飲み物としてだけでなく、料理やスイーツなど料理に幅広く活用されている豆乳。なんとなく美容や健康に良いイメージがありますが、豆乳にどのような効果が期待できるか詳しく知っているという方は少ないでしょう。この記事では、豆乳に含まれる栄養成分を解説し、その効果や効能、また豆乳のおすすめの摂取方法を紹介します。
豆乳の栄養成分
まず、豆乳にはどのような栄養素が含まれているのか、それぞれ確認しておきましょう。
大豆たんぱく
豆乳には多くの大豆たんぱくが含まれています。豆乳の原料である大豆には植物性のたんぱく質がおよそ30%含まれていますが、そのほとんどが水溶性であるため豆乳に残るのです。
動物性食品に含まれるたんぱく質に比べて吸収率が高く、吸収速度が遅いため、満腹感を得られやすく、過食防止としてダイエットをサポートする効果が期待できると言えるでしょう。
(参考:日本豆乳協会│豆乳の栄養成分)
イソフラボン
豆乳に豊富に含まれている大豆イソフラボンは、ポリフェノールの一種で、女性ホルモンの「エストロゲン」に似た構造といわれています。そのため、加齢に伴って徐々に分泌量が減少していく女性ホルモンの代わりとして役立つのです。大豆イソフラボンは、エストロゲンが足りていない場合は補い、多すぎる場合は減少させる働きがあるため、乳がんなどのホルモン依存型の病気予防にも効果が期待されています。
(参考:MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書│豆乳の栄養素(タンパク質・カルシウム等)について解説!牛乳と豆乳の違いも紹介)
ビタミンB群
不足すると、神経の不安定や身体の疲れ、集中力不足などの症状が出るとされているビタミンB群。豆乳には「豆乳を飲めばビタミンB不足を解消できる」と言われるほど多くのビタミンB群が含まれています。ビタミンB群には脳の機能を維持する働きやイライラを予防する働きがあるため、豆乳を積極的に摂取すると良いでしょう。
マグネシウム
豆乳にはマグネシウムも豊富に含まれています。マグネシウムは体内において、多くの酵素を活性化させることで生命維持に必要なあらゆる代謝に関与しており、骨や肝臓、筋肉、血液といった身体の様々な器官を構成している重要な栄養素のひとつです。マグネシウムをしっかり摂取して、身体を正常な状態に保ちましょう。
サポニン
抗酸化作用や免疫力向上に効果が期待でき、天然の界面活性剤とも呼ばれているサポニンも豆乳に多く含まれている栄養素のひとつ。サポニンはポリフェノールの一種で、苦みがあることがその特徴であり、大豆特有の苦味やえぐみはこれによるものです。生活習慣や食生活を整え、身体を若々しく保つためにも意識して摂取するのがおすすめです。
豆乳のもつ効果
ここからは、豆乳を摂取することで期待できる効果を紹介します。
便秘を解消する
豆乳には腸内環境を整える作用がある大豆オリゴ糖が含まれています。大豆オリゴ糖は、体内で消化・吸収されず、大腸で善玉菌のえさとなり、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。そのため、腸内環境が整い、働きが活発になることで便秘が解消されるのです。
コレステロールを低下させる
豆乳には大豆たんぱくが豊富に含まれていると説明しましたが、大豆たんぱくにはコレステロールを低下させる働きがあります。
豆乳を摂取すると、大豆たんぱくが小腸で消化液に含まれる胆汁酸と結合し、そのまま排出されます。さらに、減少した胆汁酸を新たに作るため、血液中から原料である肝臓へのコレステロールの取り込みが増加し、血中のコレステロールが低下するのです。
(参考:marusan│コレステロールのお話)
老化の予防・ツヤ肌
ビタミンB群、レシチン、サポニンが豊富に含まれている豆乳は、老化の予防や美肌対策に効果が期待できます。ビタミンB群は、肌を健やかに保つ「美容ビタミン」と言われているほか、レシチンには細胞を正常に働かせ、新陳代謝を活発化させる作用があります。これによって、肌のターンオーバーのリズムを正常に保つことができるのです。また、サポニンには抗酸化作用があり、肌の老化の要因となる活性酸素を抑えることによって、細胞を若々しく保つことができるでしょう。
満腹感を得やすい
「豆乳の栄養成分」の項目で紹介したように、豆乳に豊富に含まれている大豆たんぱくは、体内での消化・吸収に時間がかかるため、腹持ちが良く満腹感を得やすいという特徴があります。間食や小腹が空いたときのおやつとして取り入れると良いでしょう。
豆乳にはダイエット効果がある?
豆乳は医薬品やダイエット食品などではないため、ダイエットに必ずしも効果が期待できるというわけではありません。しかし、豆乳はほかの動物性食品に比べて、カロリーが低い大豆たんぱくで構成されているため、基礎代謝が向上しカロリー消費も促されます。そのため痩せやすい身体作りに役立つと言えるでしょう。
また、大豆イソフラボンが減量中の不安定なホルモンバランスを調和してくれるほか、サポニンやレシチンは体脂肪燃焼を促進させる働きがあるため、ダイエットには強い味方となってくれます。
(参考:日本豆乳協会│豆乳Q&A)
豆乳には胸を大きくする効果がある?
豆乳を飲めば必ずしもバストアップ効果が得られるということはありません。ただ、体内で分泌される女性ホルモンエストロゲンに加わり、豆乳に豊富に含まれている大豆イソフラボンが働くことによって、女性ホルモンのバランスが整うため女性らしい丸みを帯びた体型作りや髪や肌の張りを形成するのに役立つとされています。
豆乳の種類
ここからは豆乳の種類を紹介します。
無調整豆乳
無調整豆乳とは大豆固形分が8%以上(大豆たんぱく質換算3.8%以上)含まれているものを指します。原材料は大豆と水のみと加工されていないため、大豆そのものの味を楽しみたい方におすすめです。
調整豆乳
調製豆乳とは大豆固形分が6%以上(大豆たんぱく質換算3.0%以上)含まれているものを指します。調製豆乳は、無調整豆乳に砂糖や塩などが加えられたもので、ほんのりと甘く飲みやすい風味となっていることがその特徴です。
豆乳の飲み方
豆乳の種類がわかったところで、続いてはおすすめの豆乳の飲み方を見ていきましょう。
1日の接種目安量は?
豆乳の摂取目安量に特に規定などはありません。しかし、食品安全委員会では、大豆イソフラボンの一日摂取目安量の上限は70~75 mgとされています。
豆乳に含まれている大豆イソフラボンの平均量は、100gあたり24.8mgであるため、豆乳の量に換算するとおよそ280~300g(コップ一杯半)が1日の接種目安量と言えるでしょう。
豆乳を飲むのにオススメの時間帯は?
豆乳を飲むのに効果的な時間などは特にありません。しかし、食前に飲むことで満腹感が得られ、食事量が抑えられるため食べすぎを予防することができるでしょう。
温めたり凍らせたりしてもいい?
豆乳は温めても凍らせても栄養が損なわれることはありません。ただ、加熱しすぎると表面に膜が張ったり成分が分離したりと形状が変化してしまう場合があるため気を付けましょう。また、凍った豆乳を解凍してしまうと品質が劣化するため、一度凍らせた豆乳は解凍しないことをおすすめします。
豆乳の効果的な調理方法
ここからは、豆乳の調理方法を説明します。
オススメの豆乳レシピ
豆乳バナナジュース
【材料】
バナナ 2本(160g)
調製豆乳 250ml
レモン果汁 適量
1.バナナと調製豆乳は、あらかじめ冷蔵庫で冷やしておきます。
2.バナナの皮をむいて、適度な大きさに切ります。
3.ミキサーにバナナと調製豆乳を入れて、よく攪拌して完成です。
豆乳野菜スープ
【材料】
ベーコン 2枚
玉ねぎ 1/2個
じゃがいも 1個
にんじん 1/3本
オリーブオイル 大さじ1/2
調製豆乳 1カップ
しょうゆ 大さじ1
1.ベーコン、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんをそれぞれ角切りにします。
2.オリーブオイルを鍋に入れて熱し、ベーコン、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんの順に入れて炒めましょう。
3.2に水1と1/2カップを加えます。弱火で熱してアクを取り、蓋をしておよそ6分煮ます。
4.3に豆乳を加えて十分に熱したら、しょうゆで味を調えて火を止め完成です。
牛乳の代わりに使うのはアリ?
牛乳と豆乳はどちらも優良なたんぱく質であり、基本的には豆乳は牛乳の代わりとして活用することが可能です。成分調整豆乳は甘味が足されている製品が多いため、成分無調整豆乳を使用すると良いでしょう。
豆乳プロテイン
豆乳プロテインはソイプロテインとも呼ばれており、大豆を原料にした植物性のプロテインのことです。たんぱく質を精製して作られているため、大豆の脂質や糖質、食物繊維などが抑えられていることがその特徴です。また、豆乳プロテインには乳糖が含まれていないため、牛乳のたんぱく質を原料にしているホエイプロテインでは、お腹の調子が悪くなってしてしまうという人でも安心して飲むことができるでしょう。
豆乳は良質なタンパク質やイソフラボンを豊富に摂取することができます。無調整豆乳と調整豆乳を使い分けることで様々な料理に活用することもできます。豆乳のメリットを活用して、日々の食生活に取り入れてみましょう。