう。
3.膝をゆっくり元の位置へ戻し、次は両膝を左側に倒します。
この動作を左右それぞれ1回ずつで1セットとし、5セットを目安に行います。
ヒップウォーキング
1.足をまっすぐ伸ばした姿勢で床に座ります。
2.両腕を胸の前でクロスさせて、そのままお尻から足にかけてを交互に前へ動かし、5歩前進してください。
3.2と同じ要領で、5歩下がりましょう。
(参考:EXGEL SETINGLAB│「座り」のコラム ぽっこりお腹は骨盤を意識すれば改善する!正しい座り姿勢とストレッチをご紹介)
下腹部のトレーニング
ぽっこりお腹の原因が脂肪の脂肪である場合は、トレーニングを取り入れるのがおすすめです。
ここでは、自宅で手軽に取り組めるトレーニングを3種目紹介します。
ドローイング
ドローイングは、主にインナーマッスルを鍛えられる種目で、ぽっこりお腹の改善や基礎代謝の向上が期待できます。
いくつかの種類がありますが、今回は仰向けに寝て取り組む方法を見てみましょう。
1.仰向けに寝た姿勢になり、膝を立てます。
2.腹式呼吸を意識して、ゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませていきましょう。
3.お腹をへこませた状態を10~30秒間維持してください。このとき、呼吸は止めず、浅い呼吸を続けます。
4.30秒を経過したら脱力してください。
この動作を左右それぞれ10~30秒間ずつで1セットとし、2セットを目安に行います。
お腹をへこませる際は、お腹の正面に加えて側面もへこませるイメージで取り組んでみましょう。慣れないうちは、お腹に手を当て、しっかりとお腹の動きを実感しながら行うのがおすすめです。
レッグレイズ
レッグレイズは、腹筋の筋肉である「腹直筋」の下部と、股関節の動作を支える「腸腰筋」を鍛えることができる種目です。これらの筋肉は内臓を支える役割を果たしているため、ぽっこりお腹の解消や姿勢の改善に効果が期待できるでしょう。
1.仰向けに寝た姿勢になり、身体の横に手を置きます。
2.両脚を床から少し浮かせます。このとき、腰を床につけるように意識しましょう。
3.両脚が床と垂直になる高さまで上げて、ゆっくり下ろしていきます。このとき、脚を下ろしきらずに、少し浮かせたままにしておきましょう。
4.2~3の動作を繰り返します。
この動作を左右それぞれ10~15回ずつで1セットとし、3セットを目安に行います。
腹筋を十分に収縮させるためにも、動作中は常に腹筋に力を入れて腰が反らないよう気を付けましょう。どうしても腰が反ってしまう場合は、両手を腰の下に差し込み、手を床に押し付けるようなイメージで取り組んでみてください。
ニーレイズ
レッグレイズと同様に、腹直筋の下部と腸腰筋にアプローチできるのがニーレイズです。レッグレイズに比べて負荷をコントロールしやすいため、トレーニングに慣れていない方は、ニーレイズから挑戦してみましょう。
1.仰向けに寝た姿勢になります。
2.おへそをのぞきこむイメージで、頭を少し持ち上げます。
3.手を床に押し付けるイメージで、腕を45度に開いて床につけてください。
4.腰が上がらないよう注意して、脚を少し浮かせます。(セットポジション)
5.膝を曲げながら、腹筋に向かって引きつけてください。この時、反動は使わず、しっかりと腹筋の動きを意識しながらゆっくり動作しましょう
6.お腹ギリギリまで引きつけて、2秒ほど維持します。
7.ゆっくりと脚を伸ばして、セットポジションに戻しましょう。
8.5~7の動作を繰り返します。
この動作を左右それぞれ15〜20回ずつで1セットとし、3セットを目安に行います。
顔が上がっていたり、背中が反っていたりすると十分な効果が得られないため、常に視線はおへそに向けることを意識してください。
また、腹部を鍛えるトレーニング方法についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
有酸素運動
腹部の筋肉に重点的にアプローチできる筋トレに加えて有酸素運動を取り入れることで、筋肉の上を覆う脂肪を燃焼させ、さらに効率よくぽっこりお腹を解消することができます。
特に、お腹痩せに役立つ有酸素運動としては、ジョギングやウォーキング、スイミング、なわとびなどがおすすめ。
有酸素運動を行いたくても忙しくてなかなか時間が取れないという方は、通勤や通学の際に一駅分前で電車を降りて歩くなど、できる範囲で生活に取り入れてみましょう。ウォーキングを行う際は、背筋を真っ直ぐに伸ばし、普段より速度を上げて歩幅を大きく保つことを心がけてみてください。
より詳しく腹部を引き締めたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
食生活の見直し
栄養バランスを考慮して、適切な摂取量・摂取カロリーを意識した食生活を送ることでも、ぽっこりお腹の解消に効果が期待できます。
特に、朝食をしっかりと食べると、体温が上昇して代謝が上がるため、お腹が引っ込みやすい身体作りに役立ちます。朝食を食べる習慣がないという人は、卵や白米など、血糖値を上げる糖質と体温や代謝を上げるタンパク質を同時に摂取することができる食品を取り入れてみましょう。
また、ぽっこりお腹の原因が脂肪の蓄積にあるからといって、食事を抜いたり極端なカロリー制限をしたりすることはおすすめできません。
(参考:フィットネスジム ジョイフィット24│【女性向け】お腹回りの皮下脂肪を落とす方法は?ぽっこりお腹の原因)
まとめ
ぽっこりお腹を効率よく解消するためには、健康的な食生活を意識して、筋トレと有酸素運動をセットで行うことが重要とわかりました。朝起床後にコップ1杯の水分を飲む、1日3食の規則正しい食生活を意識する、移動の際はなるべく階段を使う、姿勢が歪まないように普段から真っ直ぐな姿勢をキープするなど、日常の生活習慣を少し見直すだけでもぽっこりお腹の解消が期待できます。
女性の多くが悩まされるぽっこりお腹は、運動不足や不摂生な食事といった生活の乱れよって引き起こされます。すっきりと引き締まったお腹を手に入れるためにも、自分の体調や体質、ライフスタイルに合わせて、記事内で紹介した改善策を無理のない範囲で取り入れてみてください。