歳を取るにつれて自分の体型の変化が気になってしまう人は多いはず。食事制限や運動をしてもなかなか体脂肪が減らずに悩んでいるという人もいるでしょう。
この記事では、体脂肪の計算方法や測るときのポイント、平均や体型・男女別の数値などを解説し、体脂肪を減らすためにしたほうが良いことを紹介します。ぜひ参考にしてください。
内臓脂肪や皮下脂肪とは違う?
体脂肪は身体の脂肪を指しており、内臓脂肪も皮下脂肪も含まれます。内臓脂肪とはお腹周りにつく脂肪のことで、胃や腸、肝臓などの臓器や筋肉につくのが特徴です。とくに、男性につきやすい脂肪であり、その原因は多すぎる食事や運動不足、ストレスなどであるとされています。また、内臓脂肪が多い人は、血圧や血糖値、中性脂肪に異常が出やすいと言われています。
皮下脂肪とは皮膚の下の皮下組織につく脂肪のことで、下半身やお腹周り、二の腕などにつきやすいのが特徴です。女性に多くつきやす脂肪であり、一度つくと減らしづらいという特性があります。
体脂肪とは内臓脂肪と皮下脂肪の総称であり、体脂肪率とは体重に占める体脂肪の割合のことです。そのため、体脂肪率を理解すれば、自分の体型が肥満型なのか痩せ型なのかを把握できます。
(参考:Kracie|体脂肪・内臓脂肪・皮下脂肪との違いや特徴、増加する原因やそれぞれの減らし方について|脂肪燃焼コラム)
体脂肪率を測るときのポイント
では、体脂肪率を測るときにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。体脂肪率を測るときのポイントは以下のとおりです。
・毎日同じ時間に測る
・同じ服装で測る
・素足・軽装で測る
・食後や入浴後、運動直後には測らない
・平らで硬い場所で測る
・身長や性別、年齢データを正しく入力する
(参考:ハルメクweb|体脂肪率の測り方│正確な測定のコツ&ベストな時間)
体脂肪率の計算方法
体脂肪率を測るためには体脂肪の重さを知る必要があるため、体組成計と呼ばれる測定器を用意するのがおすすめです。体組成計では微弱な電流を流すことによる電気抵抗や体重、身長、年齢、性別を組み合わせて、体脂肪率や内臓脂肪レベルの数値を測定します。
しかし、体組成計がない場合でも体脂肪率を測定することは可能です。体脂肪率の計算式は次のとおりです。
・体脂肪率(%)=(4.570÷身体密度−4.412)×100
体脂肪率を計算するためには、身体密度をあらかじめ知っておく必要があります。身体密度の計算式は次のとおりです。
・1.0923−0.000514×A
(A=皮脂厚合計(mm)×体表面積÷10,000÷体重×100)
まずは当てはめるAの数値を求めましょう。Aの計算式で使う体表面積の計算式は次のとおりです。
体表面積=72.46×身長の0.735乗×体重の0.425乗
例えば、身長が170cm、体重が65kg、二の腕20mm、肩甲骨下部24mmの人の場合は、体脂肪率は29.1626%という結果になります。
ただし、すべての計算をするのは難解のため、日常的に行うのは困難です。基本的な情報を入力するだけで自動計算のできるke!san生活や実務に役立つ計算サイト|体脂肪率などを利用すると良いでしょう。
(参考:ke!san生活や実務に役立つ計算サイト|体脂肪率)
BMIの計算方法
BMIとは体重と身長から肥満度を算出する方法で、一般的に18歳以上が対象とされています。体脂肪率は体脂肪の割合を表しますが、BMIは見かけ上の体格を表す指標です。
BMIの計算式は次のとおりです。
BMI(kg /㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
肥満度の判定は世界によって異なっており、日本肥満学会はBMIが22を標準体型と定めています。日本における適正体重は次の計算式で求められます。
適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
(参考:アスレシピ|BMI)
【男女別】体脂肪率の平均や肥満レベル
体脂肪率が低い=痩せていて良いというわけではありません。なぜなら、体脂肪にはエネルギーを蓄える、体温を維持する、ホルモン分泌を正常に保つなどの役割があるためです。多すぎても少なすぎても身体に影響があるため、適正値を保つようにしましょう。
成人女性は30%以上、男性は25%以上で体脂肪量過剰と言われていますが、体脂肪率の適正値は年齢や性別によって異なります。ここからは、エレコムの体脂肪率の判断基準を参考に、平均数値や体型による数値を男女別に見ていきましょう。
痩せ型
まずは痩せ型の体脂肪率を見てみましょう。
【男性】
痩せ型の体脂肪率は14.9までを指します。
【女性】
痩せ型の体脂肪率は24.9までを指します。男性に比べるとかなり高い数値です。
標準体型
続いて、標準体型を見てみましょう。
【男性】
標準体型の体脂肪率は15.0〜24.9です。女性の痩せ型も男性の場合は標準体型にあてはまります。
【女性】
標準体型の体脂肪率は25.0〜34.9です。
肥満型
最後に肥満型の数値を見てみましょう。
【男性】
肥満型の体脂肪率は25.0以上です。女性では標準体型の数値も男性では肥満型になります。
【女性】
肥満型の体脂肪率は35.0以上です。
男性の数値にすべて10を足すと女性の数値になります。このことから、女性は男性よりも体脂肪が必要だとわかります。
(参考:ELECOM|男性・女性の体脂肪率の平均は?骨格筋率と併せてチェックしよう)
体脂肪率についてより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
体脂肪に関するよくある疑問
ここからは、体脂肪に関するよくある疑問とその解決方法を紹介します。当てはまるかチェックしてみてください。
体脂肪がつく原因は?
体脂肪は人間にとって必要なものですが、多すぎると健康を損ねる可能性があります。では、なぜ体脂肪は増えすぎる場合があるのでしょうか。
人間の身体には使い切らなかったエネルギーを蓄えておく働きがあります。過剰エネルギーは使われないまま脂肪として蓄積されてしまうのです。現代の生活で過剰な体脂肪がつく主な原因は、以下のとおりです。
・運動習慣がなく、消費エネルギーが少ない
・アルコールの摂取量が多い
・食生活が乱れている
・ストレスが多い
・喫煙をしている
・年齢などで基礎代謝が減少している
(参考:glico|体脂肪ってなに?理解して健康な体を維持しよう)
体脂肪を減らすためには?
体脂肪が増えすぎるとさまざまなトラブルが発生するため、なるべく体脂肪は増やしたくないもの。体脂肪を減らすためにできることは、以下のとおりです。
【食事編】
・食事のバランスを整える
・食事は野菜から摂る
・よく噛んで食べる
脂の多い料理や濃い味付けが好きな人、野菜が苦手な人、自炊をほとんどしない人は、糖質や脂質を摂りすぎている可能性があるため、食事自体を改善すると良いでしょう。
【運動編】
・有酸素運動で体脂肪を燃焼させる
・無酸素運動で筋肉量を増やす
ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は、 体内の脂肪や糖を分解してエネルギーに変換します。そのため、効率よく体脂肪を燃焼できるのです。
有酸素運動に比べると、筋トレなどの無酸素運動の消費カロリーはそれほど多くありません。しかし、筋肉が鍛えられるため基礎代謝のアップが期待できます。基礎代謝には筋肉の細胞が使われるため、脂肪を燃やしやすく、リバウンドのしづらい身体を作れるでしょう。
(参考:JOY FIT|【食生活・運動別】体脂肪の落とし方|理想の体脂肪率も)
まとめ
体脂肪とは内臓脂肪や皮下脂肪を含む身体の脂肪です。健康を保つためには適正量が必要ですが、増えすぎると悪影響を及ぼす可能性があります。体脂肪の割合である体脂肪率を調べると、自分の体脂肪が適切量なのかを判断できるでしょう。
体脂肪の増加にはさまざまな原因がありますが、毎日の生活で減らすことが可能です。食事を改善や運動をして、ぜひ健康的な体脂肪率を目指しましょう。