近年、テレビや雑誌など様々なメディアで取り上げられるようになった「ファスティング」。溜め込んだ脂肪や毒素を体外へ排出することで身体を軽やかにする効果が期待されています。この記事では、そんなファスティングについて詳しく紹介します。
ファスティングとは
ここでは、まずファスティングとは何かについて説明します。
ファスティング・絶食・断食の違い
ファスティングは日本語に直訳すると「断食」ですが、長時間食べ物を一切摂らない断食とは違います。ファスティングや絶食は美容やダイエット、健康促進を目的として、一定期間のみ食べ物を摂取せず、最低限の栄養素や酵素などを摂取しながら行います。
(参考:大和酵素公式オンラインストア│ファスティング(断食)の基礎知識)
ファスティングの効果
ファスティングには具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
メリット
ファスティングを行うことで、身体の中の老廃物が排出され、体内環境が整うため、美肌効果が期待できるほか、血流が改善されることで体内の毒素の排泄が促されるため、むくみ解消にもつながります。
また、ファスティングすることで食べ過ぎや溜め過ぎがリセットされるため、ダイエット効果も期待できるのです。
(参考:torcia magazine│ファスティング(断食)の種類と正しいやり方・その効果とは?)
デメリット
ファスティングのデメリットは、長期間行うと空腹からなかなか眠れなくなってしまったり、栄養不良を引き起こしてしまったりするおそれがあることです。
そのため、カロリーや糖質、栄養バランスを考慮して行う必要があります。
ファスティングの種類とやり方
ここからは、ファスティングの種類とやり方を詳しく見ていきましょう。
オプティマム・ファスティングとは
オプティマム・ファスティングは、薬剤師・予防医学士である坂田武士先生が考案したファスティング方法。その方法は、プロテインと豆乳、甘酒を合わせて作るオプティマムファスティングドリンクを飲んで過ごすというものです。ドリンクの栄養素の効果によって筋肉量をキープしながら脂肪を落とせるとされているため、高い注目を集めています。
(参考:ar web│【究極の楽痩せ!オプティマムファスティング】って? ダイエットの結果が出ない人こそ試してほしい理由)
オプティマム・ファスティングのやり方
オプティマム・ファスティングを行う期間は準備期・断食期・回復期を合わせて4日間です。1日目の夕食から2、3日目はオプティマムファスティングドリンクだけを飲んで過ごします。4日目は朝食に果物や生野菜を、昼食は消化しやすいお粥を選んで、ゆっくりと元の食事に戻していきましょう。
イート・ストップ・イートとは
「イート・ストップ・イート」は1週間のうち1~ 2日、丸々24時間断食するというファスティング方法。例えば朝7時から翌朝7時まで、夕飯の後は次の夕飯の前まで断食するなどといったイメージです。
イート・ストップ・イートのやり方
基本的に、ファスティング実施日以外は何を食べても問題ありませんが、必要以上の食事量を取らないように気をつけてください。
また、ファスティングをした翌日の食事は血糖値を急上昇させすぎないことが大切です。果物や生野菜、乳製品といったGI値の低い食べ物を選びましょう。
(参考:kit│効果がすごい!断続的断食(IF:インターミッテント ファスティング)の種類とやり方について)
インターミッテント・ファスティングとは
インターミッテント・ファスティングは時間を限定して行うファスティングのこと。様々な種類があり、2日間ファスティングや16時間ファスティングなどが例に挙げられます。以下で詳しく見ていきましょう。
2日間ファスティング(5:2ダイエット)とは
2日間ファスティングは、1週間のうち、5日間は通常通り食べて、残りの2日間は摂取カロリーを500〜600カロリー以内の食事に済ますというファスティング方法です。インターミッテント・ファスティングには、脳機能やメンタルの活性化が期待できるとされており、これは人間の記憶能力や学習能力、認知能力を促進させるタンパク質が絶食状態に活性化するためです。
2日間ファスティング(5:2ダイエット)のやり方
例えば、水曜日と日曜日をファスティング実施日に設定したら、その2日間はあらかじめ定めた摂取カロリーをオーバーしないよう食事を摂りましょう。ファスティングを実施しない5日間は好きなものを食べて問題ありません。
16時間ファスティング(16:8ダイエット)とは
16時間ファスティングは、一日の食事の時間を9時から6時まで、10時から7時まで、といったように8時間以内と定めて、それ以外の16時間はファスティングをするというものです。
16時間ファスティング(16:8ダイエット)のやり方
例えば、午後13時に昼食を取ったら、午後21時までに夕食を済ませ、それ以降はファスティングを行いましょう。なお、13時から20時までの8時間は、何回食事を摂っても問題ありません。
OMAD(一日一食)とは
OMADは「One Meal A Day (OMAD) Diet」の頭文字をとった略称で、その名の通り、1日1食だけで生活するファスティング方法のことです。食事には、果物、ブロッコリー、トマト、アボカドといった抗酸化物質と繊維質、また、オリーブ油やココナッツ油といった健康的な脂肪分を取り入れて栄養失調を防ぎましょう。
(参考:ELLE│話題の1日1食ダイエット「OMAD」、栄養士はおすすめできる?)
OMAD(一日一食)のやり方
OMAD を行う場合、1回分の食事は9時から13時の間に食べる、といったように毎日決まった時間以内に済ませる必要があり、それ以外の時間はファスティングをします。このとき、ノンカロリー飲料はいつでも飲んで問題ありません。
(参考:Woman’s Health│効果はあるけど健康的じゃない!? 栄養士が解説、話題の「OMADダイエットのすべて」)
初心者におすすめのファスティング
ファスティング初心者におすすめなのは、「1日間ファスティング」です。半日や1日だけ固形物の摂取を控えることで、胃腸が休まり、老廃物の排出が促進されるため、デトックス効果が期待できるのです。
ファスティング中に食べていいもの
ファスティング中になにをどれだけ食べるかも、得られる効果を左右する重要なポイントの1つ。ここではファスティング中におすすめの食材について見ていきましょう。
準備食
ファスティング前の食事は、身体の中に糖質を溜めておかないことと、腸内環境を整えておくことを意識した食事を行いましょう。発酵食品や食物繊維がおすすめです。
ファスティング中
ファスティング中は基本的には何も食べません。ただし、オプティマム・ファスティングなどのファスティング方法で指定のドリンクがある場合は、過不足なく適切に摂取しましょう。
回復食
ファスティングを行った後は、身体の吸収能力が増加しているため、消化器官の働きを促す役割がある食べ物を摂取するのがおすすめです。中でも、準備食と同じく食物繊維と発酵食品は積極的に食べると良いでしょう。
(参考:ピカイチ野菜くん│ファスティングとは?)
飲み物
ファスティング中はしっかりと水分を摂りましょう。糖質を多く含んでいる飲み物は避けて、市販の酵素ドリンクや野菜スムージー、コールドジュースなどを選ぶのがおすすめです。
ファスティング中のNGフード
消化に負担がかかるため、ファスティング前後は揚げ物やスイーツ、アルコール、カフェインは避けましょう。
ファスティングで気をつけること
ファスティングは正しく行わなければ逆に体調不良を招いてしまう場合も。注意点をチェックしておきましょう。
注意点
ファスティング中は、一時的に睡眠不足や頭痛、倦怠感、脱水などの症状が現れる場合があります。ファスティングを行う場合は生活に支障をきたさないよう、時期や期間をしっかりと調節して、栄養バランスに配慮した食事や運動などを意識的に取り入れて健康管理を徹底しましょう。
ファスティングが向いていない人
ファスティングは、デトックス効果が期待できる一方で、身体に負担がかかってしまう場合もあります。特に、18歳未満の子どもは、成長に必要な栄養を十分に摂取することを最優先するためにもファスティングは控えたほうが良いでしょう。また、基礎体力が低下している60歳以上の人も体調不良をきたす場合があるため、ファスティングは控えるのがおすすめです。
ファスティングホテルとは
現在では、ファスティングプランや断食体験があるホテルや施設も多くあります。週末や休暇を使ってプロの指導のもと安全にファスティングを行うことができるため、初心者の方はそういったプランから始めてみるのもおすすめです。
(参考:Woman’s Health│今度の週末、断食してみる? ファスティングができるホテル5選)
胃腸を休ませることによって身体に嬉しい様々な効果が期待できるファスティング。このファスティングを始める際に最も重要なのは安全に行うことです。今回紹介した方法を参考にして、自分に合ったペースで適切に取り組んでみてください。