そのフレンドリーなキャラクターと、プロのスキルを発揮しまくりの踊ってみた動画などで人気を博す、プロバレエダンサー&バレエYouTuberのヤマカイさん。活動の場は今やYouTubeにとどまらず、オンラインサロンにも拡大しています。
現在、初心者から上級者まで楽しくバレエを学べるオンライン教室「ヤマカイバレエカンパニー」を運営中。
なぜヤマカイはオンラインサロンをはじめようと思ったのか。そこには、もっとたくさんの人にバレエにふれてほしいという一途なバレエ愛がありました。
ブランクを乗り越えプロの道へ
――現在、アメリカでプロのバレエダンサーとしてご活躍されているとのことですが。名門として名高い函館ラ・サール高校を卒業後、18歳でアメリカに渡り、ニューヨークのバレエ学校に入学されたと。すごい経歴ですね。
バレエをはじめたのは小学1年生のときでした。当時は周りの人から「神童」とチヤホヤされたりして(笑)。僕自身もバレエが大好きだったんですけど、小6ときに中学受験のために一度バレエを辞めることになりました。
でも、バレエって、1回辞めると、元の体に戻るのにすごく時間とトレーニングが必要なんですね。僕もそうで、中学に入ってまたバレエをやろうと思ったら、全然体が思い通りに動かなかった。それがショックで、中学3年間は完全にバレエから離れていました。
――バレエを再開したのはいつからなんですか。
高校に入ってからですね。当時はもう自分の中でバレエはすっぱり辞めた気持ちでいたんですけど、周りからは「やった方がいいよ」とずっと言われていて。僕をバレエの世界に引き込んだ張本人である母からも「週1でいいから、もう1回やってみたら」と勧められたんです。それでまた教室に通うようになったんですけど、自分の意思でというよりは、どちらかというと周りに勧められるままにという感じでした。
――でも、高校在学中にバレエの短期留学に行ったことをきっかけに、アメリカにわたって本格的にバレエを学ぼうと決めたんですね。
バレエ学校時代は、本当にストイックでした。高校時代の友達はみんな有名大学に行って、高卒なのは僕だけ。これでプロのバレエダンサーになれなかったら、みんなと天と地の差が開いてしまう。そんな危機がモチベーションになっているところはありましたね。
それに、ブランクが長かった分、自分のスキルでは通用しないことはよくわかっていた。だから、朝から学校に行って、自分がとっていないクラスのレッスンもいろいろ受けて、とにかく自分の技術を磨くことだけに時間と労力のすべてを注ぐ毎日を送っていました。
――その努力が実り、卒業後はプロの道に。そんなヤマカイさんがYouTubeをはじめたのは、何がきっかけだったんでしょうか。
いちばんシンプルな理由はお金なんですけどね(笑)。バレエの給料だけでは家賃も払えなくて、これはどうにかしないといけないなと。そんなことを考えているときに、信頼しているある方から「僕が君くらいの年だったら、YouTubeをやるけどね」と言われたんです。
あとはやっぱりもっといろいろな人にバレエに興味を持ってもらいたかった。YouTubeは兄とやっているんですけど、当初からバレエをよく知っている人に向けてやるんじゃなくて、バレエをまったく知らない人が見てもおもしろいものをやろうという話はしていました。
それまでバレエを全然知らなかった人が、僕たちの動画を観て、バレエっておもしろいなと思ってもらえたら、きっとバレエ界にも何かしらプラスになるはず。バレエの魅力をより多くの人に広めることが、僕にできる社会貢献なんだという気持ちで、YouTubeはやっています。
月2,900円で気軽にバレエをはじめられるYBC
――現在は、オンラインバレエ教室「ヤマカイバレエカンパニー」(以下、YBC)を運営されていますね。
YouTubeがバレエを広めるファーストステップなら、YBCはその次のステップ。YouTubeを観て、バレエっておもしろいなと思ってもらえることはうれしいんですけど、そこで終わったらもったいないなと思ったんですね。
やってみることでより楽しさがわかるのがバレエなので、見ているだけのところから、自分もやってみるという新しい一歩を踏み出すための場所をつくりたくて、YBCをスタートさせました。
――バレエを学ぶなら、リアルの場でも可能ですよね。オンラインならではのメリットはどんなところがあるのでしょうか。
もちろん街中にバレエ教室はありますが、なかなか時間が合わなかったり、立地的に通えなかったりする方もたくさんいます。そんな方にとって、時間や場所にしばられず受けられるオンラインレッスンは非常に便利ですよね。
今、レッスンを受けてくれている人の中にはハワイやカナダに在住の方もいるんですよ。そんなふうに世界中のどこにいても学べるのはオンラインならではの強みだと思います。
――たしかに。では、ほかのバレエレッスンと比べてYBCならではの強みといえばどんなところだと思いますか。
まずは豊富なレッスン数ですね。YBCではその人にレベルに合わせて多彩なカリキュラムを用意しているだけでなく、ピラティスやヨガといった通常のバレエ教室にはないメニューも取り揃えています。
配信の形態も、YouTubeを使った生配信から、Zoomで講師と生徒が相互にコミュニケーションをとりながらレッスンを進めていく双方向型、さらには過去のアーカイブを自分でチェックして学ぶストック型までさまざまですね。
また、僕のパートナーであるネレアさん(Nerea barrondo)も講師をしてくれているんですが、世界のバレエを知りたい方にとって、実際に世界で活躍するバレエダンサーである彼女から直接レッスンを受けられるのは、とても価値のあることじゃないでしょうか。
こんな感じで、初心者の方から、すでに他の教室でレッスンを受けている上級者の方まで、きっと自分に合ったかたちでレッスンを受けられるのもYBCの強みだと思います。
わからないことがあれば、Zoom上で聞いてもらってもいいですし、アプリ内で質問を送ることもできます。それを講師が確認し、返信するので、不安なことがあったら何でも気軽に相談してください。
――とくに初心者ほど自分のやっていることが合っているのかどうか不安になりやすいものなので、きちんと質問しながら進められるのは安心ですね。
あとは、価格ですね。普通、バレエ教室ってどこも月1万円はかかるものなんですが、YBCは月額2,900円。これだけリーズナブルな価格で、豊富なレッスンがすべて受け放題というのは、はっきり言って破格だと思います。
基本的には毎日なにかしらのコンテンツが配信されますし、多いときは1日3コマもレッスンがある日もあります。仮にですけど、すべてのカリキュラムを受けたら、単純計算で1本30円くらいになるんじゃないでしょうか(笑)。
――ものすごくコスパがいいですね…!
しかも、どんどんアーカイブがたまっていくわけですから、コンテンツが足りなくなることはおそらくないと思います。
ちょっとバレエをやってみたいなと思っている人は、まずYBCをやってみたらいいよって胸を張ってオススメしたいですね。
バレエを習うことで楽しみが増えて健康になる
――YBCに入会されている方は、初心者と経験者のどちらが多いですか。
ざっくり分けると、バレエをやるのは初めてという方が30%、子どもの頃に習っていたけど、いろいろあって辞めてしまって、また再開したいという方が50%くらいです。
そして残りの20%が、今も本格的にバレエをやっている人たち。普段から習っている先生にプラスして、新しい知識や技術を吸収したいと、YBCを利用してくれています。
――実は、私も大人になってから一度バレエ教室に見学に行ったことがあるんです。姿勢がすごく悪くて、バレエを習ったら良くなるかなと思って。
そんなふうにおっしゃる方は多いですよ。それで、一度、姿勢矯正レッスンもしたことがあります。
バレエをやると、美しい所作も身につきますし、体もしなやかになる。とくに初心者の方の場合は、バレエダンサーの美しい立ち姿やオーラに憧れて、自分もやってみたいと思う方が多いようですね。
――もう大人の方が、今からバレエを習いはじめてもプロになるという道はなかなか難しいと思うんですね。それでも、バレエをやってみることで、日常がこんなふうに変わるよと伝えられることはありますか。
まずはシンプルですけど、楽しみが増えますよね。週に何回か、みなさんのペースでいいので、バレエを習う。その時間が、きっと忙しい1週間のちょっとした気分転換や潤いの時間になると思います。
それに、バレエをやると体の調子が整ってくるんですね。姿勢が良くなれば血流の流れが良くなって基礎代謝も上がる。そうすることで姿勢だけでなく体調まで良くなってきます。実際に、バレエをはじめてから体が楽になったとおっしゃる生徒さんは多いですね。
――大人になると、体の不調を感じることも多いですからね。そうした慢性的な体調不良が改善されるのはうれしいです。
バレエって本当に健康にいいんですよ。振り付けを覚えて、音に合わせて動くと、脳も活性化されますし。きちんとしたストレッチを学ぶだけでも、冷えやむくみの改善や、リラックス効果も期待できます。
バレエを楽しむために重要なのは、心理的に安全な空間づくり
――ブランクのある経験者の方がYBCでまたバレエをはじめたいと思うのには、どんな理由があるのでしょうか。
これは残念なことではあるんですけど、小さい頃にバレエを習っていたものの、先生が厳しくてバレエが嫌いになってしまったという方は少なくないんですね。
バレエ教室って先生によって教え方は様々で。中には昭和的というか、たとえばうまい人をみんなの前で褒めて、できていない人に対して「それに引き換えお前はダメだ」と否定するような、特定の人を贔屓にしたり、誰かと比較して貶められたり、そういう相手の尊厳や自己肯定感を削るような教え方が平気で行われている教室もあるんですね。
その経験がトラウマになって、バレエは好きだけど、もう自分でやるのは嫌だとアレルギーを起こしている人が非常に多いんだとYBCで実感しました。だからこそ、YBCではみんながバレエを好きになれるような指導法を徹底しています。
――その点について詳しく聞かせてください。YBCが大切にしている教育理念とはどんなものなのでしょうか。
やっぱり大事なのはバレエを楽しむことだと思うんですよ。楽しいから続けられるし、楽しいから上達する。バレエが楽しい、踊ることが気持ちいいと思ってもらえる環境づくりは意識しています。
そのために実践しているのが、心理的に安全な空間をつくること。具体的にいうと、まず否定する言葉を使わないことです。たとえば、生徒さんの背中が曲がっているとしますね。でもそのときに「背中が曲がっている」とは絶対言わない。そうではなく「縦に5cm身体を伸ばしてください」と伝えるんです。
ほんの小さなことと思うかもしれませんが、そうやってネガティブなワードを使わないようにするだけで、生徒さんも萎縮しなくなるし、マイナスな気持ちを持たなくなります。
あとは、褒めることに尽きますね。人ってやっぱり褒められるとうれしいし、自信にもつながる。だから、いいなと思うことはどんどん褒めます。
わかりやすく例に挙げると、YBCでは質問をしただけで褒めます。質問って、こんなこと聞いて変だと思われないかと考えて遠慮してしまう人も多いんですよ。でもそこできちんと「いい質問ですね」と褒めれば、質問してもいいんだと思えるし、また質問しようとも思えるじゃないですか。そして、そうやってわからないことをどんどん質問できるようになれば、吸収スピードも上がる。結果、上達も早くなるんですよね。
――学びの場における心理的安全性は今、非常に重要視されていますよね。
そうなんです。実はこのYBCも兄がバックアップしてくれているのですが、兄は大学で教育学やコーチングについて学んでいて、教員免許も持っているんです。教育について専門的に研究してきた人間だから提供できる理論に基づいた指導メソッドが、YBCの強みでもあります。お互いに認め合うことができて、みんなが居心地がいいと思える環境を実現しようと、講師全員が心がけています。
「NO BALLET,NO LIFE」と思えるくらいバレエを好きになってもらえたら
――ほかにも、YouTubeを見ているヤマカイさんファンのみなさんにオススメしたいポイントはありますか。
そうですね。毎週1回、約30分間のライブ配信を行っています。基本的には1週間の出来事についてお話ししたり、YouTube撮影の裏話をしたり、みなさんからの質問にお答えしたり。YouTubeチャンネル以上に距離の近い感じで、お話をさせてもらっています。あとは月1回のZoomミーティングもやっていて、そこでは顔を合わせながらやりとりもできるので、ぜひ気軽にコミュニケーションをとってほしいですね。
――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。
僕はよく「NO BALLET,NO LIFE」と言っているんですけど、バレエってただのエクササイズにとどまらず、生きがいそのものになるんです。
やればやるほどどんどん深みにはまっていくのがバレエの魅力。だから、ちょっと運動をしてみたいなという方から、日常生活に何か物足りなさを感じている方まで、きっと楽しんでいただけると思います。さっきも言いましたが、会費は月2,900円で全部のレッスンを受ければ、1コマおよそ30円ですから(笑)。あまり難しく考えず、まずは気軽にトライしてもらえればうれしいです。
初回入会の方には1週間無料トライアルもやっていますので、ちょっと覗いてみるくらいの感覚で来てもらうのが一番いいのかなと。バレエを踊る楽しさをこのYBCで感じてもらえるよう、僕たちが心を込めてサポートします。
これまでバレエに触れたことのない方は、日常の新たな楽しみを見つけるために。バレエ経験者の方は新たな先生のもとでより深い学びを得るために。
「NO BALLET,NO LIFE」
あなたも「ヤマカイバレエカンパニー|YBC」で、もっとバレエを好きになってみませんか?