餃子の具材や料理の風味付けなど、にんにくは食生活に欠かせない食材です。一方で、その効果や効能について詳しく知っているという方は少ないでしょう。
そこで、この記事ではにんにくに期待できる効果やおすすめの食べ方について紹介します。
にんにくの栄養成分
にんにくには身体に嬉しい様々な栄養素が含まれています。
中でも特に多く含まれているのが、糖質の代謝に働きかけ体内で脂肪が蓄積されるのを予防するビタミンB1や、タンパク質をエネルギーに変換させ、筋肉や血液、皮膚、粘膜の生成に働きかけるビタミンB6などのビタミン類。そして、健康な骨や歯を作る働きがあるリンと呼ばれるミネラルです。
にんにくの持つ効果
ここからは実際に、にんにくがどのような効果を持っているのかについて紹介します。
女性にうれしい効果
冷え解消
にんにくは冷えの解消に効果が期待できます。
身体が冷える要因のひとつに血行不良があげられますが、にんにくには身体の抹消の血管を拡張させる働きがあります。これによって手足の末端までしっかりと血液が行き渡り、血行が促進されて冷えの解消につながるのです。
(参考:にんにくのよしだ家│にんにくの効能)
美肌効果
にんにくには、血行を良くする効果が期待できると紹介しました。血行が良くなり新陳代謝が上がることで、細胞が活性化されて肌のターンオーバーが促されるため、美肌作りにも役立つのです。
さらに、にんにくには抗酸化作用を持つアリシンやアホエンという栄養素が豊富に含まれているため、アンチエイジングにも効果が期待できるとされています。それらの成分がシミや皺、たるみといった、肌が老化する要因である活性酸素を除去してくれるため、肌の若返り効果が期待できるのです。
(参考:The Beauty Spa carju rajah│体力増強、疲労回復だけじゃない!「にんにく」の美肌効果)
便秘解消
にんにくに含まれる「アリシン」は、腸の働きを活発にすると言われています。また、にんにくの殺菌作用が、便秘の原因になる「悪玉菌」を減らしてくれるので、便秘解消に繋がるでしょう。
男性にうれしい効果
疲労回復
疲労回復には、糖質からエネルギーを産生するビタミンB1が必要不可欠です。その一方で、ビタミンB1は水溶性であるため、その成分の多くが尿として排出されてしまいます。しかし、にんにくにはビタミンB1と結合して吸収率を上げるアリシンという栄養素が含まれているため、体内で吸収され疲労回復に効果が期待できるのです。
(参考:オルト株式会社│にんにくの効果とは? 知らないともったいない健康&美容パワー)
動脈硬化予防
にんにくにはアリシンという栄養素が含まれていると説明しましたが、このアリシンが作用することによって、善玉コレステロールの増加が期待できます。動脈硬化は血流の悪化や悪玉コレステロールの増加が要因とされているため、にんにくを摂取することで動脈硬化を予防できるでしょう。
にんにくと黒にんにくの効果の違いって?
黒にんにくとは、一般的な白い生のにんにくを一定の温度でおよそ3週間熟成発酵させたもののこと。熟成させることで辛みが減り、甘くて食べやすい食感となるほか、にんにく特有のニオイの成分が別の物質に変化するため、食べても臭わないという特徴があります。また、白いにんにくが黒く変化していく過程の中で、抗酸化作用が期待できるポリフェノールやS-アリルシステイン、健康維持に役立つアミノ酸などの保有量が増加するため、そのまま食べるだけで様々な栄養素を手軽に摂取することができるのです。
(参考:国産しょうが専門店 Kogane no sato│黒にんにく)
にんにくチューブも効果は同じ?
疲労回復や動脈硬化予防など嬉しい効果が期待できる栄養素アリシンですが、実はすりおろすなどの調理を加えてから10分以上経過すると効果が失われていくという特徴があるのです。しかし、油でコーティングすることでそれを防ぐことができます。そのため、原材料に何かしらの油が含まれているにんにくチューブであれば、生のにんにくと同様にアリシンの効果が期待できるでしょう。
しかし、油が使われていない商品の場合は、生のにんにくと同様の栄養価を期待することはできないため、基本的には調味料として活用するのがおすすめです。
にんにくの効果的な食べ方
にんにくはどのように摂取すればより効果が得られるのでしょうか。摂取量の目安や食べ方について見ていきましょう。
摂取量
にんにくの1日の摂取目安量などに規定はありませんが、1日の目安は1片を5~7gとして3~4片、多くても10片以内とされています。食べすぎると胃腸への刺激が強くなる空腹時や体調不良の際はなるべく控えるよう心がけましょう。
食べすぎるとどうなるのか
にんにくに含まれているアリシンは、疲労回復や動脈硬化予防などに役立つ一方で、強い殺菌作用があるため、過剰に摂取しすぎると胃の粘膜や胃壁を荒らすなど消化器官に負担がかかってしまう場合があります。
また、腹痛や下痢、便秘を引き起こすなど腸内環境を悪化させる恐れや、血液中に含まれるヘモグロビンの量が減少し、赤血球が壊されてしまい貧血を引き起こす恐れもあるのです。そのため、にんにくを食べる際は適量を守るよう気を付けましょう。
(参考:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』│ニンニク)
食べ方
身体への負担を減らしたい場合は、にんにくを加熱してから摂取するよう意識してください。
にんにくを加熱して酵素の活性化を防ぐことで、アリシンが生成されすぎるのを予防することができるのです。胃腸が弱い場合は、なるべくにんにくを加熱調理してアリシンの生成量を減らし、副作用を予防しましょう。反対に、アリシンの効果を十便に感じたい場合はみじん切りや、すりおろしにして食べるのがおすすめです。
にんにくの効果的な調理方法
最後に、にんにくの効果的な調理方法を紹介します。
油と一緒に調理する
にんにくチューブでにんにくの効能を得たい場合は油を使っている商品を選ぶことが重要と紹介しましたが、それと同様に、調理する際も油を活用するのがおすすめです。
にんにくは酸素と結合することで、栄養素が損なわれてしまいます。
そのため、にんにくを油の膜で覆うことで、にんにくが持つ栄養素を残しておくことができます。油で調理することで、口に運ぶまでにんにく特有のにおいの成分が残るため、風味を感じながらおいしく食べるためにも効率的な調理方法と言えるでしょう。
おすすめのにんにくレシピ
にんにくのホイル焼き
材料
にんにく 1個
サラダ油 大さじ1
塩こしょう 少々
1.アルミホイルを2重にし、簡単な容器を作ります。
2.にんにくは薄皮をむき、根元を切り落としておきます。
3.にんにくを耐熱容器に入れ、ふんわりとラップで覆って600Wのレンジで1分ほど加熱しましょう。
4.アルミホイルの容器ににんにくとサラダ油を加え、塩こしょうをふります。
5.こんがりするまでトースターで15分ほど加熱して完成です。
にんにく卵雑炊
材料
ご飯 150g
にんにく 1/2~1片
固形コンソメ 1個
水 300cc
塩・こしょう 少々
ピザ用チーズ 約10g
めんつゆ 適量
【A】
卵黄 1個
オリーブオイル 少々
パセリ 少々
刻みのり 適量
1.鍋に固形コンソメと水を入れて熱します。
2.ひと煮立ちしたら、すりおろしたにんにく、ごはんを入れて1~2分ほど煮込みます。
3.ごはんに火が通ったら、塩・こしょうを加えて、ピザ用チーズを入れましょう。
4.器に盛り付けて【A】をトッピングし、めんつゆを適量かけて完成です。
ガーリックトースト
材料
フランスパン 1/2本
にんにく 2片
オリーブオイル 大さじ2
パセリ 適量
塩こしょう 少々
1.にんにくの芽を取っておきます。
2.にんにくをすりおろしてボウルに入れ、オリーブオイル、塩こしょう、パセリを加えてよく混ぜます。
3.フランスパンをおよそ2cm幅に切り、それぞれに2を塗ります。
4.トースターの天板にのせて3分ほど焼き、焼き色が付いたら完成です。
ガーリックライス
材料
ご飯 300g
青森県産にんにく 1片
小ネギ 2~3本
サラダ油 大さじ1と1/2
バター 大さじ1
塩 少々
醤油 小さじ1
あらびき黒こしょう 適量
1.にんにくをすりおろし、小ネギは細かく小口切りにしておきます。
2.フライパンにサラダ油、バター、にんにくを入れて、香りが立つまで弱火で炒めます。
3.ご飯を入れ、にんにくと混ぜるようにして炒めます。
4.小ネギと塩を加えて簡単に混ぜましょう。
5.醤油を加えて、最後に黒こしょうをまぶして完成です。
卵のガーリックスープ
材料
にんにく 4片
バター 15g
卵 1個
小麦粉 大さじ1と1/2杯
コンソメ 小さじ2杯
水 400cc
白ワイン 大さじ1と1/2杯
塩 少々
白こしょう 少々
タイム 1枝
パセリ 適量
1.鍋にバターを入れ、溶けたらにんにくを加えて弱火でじっくり炒めます。
2.小麦粉とコンソメを加えてさらに炒めます。
3.白ワインと水を少しずつ加えてダマにならないように混ぜ、強火で沸騰させましょう。
4.火を弱火にし、タイムを加えて蓋をして10分ほど煮込みます。タイムを取り出して塩と白こしょうを加えてください。
5.強火にし、沸騰させて卵を回し入れます。お好みでパセリをちらして完成です。
身体に嬉しい様々な健康効果が期待できるにんにく。一方で過剰摂取してしまうと身体に不調をきたしてしまう場合があります。適量を守って日々の食生活に賢く取り入れてみましょう。