泣いたり笑ったり怒ったり……、感受性の高い人は感情の起伏が激しい傾向にあります。それ自体は悪いことではありませんが、ときには生きづらさを感じてしまう方もいるでしょう。この記事では、感情の起伏が激しいと悩んでいる方のために、感情の起伏が激しくなる原因やリスク、コントロールの方法、さらには相手が感情的な場合の対処法を紹介します。
感情の起伏が激しい人の特徴
感情の起伏は物事に感じて起こる気持ちのさまざまな変化であり、感情の起伏が激しいとは快や不快、好き、嫌い、恐怖、怒りなどの浮き沈みが激しいことを指します。
ここでは、感情の起伏が激しい人の特徴を7つ紹介します。
小さいことを気にしすぎる
物事を細部まで気にする人は、他人の行動や一言に感情的になりやすい傾向にあります。敏感に反応してしまうため、必要以上に厳しく批判し、納得するまで問い詰めてしまうことも。そのため、自分の意に介せないことがあると感情の起伏が激しくなる場合があります。
(参考:Domani|感情の起伏が激しい人に憑かれる…。気持ちに振り回されない方法とは?)
周囲への期待が大きい
周囲への期待が大きいと、他人が自分の思い通りに動いてくれるはずと思ってしまいます。「以前はしてくれたから」「私もしてあげたから」と思い込むのは危険です。また、周囲が何かをしてくれたとしても、自分が望んだ結果が得られるとは限りません。期待が大きくなればなるほど、がっかりして感情の起伏が激しくなる可能性があります。
思い通りに物事を進めたい
自分の思い通りに物事を進めたい人は、感情の起伏が激しい傾向にあります。仲良く話していたのに、自分の思い通りにいかなくなると突然感情的に怒り出すなど、自己中心的な行動を起こしてしまう場合も。また、完璧主義者の人も理想通りに物事が進まないとイライラしてしまうでしょう。
(参考:生涯学習のユーキャン|感情をコントロールするための7つのポイント|感情のコントロールが難しい原因とは?)
周囲からの注目を集めたい
周囲から注目されて認められたい欲求を自己顕示欲といいます。この自己顕示欲が強い人は自分が注目されれば激しく喜び、注目されないと激しく落ち込んだり怒ったりするので、喜怒哀楽が激しくなりがちです。
感受性が強い
物事の刺激に対して興奮しやすい性質を感受性といいます。感受性が強い人は、感動的な場面で涙を流すなど喜怒哀楽が激しく、悲しみだけではなく喜びの感情も激しく動くため、感情の起伏が激しくなりやすいでしょう。
被害者妄想が強い
被害者妄想とは、自分が他人から攻撃されていると思い込む状態を指します。そういう人は、自分を被害者として信じて疑いません。たとえば周囲の人が笑っているだけで自分が笑われているように思うケースなどが挙げられます。被害者妄想が強いとネガティブ思考に陥りやすいため、気分が落ち込むことが増えたり、自己防衛本能から攻撃的になったりする人もいます。
相手のせいにしがち
物事が失敗したときに相手のせいにすることが多い人も、感情の起伏が激しくなりがちです。相手のせいにする人は、自分の間違いを認められないプライドの高い人が多く、他人のせいにして傷つかないようにしたいからです。そのような人は、相手のせいにするためにやたら強気に反論することがあります。
感情をコントロールできないときの弊害
ここでは、感情をコントロールできないときの弊害を2つ見ていきましょう。
周囲から敬遠される
感情のコントロールができない人は、思い通りにならないことに過剰に反応しがちです。そのため、ちょっとしたことで傷ついて落ち込んだり、怒りを抑えられなくなったりします。そういった負の感情を人前でさらけ出していると、楽しい雰囲気がなくなり、周囲から敬遠される可能性があります。
(参考:マイナビウーマン|あなたは大丈夫?嫌われる人の10の共通点)
社会的地位を失うことも
感情がコントロールできないと、重要な仕事を任せてもらえないなどデメリットが増えます。仕事以外でも、多くの場所で人と関わる場合は感情が安定している人の方が好まれるでしょう。どんな組織に所属していたとしても、感情をコントロールができないことは大きなリスク。場合によっては、信頼できない人として社会的地位を失う危険性があります。
(参考:リクナビNEXTジャーナル|「すぐカッとなり感情コントロールができない…」職場で役立つ感情コントロール法は?)
感情の起伏が激しくなる原因
ここでは、感情の起伏が激しくなる原因に着目しましょう。
自律神経が乱れている
自律神経は、交感神経と副交感神経の切り替えによってホルモンの分泌や代謝を調節し、感情を絶妙にコントロールしています。そのため、ストレスやホルモンの変化などで自律神経が乱れるとイライラ感が募りやすくなり、ささいなことで怒ってしまうなど感情の起伏が激しくなると考えられます。
(参考:SATOヘルスケア情報|イライラ感)
ストレスがたまっている
日々の生活でストレスがたまっていている人は、ささいなことで感情的になり、感情の起伏が激しくなりやすいといわれています。また、ストレスをためたままでいると心だけでなく、身体まで不調になるので、ますます状況が悪化することになるでしょう。さらに、ストレスによって睡眠障害を起こすと、喜怒哀楽が暴走しないようにするブレーキが効きにくくなるという研究結果も報告されています。
(参考:NATIONAL GEOGRAPHIC|第92回寝不足でキレる!その「脳内変化」が分かってきた)
こころの病気
感情の起伏が激しくなる原因の1つに、こころの病気が挙げられます。可能性のある病気は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や更年期障害、月経前症候群(PMS)、うつ病、適応障害、総合失調症、自律神経失調症など、多岐にわたります。
病気は治療できる可能性もあるため、あまりにも感情の起伏が激しい場合は、病院を受診してみましょう。
(参考:Doctors File|情緒不安定の原因と考えられる病気一覧)
感情の起伏をコントロールする方法
感情の起伏をコントロールできないと、社会生活を送るのが困難になります。ここでは、感情の起伏をコントロールする方法を8つ紹介します。
感情が起伏するトリガーを把握する
感情が起伏する原因は人それぞれです。自分はどんなときにイライラするのか、自分にとってどうしても耐えられないことは何なのかなど、日常で気になる点を把握しておくことが大切です。感情が起伏するトリガーが把握できれば、それに触れないように対策ができます。また、冷静に考えることができるようになり、怒る必要がないと気づけるようになるでしょう。
(参考:生涯学習のユーキャン|感情をコントロールするための7つのポイント|感情のコントロールが難しい原因とは?)
感情を出す前に数秒我慢する
感情を出すときは、つい勢い余って気持ちをぶつけてしまいがちです。しかし、一度出してしまった言動は取り返しがつきません。あとから後悔しないためにも感情を出す前に数秒時間をおいてみてください。数秒間と意識するのではなく、深呼吸をするのもおすすめです。
(参考:Domani|感情の起伏が激しい人に憑かれる…。気持ちに振り回されない方法とは?)
感情が抑えられないときは周囲と距離を取る
どうしても感情が抑えられない場合は、一人になるため周囲と距離をとるようにしましょう。怒りの原因がある場所では、なかなか感情を抑えられないからです。一人になったら、気持ちが落ち着くようにリラックスを心がけてみましょう。全然違うことを考える、お茶を飲むなど、ゆったりした気持ちになれることを試してください。
(参考:生涯学習のユーキャン|怒りがコントロールできない|これって病気?怒りをコントロールする方法はある?)
自分自身や他人に期待しすぎない
他人に期待をしすぎると、うまくいかなかったときの落胆が大きくなります。人によって考え方や理解力は異なるため、期待した通りにならないことは多いもの。期待したことで喜んだり悲しんだりを繰り返していると、感情の浮き沈みが激しくなり疲弊してしまいます。他人に期待しすぎないと意識するだけで、ずいぶん感情が安定するでしょう。
(参考:Smartlog|感情が激しい人の特徴&原因|今すぐできる5つの改善方法とは)
価値観の違いを自覚する
価値観とは人が価値を見出すことや感じ方を意味しており、人の数だけ存在しています。たとえ同じ境遇で育ってきたとしても、まったく同じ価値観の人はいません。自分と異なる価値観と出会うと、価値観を押し付けたくなったり、否定したくなったりすることもあるでしょう。しかし、そうすることでこころに波風が立って感情の起伏をコントロールできなくなります。自分と他人の価値観は違うことを自覚し、相手の気持ちを受け入れるようにすると、自然とこころが安定するでしょう。
こまめにストレスを発散する
ストレスがたまると感情の起伏が激しくなります。そのため、感情をコントロールするためには、ストレス発散が大切です。
ストレス発散方法は人それぞれ異なりますが、簡単にストレス発散をするなら以下がおすすめです。
- 感情を書き出す
- からだを動かしたり大きな声で歌ったりする
- リラックスできる趣味を見つける
感情を紙に書き出すと、頭の中で考えていることを客観的に見られるので、こころがすっきりします。感情的な理由がわからなかったことも整理できるでしょう。
また、からだを動かして軽い運動をするのもリフレッシュに最適です。
リラックスできる趣味には、アロマオイルやお香を焚くこと、音楽を聴いてのんびりすること、ハーブティーを飲むことなどが挙げられます。リラックスできるならなんでも良いので、自分が好きなことをしてみてください。
生活スタイルを見直す
生活スタイルとこころの安定はつながっているため、不規則な生活を送っていると情緒不安定になりがちです。生活スタイルを見直し、適切な食事と運動、睡眠を心がけるだけでも、心身ともに健康に近づけるでしょう。気持ちが前向きになるとこころが安定し、気持ちの浮き沈みが減りやすくなります。
周囲の人々からの理解を得る
自分で努力しているにも関わらず、感情の起伏が抑えられない場合は、周囲の人々に相談して理解を得ることが大切です。ときには周囲を頼ってサポートをお願いしてみるのもよいでしょう。もしも身近に相談できる人がいない場合は、カウンセリングを利用するのも1つの方法です。カウンセリングは心療内科や精神科で受けられます。
感情の起伏が激しい人の対処法
感情の起伏が激しい人が身近にいると自分も振り回されてしまいます。ここでは、感情的な相手への対処法を見ていきましょう。
相手が落ち着くまで待つ
感情が爆発している相手には何を言っても伝わりません。それどころか自分まで感情的になってしまい、気持ちのぶつけあいになる危険性があります。解決を焦らず、相手が落ち着いてから話し合うようにしましょう。
相手の感情が起伏するトリガーを把握する
感情の起伏が激しい相手でも、いつも怒ったり泣いたりしているわけではありません。感情が昂るにはトリガーがあるのです。怒りのトリガーは人それぞれですが、基本的には不快な場合に起こります。その人のトリガーがどんなときに発動するのかを把握するだけで、相手の感情を逆立てにくくなります。
逆に「感情の起伏がなくなった」ときは
感情の起伏はずっとあるとは限らず、ときにはなくなる場合もあります。たとえば、こころの病気によって感情の起伏が激しかった人は、病気がよくなることで情緒が安定することもあるでしょう。逆に、こころの病気になることで感情の起伏が乏しくなるケースもあります。笑わない、反応がないなど、感情がない場合は病院を受診しましょう。
(参考:Oggi.jp|あなたは大丈夫?「感情の起伏」が激しい人の特徴や原因・対処法・改善策についてご紹介)
まとめ
感情の起伏が激しいと周囲に敬遠されたり、社会活動に支障をきたしたりする恐れがあります。原因と対処法を把握して実践すれば、感情の起伏をコントロールできる可能性が高まります。周囲とよりよい関係を作るため、また自分自身も生きやすくなるために、感情の起伏をコントロールする方法を試してみてはいかがでしょうか。