キラーコンテンツを作り続けた男「夏野剛」とは
誰もが知っているiモードをはじめ、iアプリやキッズケータイ、デコメにおサイフケータイと、多くのサービスを立ち上げ、NTTドコモの一時代を築いたのが夏野剛氏、その人です。執行役員を経て2008年にはドコモを退社、現在は慶應大学の特別招聘教授や複数企業の取締役も兼任し、多くのメディアにも登場するなど精力的に活動しています。
なぜ夏野剛氏はヒットサービスやコンテンツを作り続けることができるのか。『Salon de Natsuno』ではその理由を垣間見ることができます。
メディアアーティスト落合陽一氏との対談オフ会
出典:夏野剛~Salon de Natsuno~
先日行われたオフラインミーティングではトークイベントを実施。対談相手はメディアアーティストの落合陽一氏です。最新テクノロジーとビジネスへの影響についてをメインテーマに熱意あふれるトークが展開されました。
ライブのためのカメラスタンバイからスマホと縦長動画について切り込むところから対談はスタート。夏野氏のフリから落合氏はすかさずフォントの面白さという別の切り込み方をします。二人の軽快な掛け合いトークに笑い声が上がります。
印象的だったのはコンピューターの得意分野と人間の関連性。夏野氏は「数値化はコンピューターが得意であり、AIはリスクがあることはできない」と語りました。成功確率が予測できないためにAIでは挑戦できないというひとつの答えです。それを受け、落合氏が語ったのは「リスクとデンジャー」についての方程式。「数値として出せるリスクはAIが対応できるがデンジャーは人間しかできない」ということでした。
テクノロジーが発展していく中で何が人間に求められるか、その価値観に触れることができました。
質問が飛び交う向上心に溢れるオフ会の熱
出典:夏野剛~Salon de Natsuno~
対談の後には質疑応答タイムも用意。中にはテクノロジーの進化による日本人としてのアイデンティティーはどうなるのかという踏み込んだ質問も。夏野氏は「そもそも日本人にアイデンティティーはない」と清々しいまでにシンプルな回答をしました。そして落合氏も「それがいいところ」と重ねます。
その本意は、国民性よりも個体差や年代の違いの方が遥かに大きいという捉え方です。一見何かを失っていくのではというネガティブさも含む問いも、よりシンプルに本質的な捉え方で、新しい視点を目の前に差し出してくれるような答えに、トークの熱もより高まっていきました。
どんなテクノロジーがこれから流行るか、ではない
出典:夏野剛~Salon de Natsuno~
ヒットサービスやコンテンツを作り出す人に共通しているのは、枝葉に囚われずに根幹への意識がぶれずにいる点ではないでしょうか。新しいものを生み出す時には前例はありません。
オフ会で肩の力を抜いて、夏野氏の考え方の軸について触れると、これから何が流行るとか、具体的なものではなく、その具体性を自ら導き出すためのヒントが詰まっているようです。オンラインサロンでもそんな夏野氏の思考のかけらに触れることができます。自らの可能性を広げるチャンスが、そこで見つかるかもしれません。