在宅勤務になったり、リモート授業になったりと、外に出る機会が減ったことで、なんとなく筋肉が落ちたように感じている方は多いでしょう。そこで、この記事では筋肉量の測定方法や男女別に筋肉量の平均値を紹介します。筋肉量の増やし方もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
筋肉量について
筋肉量とは、身体の筋肉組織の重さのことです。筋肉は私たち人間の身体において、姿勢を保ったり心臓を動かしたりするために働く体組成であり、健康維持はもちろん、美しいボディラインを作るのにも重要な役割を果たしています。
筋肉量と筋肉率
筋肉量が人体における筋肉の重さのことであると説明しましたが、この筋肉量とあわせて知っておくべきなのが「筋肉率」です。筋肉率とは、人体における筋肉の割合のこと。筋肉量は、身体が成長することに比例して大きくなるとされている一方で、筋肉率は比例することはありません。
例えば、体格が良く筋肉量が多くても日常的に運動をしない人であれば、筋肉率自体は低い可能性があります。反対に痩せ型で筋肉量は少ないが筋肉率は高いという人もいるのです。
この筋肉率は自分の筋肉量を計算することで確認することができます。
筋肉量を測定するには
筋肉量を測定する際は、「生体電気インピーダンス法」という分析方法が搭載された体組成計を使う方法や、「DXA法」というX線を用いた体組成測定方法があります。体組成計の種類によっては、筋肉量に加えて筋肉の質を計測できる製品や、筋肉量や体脂肪率をもとに体型判断ができる製品、筋線維の電気性質や細胞組織のバランスからMBA判定ができる製品などがあります。
現在、体組成計を用いた方法は家庭でも手軽に測定できる方法として取り入れられているのに対し、X線を用いた体組成測定方法は高いコストがかかるため医療機関などで主に取り入れられています。
(参考:オリーブオイルをひとまわし│筋肉量の計算方法|男女・年代別の平均値や効率よく増やす方法も解説)
筋肉量の計算方法
ここでは、体組成計などを使用しないでできる筋肉量の計算方法を紹介します。手軽に行えますのでぜひ計算してみましょう。
【1】:体重計で体重と体脂肪率を計測し、以下の計算式で体脂肪量を計算します。
体重(kg)×体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)
【2】:体重から【1】で計算した体脂肪量を引き、脂肪分の無い重さを計算します。
体重(kg)−体脂肪量(kg)=除脂肪体重(kg)
【3】:【2】の重さから筋肉量を計算します。
除脂肪体重(kg)÷2=筋肉量(kg)
さらに、筋肉率を求めたい場合は以下のような計算式で求めます。
筋肉量(kg)÷体重(kg)=筋肉率(%)
筋肉量・筋肉率の平均
筋肉量の計算方法が分ったら、次は年齢別の平均値と比較してみましょう。
筋肉率の平均【女性】
20代:39%
30代:37%
40代:33%
50代:30%
60代:26%
70代:23%
筋肉率の平均【男性】
20代:44%
30代:37%
40代:34%
50代:31%
60代:29%
70代:25%
筋肉量の平均【女性】
【BMI24.9以下】
全身筋肉量 14.0kg
腕筋肉量 0.9kg
脚筋肉量 3.5kg
【BMI25.0以上】
全身筋肉量 17.0kg
腕筋肉量 1.1kg
脚筋肉量 4.0kg
筋肉量の平均【男性】
【BMI24.9以下】
全身筋肉量 22.0kg
腕筋肉量 1.5kg
脚筋肉量 5.5kg
【BMI25.0以上】
全身筋肉量 24.0kg
腕筋肉量 1.6kg
脚筋肉量 5.8kg
筋肉量を増やすには
最後に筋肉量を増やす方法を紹介します。手軽に取り入れられるものもありますのでぜひ挑戦してみてください。
タンパク質を摂取する
筋肉量を増やすために重要なのは、毎回の食事で十分なタンパク質量を摂取すること。基本的には1日に体重×2gのタンパク質を摂取するのがおすすめです。
タンパク質は筋肉の材料ですが、私たち人間の身体は一度に一定量以上のタンパク質を代謝することはできません。そのため、毎回の食事や補食などによってこまめにタンパク質を補給する必要があるのです。
また、さらに効率的に筋肉量の増加を目指したい場合は、タンパク質に加えて糖質の摂取も心がけると良いでしょう。糖質は体内で優先的にエネルギーとして消費されることに加えて、筋分解防止やパフォーマンス向上に効果が期待できます。また、糖質を摂取するとインスリンが分泌されますがこれによって、細胞の増殖や代謝を調節する酵素であるmTORが活性化され筋肉が成長するのです。
(参考:MORINAGA│かんたん、わかる!プロテインの教科書)
鍛える部位を分ける
全身をバランスよく鍛えることが基本ですが、効率よく筋肉量を増やしたい場合は、特に下半身の筋肉を鍛えることをおすすめします。これは、人間の身体の中で下半身の筋肉が代謝の向上に大きく関わっているからです。人間の身体の中で、下半身の筋肉の割合はおよそ60〜70%。つまり、下半身を鍛えることで効率的に身体の60%以上を鍛えることができるのです。
下半身を中心に全身をバランスよく鍛えたいという場合は、例えば1日目は背中、2日目は足、3日目は腹筋、というように部位を分けて休ませながらトレーニングを行うと良いでしょう。
ここでは、下半身を効率よく鍛えるトレーニング種目を紹介します。
(参考:MORINAGA│女性が自宅でできる筋トレ特集。筋トレメニューと食事メニューを合わせて紹介!)
ワイドスクワット
まずは、下半身を一度に鍛えることができる基本のワイドスクワットから。
1.足は肩幅よりも広く開いて立ちます。爪先は外側へ向けて45度曲げておきます。
2.胸を張って、腰は軽く反らせ、股関節と膝を曲げます。
3.太ももと床が平行になるまで膝を曲げたら、元の姿勢に戻しましょう。
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは椅子を使って行うスクワット。より負荷をかけたいという方におすすめです。
1.椅子の前に立ちます。
2.重心を前足にかけて、後ろ足の甲を椅子にのせます。
3.背筋を伸ばして上体を前傾させ、前足の太腿が床と水平になるまで足を曲げたら、元の姿勢に戻しましょう。この動きを左右どちらも行います。
グルーツブリッジ
持ち上げる動作によってお尻を鍛えるグルーツブリッジ。お尻を引き締めたい方にもおすすめです。
1.仰向けに寝た姿勢になります。
2.腹筋に力を入れて、お尻を持ち上げましょう。
3.背中から太ももの裏が一直線になるイメージで姿勢を保ちます。このとき、腰が反らないよう気をつけましょう。
4.ゆっくりとお尻を下ろしていきます。
(参考:KONAMI SPORTS CLUB│筋トレで引き締まった下半身を目指そう! 冷え性や腰痛の改善も期待できるトレーニング方法)
カーフレイズ
爪先にアプローチすることで、効率よくふくらはぎの筋肉を鍛えましょう。階段や台などを使って自宅で手軽に行うことができます。
1.段差に爪先部分をのせて、踵を浮かせて立ちます。このとき、爪先と膝の向きは揃えておきましょう。
2.爪先で体重を支え、徐々に踵を上げて、爪先立ちで1秒間静止します。
3.踵をゆっくり下ろして、ふくらはぎを伸ばしましょう。
有酸素運動は筋トレの後に行う
筋トレを行うと中性脂肪の分解の促進や、筋肉や骨、皮膚の成長につながる成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンが分泌されると、血糖値が上がるほか、体脂肪が分解された状態となります。そのため、筋トレのあとに有酸素運動を行うことで、効果的に脂肪燃焼が促されるのです。反対に、有酸素運動を筋トレより先に行うと、成長ホルモンの分泌量が減少するため筋肉の修復も遅れてしまう場合があります。
効率よく脂肪を燃焼させ筋肉を増加させたい場合は、筋トレの後に有酸素運動を行うことを覚えておきましょう。
(参考:glico│筋トレと有酸素運動はどっちが先?組み合わせ方は?)
適度な休息をとる
早く筋肉を増加させるために、毎日トレーニングを行っているという方もいるでしょう。しかし、効率的に筋肉を成長させるためには、適度に休息をとることが大切です。これは、トレーニングによって負荷がかかった筋肉は、休息によって回復する過程で成長していくためです。これを「超回復」と言いますが、この超回復を促すためには、適度な休息に加えて十分な睡眠も重要です。さらに、アルコールを控えることもおすすめ。これは、アルコールを摂取することで分泌されるコルチゾールによって筋肉の分解が促進されるほか、筋肉をつくるホルモンの分泌量が減少する場合があるためです。トレーニングを行った後は、飲酒を控えるよう気を付けましょう。
(参考:UHA味覚糖 readcare│筋肉を増やす簡単な方法は?運動や食事のポイント解説!ダイエットでメリハリを)
筋肉量を増やすことで、健康の維持に役立つことに加えて、美しいプロポーションを保つことができます。この記事で紹介した筋肉量を増やす方法をぜひ日々の習慣として取り入れてみてください。