「授業てらす」日本最大級の特別教員セミナー「磨け、授業力。ALL HAPPY」開催!

著者名サトートモロー
「授業てらす」日本最大級の特別教員セミナー「磨け、授業力。ALL HAPPY」開催!

2023年8月11、12日、教員向けオンライン研修プラットフォーム「授業てらす」の対面×オンラインのハイブリッド型セミナー「磨け、授業力。ALL HAPPY」が開催されました。

イベントには、オフライン参加とオンライン参加を合わせて969名が参加!2日間にわたって開催されたセミナーでは、プロ講師による先生も子どもたちも楽しめる授業を体験することができました。今回、1日目の授業にお邪魔してきましたので、その様子をお届けします!

「授業てらす」とイベントの概要

授業てらすは、授業の質を高めることを通じて、全国の学校に通う子どもたちと先生をHAPPYにすることを目的としたオンラインサロンです。サロンには全国47都道府県から約500名の小・中学校教員が集まり、「子どもたち主体の授業」のあり方を学んでいます。

「授業てらす」では、一流の講師陣がそれぞれの教科・領域を担当しています。

・新潟大学附属新潟小学校 教諭 中野裕己先生

対話やICTツールの活用をとおして、子どもが学びを深めていく新しい国語授業の提唱者。公開研究会、イベントセミナーには全国から参加者が集まる他、著書も多数出版。

・筑波大学附属小学校 教諭 森本隆史先生

子どもたちの個性を大切にしつつ、協働的に学ぶ授業を通じて、「全員参加型の算数授業」を展開。全国算数授業研究会常任理事を務め、著書も多数出版。

そんな「授業てらす」が年1回開催する、日本最大級の教員セミナーが「磨け、授業力。ALL HAPPY」です。今年のセミナーではDMM本社のイベントブースを会場に、「プロ授業体験」と「授業づくりワークショップ」の2つの授業が用意されました。

「プロ授業体験」では、先程紹介した中野先生や森本先生のほか、合計4名の講師が国語・算数・道徳・社会それぞれの模擬授業を実施。「授業づくりワークショップ」では会場を4つに分けて、国語・算数・社会・道徳・図工・体育・音楽・学級経営など各教科の模擬授業を受けることができました。

子どもの夢中が生まれる授業の数々

セミナーでの体験授業やワークショップは、プロ講師がどのような視点で授業を展開しているのかを直に見ることができます。その内容は、驚きと発見の連続でした。

対話が深める言葉の理解 中野先生による国語科プロ授業体験

中野先生による国語授業体験では、小学2年生の春に学ぶ教材である「たんぽぽのちえ」を題材としました。この文章では、作者のうえむらとしおさんが、たんぽぽが黄色い花を咲かせてから白いわた毛を飛ばすまでの観察を書いています。

ここで中野先生は、たんぽぽに対する「うえむらさんの視点の特徴」を問います。文章から分かることを通じて、次々と参加者に意見を出してもらいました。

・うえむらさんは長い期間たんぽぽを観察して成長の様子を見ている

・たんぽぽの花だけでなく、それ以外の部位もよく観察している

先生としては、こうした意見のうちどれをピックアップして子どもの学びにつなげるかが重要です。模擬授業では、「たんぽぽの花以外の部位もよく観察している」という部分を元に、話を掘り下げていきます。

・他の部位にも注目しているけど、それが文章のどこから分かる?

・文章の中に「じく」って言葉があるけど、これって花のどの部位?茎とは違うの?

・そもそもたんぽぽに「じく」って部位はないよね。なぜこう書いているのだろう?

こうした疑問が浮かび上がるとすぐ、中野先生は参加者同士による対話を促します。対話によって生まれた意見を発表してもらうと、中野先生はその意見に関わる「たんぽぽのちえ」の文章をピックアップしていきます。まるで小説やマンガにおける伏線回収のように、参加者の考えと教材の中の言葉が結びついていく授業に、どんどん引き込まれていきました。

引き出す授業でどんどんハマる 森本先生による算数科プロ授業体験

森本先生は授業を行う際、教師が子どもから「引き出す」という授業観をとても大切にしています。その言葉の通り、森本先生の授業は思わず言葉が出てしまうような、刺激にあふれたものでした。

模擬授業では、小学5年生の題材である「単位量あたりの大きさ」をテーマに、森本先生はスライドにある図を用意しました。そこには18匹の金魚と、30L・20L・10Lの水槽が映し出されています。

次に映されたのは、「30Lに6匹」「20Lに6匹」「10Lに6匹」と金魚を分けた図です。

18匹を3つの水槽に分けるのだから、18÷3=6で均等な結果です。しかし、水槽の大きさがバラバラなので図で見るとあまり均等には感じられません。森本先生は、この様子を「金魚の視点」で参加者たちに考えさせます。

30Lの水槽にいる金魚たちは、広々として気持ちいい。でも10Lの水槽にいる金魚たちは、明らかに窮屈で何匹かどこかへ行ってほしいと考えているかも。すべての金魚が同じくらい快適に過ごすなら、どの水槽に何匹の金魚を入れればいいでしょうか?

ここでポイントとなるのは、「金魚1匹あたりの水の量を同じにする」という点です。先生は問題の内容を「12匹の金魚を30L・15L・10Lの水槽に分ける」と変えて、参加者に考えさせました。

問題の設定がとてもゲーム的で、図と金魚の気持ちという感情移入しやすい要素があることで、気づけば勝手にどうやって解けばいいのかを夢中になって考えていました。皆さんは、どうやってこの問題を解きますか?

参加型ワークショップで子どもの視点を体験

ワークショップでも、多種多様な授業が体験できました。体育では、安全に子どものワクワクを引き出せるボールを用いて、ボールを投げる・捕るといった動作を子どもが楽しむための授業の考え方を実演しました。

図工では簡単なタブレット入力で制御できるガジェットを使い、さまざまな動作をさせたり自由にデコレーションさせたりしました。

社会の授業では、地元に根ざした産業をテーマに参加者に質問を投げかけつつ、答え合わせではなく思考を広げられるような授業が行われました。

どの授業も共通しているのが、先生が自分の教科をとても楽しく伝えようとしていること。自分よがりではなく、子どもたちがどうやったら、その授業に関心を持ってくれるかを必死に考えているということでした。

企業ブースと託児所が先生の学びを支援

「磨け、授業力。ALL HAPPY」で目立ったのは、プロ講師による授業だけではありません。セミナーを協賛する企業がブース出展し、最新技術を用いた授業支援ツールをはじめ、子どもたちの教育を支える数多くのサービスが展示されました。

セミナー会場には、ママ・パパ先生のための託児スペースも確保。明治大学の学生ボランティアの皆さんが、先生たちの学びをサポートしてくれました。

「磨け、授業力。ALL HAPPY」で行われた授業体験・ワークショップには、随所に子どもたちが楽しく学べるための知恵が散りばめられていました。毎日の授業や学校にまつわる業務で、なかなか仕事のための勉強時間を確保できない先生は多いと思います。

今回のセミナーに限らず、「授業てらす」ではオンラインで好きな時間に、プロの講師陣による講座・授業を視聴できます。多くの先生たちとともに、新たな学びの場として「授業てらす」をのぞいてみませんか?そしてぜひ、来年も開催されるであろう「磨け、授業力。ALL HAPPY」に参加してみてください!

授業てらす - 授業てらす - DMMオンラインサロン
授業てらす - 授業てらす - DMMオンラインサロン教員向けオンライン研修プラットフォーム。全国47都道府県から400名以上の小・中学校教員が利用。子ども主体の授業に転換できる独自メソッドで満足度100%。利用会員の96%が授業力向上および児童生徒へのよりよい影響を実感。
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