仕事や勉強などに取り組んでいるとき、「集中力が続かない……」と悩んだ経験はありませんか?
集中力が途切れると、すぐに終わるはずの作業も予想以上に時間がかかるものです。さらに、その結果残業や夜更かしが続き、疲れてしまう場合もあるでしょう。
そこでこの記事では、集中力を高めるための方法やおすすめのアイテムなどをご紹介します。
集中力が続く時間はどのくらい?
人間の集中力は、最大で90分持続するといわれています。しかし実際には、90分間常に集中し続けている人はあまりいないでしょう。実は、集中力には波があり、約15分周期で集中が途切れやすいタイミングが訪れると考えられています。
そのため、とくに集中して取り組むことのできる時間は15分程度だといえるでしょう。
(参考:TOWNWORKマガジン│集中力の限界は90分? 集中できないときに試したい効果的な休憩方法と勉強法)
集中力が続かない原因は?
集中力が続かない原因は、作業時間だけとは言い切れません。周囲の環境や自分自身のコンディションなども集中力を弱めてしまう場合があります。
適度な休憩をとらない
前述したように、とくに高い集中力を維持できる時間は15分間です。そのため、休憩を取らずに長時間作業を続けていては、だんだんとパフォーマンスが低下してしまうおそれがあります。
(参考:Team spirit 働き方改革研究所│睡眠不足の恐さ)
マルチタスク
複数の仕事を並行して行うマルチタスクも、集中力を低下させると考えられています。
例えば、Aの案件に取り組みながら、Bのメールを確認するとしましょう。ちょっとした作業の切り替えですが、頭の中ではBに必要な情報を呼び出しており、Aに対する集中力が途切れがちです。また、もともと進めていた案件に戻るときも、脳の中ではAの情報を再度呼び出します。これを何度も続けているうちに、集中力が低下してしまうのです。
(参考:東洋経済オンライン│「マルチタスク」での仕事が極めて非効率な理由)
寝不足
必要な睡眠時間が確保できていないと、人間の集中力は低下するといわれています。ペンシルバニア大学のドンゲン氏たちによる研究では、6時間睡眠を14日間続けると脳のパフォーマンスが低下し、丸1日寝ていないときと同じ状態になることが明らかになりました。
また、カリフォルニア大学のウォーカー氏の研究では、徹夜をした人とアルコールを飲んだ人の集中力は同じくらい低下することがわかっています。つまり睡眠不足で働いている人は、酔った状態で仕事をしているようなものなのです。
(参考:日経ウーマン│睡眠負債は質でカバーできない 浅い睡眠にも意味がある)
周囲の環境
デスク周りが散らかっていたり、近くにいる人の話し声が気になったりと、周囲の環境が原因で集中できない場合もあります。さらに、デスクや椅子の高さが合わない、など自分に向いていない道具を使い続けることも、集中力を妨げる原因になることがあるでしょう。
スマホやパソコンの誘惑
スマホやパソコンを使っていると、「つい関係ないことをインターネットで調べたくなる」、「こっそりゲームをしたくなる」など、様々な誘惑に負けてしまう場合もあります。スマホやパソコンは仕事や生活に欠かせない道具ではありますが、集中力を途切れさせる原因にもなっています。
プレッシャー
「仕事が多い」、「納期までに間に合うのか」などのプレッシャーを感じているときも、人間の集中力は低下しやすいと考えられています。これは、作業に集中しようとしても、常にほかの懸念事項が頭に浮かんでしまうためです。
モチベーションの低下
モチベーションが低ければ、そもそも作業に集中することが難しくなってしまいます。また、疲労がたまって「働きたくない」と思っているときも、集中力が低下しやすいでしょう。
(参考:三菱電機ITソリューションズ│どうしても集中力が続かないときの5つの対処法)
集中力が続くようにするためには?
ここからは、集中力を持続させるための工夫をいくつか見てみましょう。
睡眠をしっかりとる
寝不足は集中力を低下させてしまうことがあるため、睡眠時間を確保してみましょう。成人の理想的な睡眠時間は6~7時間程度とされていますが、普段より1時間多く眠るだけでも身体や脳の調子が上がるはずです。
作業中にどうしても眠くなってしまった場合は、短時間の仮眠をとってもいいでしょう。
(参考:サントリーウエルネスonline│集中力が続かない!?集中力を維持して物事に取り組むための方法と生活習慣)
作業を分割する
負担の大きいタスクに取り組まなければならないときは、タスクを小さく区切ると集中力を維持しやすいとされています。例えば、部屋の片付けをする際「大きなものをクローゼットにしまう」「掃除機をかける」「棚のうえを拭く」など、簡単なタスクに分割しておけば、各作業を集中して進めやすくなるでしょう。
整理整頓をする
作業中にスマホや関係のない物をいじってしまう場合は、デスク周りを整理整頓すると集中力を維持しやすくなります。とくに、すぐにいじってしまう可能性のあるスマホは引き出しやカバンの中にしまい、休憩中だけ取り出すなどメリハリを付けた使い方を心がけるといいでしょう。
集中力を高めるためには?
続いては、集中力をさらに高める方法を紹介します。
こまめな休憩を取る
こまめに休憩をとると、集中力が高まると考えられています。休憩時間の目安は5分から15分程度。集中力の低下や疲れを感じたら思い切って休んでみましょう。
また、イタリアの起業家、フランチェスコ・シリロが考案した「ポモドーロ・テクニック」を実践するのもおすすめです。
ポモドーロ・テクニックでは、25分間集中して作業したあとに5分間の休憩を取ります。これを4セット分くり返したあとは20分から30分程度の長めの休憩を取り、また25分の作業を始めます。
休憩時のポイントは、ただぼーっとすること。目を閉じて好きな音楽を聴く、深呼吸をする、椅子から立ち上がる、水分補給をするなどの方法で目と脳を休めましょう。休憩時にスマホゲームなどをすると、むしろ脳を疲労させてしまうため、注意してください。
(参考:TOWNWORKマガジン│集中力の限界は90分? 集中できないときに試したい効果的な休憩方法と勉強法)
作業の段取りを決める
次の作業を決めずに仕事をしていると、ひと区切りついた途端に集中力が途切れてしまう場合があるため、作業の段取りを決めておくと集中力を高めやすいといわれています。
段取りを決めるときは内容や順番だけでなく、各作業にかける時間を考えておくと、時間内に作業を終わらせようという意識が働いて、集中しやすくなるでしょう。また、段取りはメモなどに書き残しておくと脳内で記憶する必要がなくなるため、作業に没頭しやすくなります。
(参考:リクナビNEXTジャーナル│仕事の効率をアップ!「集中」するための6つのダンドリ)
環境を変えてみる
作業環境を変えると集中力が高まる場合もあります。デスク周りの整理整頓はもちろん、普段とは違う場所に行って仕事をする、スタンディングデスクを導入するなど、方法はさまざま。自分が集中しやすいと思える環境を探してみるといいでしょう。
(参考:スタディサプリ│勉強に集中する方法とは?今すぐできる10のコツ、専門家に聞きました!)
脳トレ
集中力を高めるには、脳トレをするのも効果的です。図形を使ったパズルに取り組むといった一般的な脳トレのほか、料理やDIYで利き手とは違う手を使うなど、日常の何気ない行動も脳トレにつながります。
瞑想
瞑想も集中力を高める手段のひとつです。とくに瞑想法のひとつであるマインドフルネスは、Googleなどの大手企業にも取り入れられています。瞑想といえば座禅をイメージする人もいるかもしれませんが、椅子に座ったままでも簡単に取り組むことができます。
まず、背もたれに頼らないようしっかり骨盤を立てて椅子に座ります。次に目を閉じて、ゆっくり鼻で呼吸しましょう。このとき、意識は呼吸に集中させ、なにかが思い浮かんでも気にしないようにします。このような瞑想を5分程度続けることで、頭の中がすっきりして集中力が高まると考えられています。
(参考:Kracie│集中力アップ!5分間プチ瞑想術で集中力を鍛える方法)
集中力を高める音楽
音楽も集中力を高めるアイテムとして活用することができます。ただし、音楽を聴きながらの作業にはデメリットもあるため、いくつかのポイントをおさえながら、効果的に音楽を活用しましょう。
音楽を聴きながら作業することのメリット・デメリット
人間は無音の空間よりも、適度な音のある環境のほうが集中できるといわれています。また、音楽を流して仕事をすることで嫌な作業に取り掛かりやすくなったり、気分転換につながったりすることもあるのです。
一方で、好きな音楽を流すと聞き入ってしまい作業に集中できないこともあるため、集中したいときにはこの曲と言ったように、定番の作業用音楽を決めて習慣づけておきましょう。
(参考:サントリーウェルネスonline│集中力が続かない!?集中力を維持して物事に取り組むための方法と生活習慣)
集中したいときにおすすめの音楽
集中したいときは、アンビエントのように自然音を中心としたジャンルの音楽がおすすめです。また、川の音や鳥の声などの環境音を流すのもいいでしょう。
一般的には歌詞のないクラシック曲のほうが集中しやすいといわれていますが、これには個人差もあります。いろいろな音楽を試しながら、自分が集中しやすい音楽を探してみてください。
(参考:マイナビニュース│「音楽を聴きながら勉強」ってアリ? 注意点やおすすめのジャンルを紹介)
集中力を高める食べ物・サプリ
集中力を高めるためには食事も大切。とくにおすすめの食べ物やサプリを紹介します。
まずは、糖質です。糖質は、脳のエネルギー源になるため、作業前にチョコレートなど甘いものを食べることで集中力を高めやすくなります。
体内でエネルギー源に変換されるまでの時間を短縮したい場合は、ブドウ糖で作られたラムネがおすすめです。手が汚れにくく、サッと食べることができるので休憩時間にも摂取しやすいでしょう。
ただし、糖質を急激に摂取すると眠くなったりぼーっとしたりする場合があるため、食べすぎには注意してください。
また、集中力を高めるためには朝食をとることも大切。大塚製薬が発表した研究によると、朝食を食べていないグループは、朝にパンやおにぎりなどを食べたグループに比べて集中力が低くなることが分かりました。
ほかにも、タンパク質やビタミンB群も集中力を高める栄養素とされています。タンパク質は卵や肉、ビタミンB群は魚などに多く含まれているため、普段から食事に取り入れましょう。
ブドウ糖にエネルギー変換しやすくする働きがあるとされる必須アミノ酸のリジンは、かつお節や湯葉、乳製品などに多く含まれていますが、日常的に摂取するのは難しいかもしれません。そんなときは、グリコ「エキストラアミノアシッド」やファンケル「マルチアミノ酸」などの、リジンを含んだサプリメントを利用するのもおすすめです。
(参考:大塚製薬│食事の内容が脳と体のパフォーマンスに影響)
集中力が持続する時間は15分間が目安とされています。疲れを感じたらこまめに休憩を入れ、脳をリフレッシュさせてみましょう。休憩により効率が下がるように見えますが、むしろ集中力を維持できるため仕事や勉強がはかどるはずです。
また、食事や音楽など、好きなものを取り入れながら楽しく集中力を高めてみてはいかがでしょうか。