ふと鏡を見たときに、目の下のクマが気になった経験はありませんか。寝不足や栄養不足、目の疲れなど、目のクマは体調の変化を反映しているといわれています。
実は、要因もさまざまで、それぞれ特徴や改善方法が異なる目のクマ。この記事では目のクマの種類ごとに、原因、効果的な対処法、おすすめの化粧品などをご紹介します。
目のクマとは?
そもそも目のクマの正体をご存知でしょうか。
目のクマは、皮膚のたるみやシワ、シミなどが集まったものの総称で、血行不良や皮膚の黒ずみによって目元が暗く見える場合もあります。実年齢より老けて見えたり、疲労感がある印象を周囲に与えたりするため、メイクをしてクマを隠している人もいるでしょう。
(参考:SK-Ⅱ|お肌のお悩み)
目のクマは3種類
目のクマは色や原因などから、大きく3つに分けられます。各種類の特徴を見てみましょう。
(1)黒クマ
目の下のくぼみにできる影が黒ずんでいるように見えてしまう黒クマ。原因は加齢、眼窩脂肪、コラーゲン不足によるたるみから生じるくぼみなどが考えられます。
(2)青クマ
目の下の血色が悪く、青っぽく見えてしまう青クマ。原因は目の疲れや寝不足、血行不良などが考えられます。
(3)茶クマ
目の下にシミができてしまい、茶色く見えてしまうのが茶クマ。原因は色素の沈着や、古い角質が残ってしまったために生じる角質肥厚などが考えられます。
(参考:TCB美容外科美容皮膚科|目の下のクマの原因と治療法)
クマの見分け方
クマの種類を正しく見分けることで、効果的な改善方法を探すことができます。
クマの色で簡単に見分けられることもありますが、黒クマと青クマは見分けが難しい場合も。そんなときは鏡を見ながら、目元を軽く下に引っ張ってみましょう。
クマの色が薄くなった場合は青クマ、引っ張る前と色が変わらない場合は茶クマの可能性があります。
また、鏡を見ながら顔を上に向け、目元のクマが気にならなくなった場合は黒クマだと考えられています。
(参考:美的.com|目の下のクマ|種類・原因は?クマを取る、たるみを解消するケア方法&おすすめ化粧品・コンシーラーまとめ、BCL|アナタのクマは何クマ?クマのタイプ別対策方法)
【黒クマ】の改善
まずは黒クマの原因について、詳しく解説します。
黒クマの原因
黒クマの原因①:皮膚のたるみ
黒クマは、目元の皮膚がたるんだときに生じることが多いとされています。人間は年を取ると皮膚が薄くなり、たるみやすくなるため、若いときに比べて黒クマの出現頻度が上がることも。
黒クマの原因②:眼窩脂肪が飛び出る
目の下の脂肪(眼窩脂肪)も黒クマの原因のひとつ。浮き上がった脂肪が影のようになり、黒クマを作ります。
眼球は筋肉によって支えられていますが、加齢とともに筋力は低下していきます。すると、目の下にある脂肪部分を支えきれなくなり、眼球が前に飛び出てしまうのです。この症状は、眼球突出と言われます。
黒クマの原因③:過剰なアイケア
目元を美しく見せようとしてアイケアをするのは素敵な心がけですが、何事もやりすぎは禁物。過剰なアイケアは目の周りの皮膚に強い刺激を与えてしまうため、それが黒クマの原因になることもあります。
次に黒クマの改善方法について説明します。
黒クマの改善方法
黒クマの改善方法①:表情筋トレーニング
黒クマを改善するために、目元の表情筋を鍛えてみましょう。トレーニングで血行がよくなると皮膚のたるみも改善され、顔全体が明るく見えるはずです。
誰でも簡単にできるのが「ムンクの顔」と呼ばれるトレーニング。
①まずは、ムンクの名作『叫び』のイメージで口を縦に開けます。このとき、鼻の下をしっかり伸ばすようにしましょう。
②続いて目線を上に持っていき、下まぶたを動かして目を細めます。
③これを3~5回程度くり返した後、最後に目を閉じ、筋肉をリラックスさせれば完了です。
トレーニングはすぐに効果が出るものではありませんが、毎日くり返して表情筋を鍛え、クマの予防に役立ててみてはいかがでしょうか。
黒クマの改善方法②:むくみの解消
むくみを解消すると血行がよくなり、黒クマが改善される場合があります。
眉の周りには顔のむくみやたるみに効くといわれるツボが密集しているため、指で刺激してあげるといいでしょう。とくに眉頭のすぐ下にある攅竹(さんちく)は、顔全体のむくみ、くすみ解消に効果があるとされています。
また、食事の塩分を控えることでむくみを解消できる場合もあります。塩分の過剰摂取は避け、栄養バランスのいい食生活を心がけましょう。
(参考:東洋経済オンライン|医師が警告!「見た目が老ける悪習慣」5大NG、All About Beauty|顔ヨガで目のクマ撃退! 目の下の血流アップ!)
黒クマ改善にオススメの化粧品
黒クマはメイクでカバーするのも一苦労。そこで、黒クマを改善して目元を明るく見せたいときにおすすめの化粧品を紹介します。
黒クマを隠すにはベージュ系やオレンジ系のコンシーラーがおすすめ。
黒クマが最も濃く見える場所にオレンジ系のコンシーラーを塗り、指でなじませます。さらにベージュ系のコンシーラーを薄く重ねれば、黒クマが緩和されます。目元全体に塗ってしまうと不自然に見えるため、あくまでも黒クマが気になる部分だけ塗るようにしましょう。
化粧品例)
・THREE アドバンスド スムージング コンシーラー OR
ファンデーションになじみやすいリキッドコンシーラー。5色展開のうち、とくにオレンジ系の「OR」が黒クマカバーにおすすめです。
(商品リンク:THREE アドバンスド スムージング コンシーラー OR)
・ローラ メルシエ シークレット コンシーラー 2 明るいピンクオークル
ナチュラルな仕上がりのコンシーラー。6種の色合いで展開しており、とくに「2 明るいピンクオークル」は黒クマをカバーしたいときにおすすめです。
(商品リンク:ローラ メルシエ シークレット コンシーラー 2 明るいピンクオークル)
また、黒クマ予防のためには日ごろから目元をケアすることも大切。美容液や「SK‑Ⅱ R.N.A. パワーアイクリーム ラディカルニューエイジ」などのアイクリームでハリを与えてあげるといいでしょう。
(商品リンク:SK‑Ⅱ R.N.A. パワーアイクリーム ラディカルニューエイジ)
ただし、前述したように過剰なアイケアはNGです。目元をいたわりながら丁寧なケアを心がけてください。
(参考:美的.com|目の下のクマ|種類・原因は?クマを取る、たるみを解消するケア方法&おすすめ化粧品・コンシーラーまとめ、Domani|目の下のクマと決別!クマができる原因と解消方法、効果的な化粧品のまとめ)
【青クマ】の改善
青クマができてしまった場合はどのように対処すればいいのでしょうか。主な原因や改善方法を紹介します。
青クマの原因
青クマの原因①:冷え性
青クマの主な原因のひとつが冷え性です。温かい場所にいても体が冷えるときは血行不良の可能性が高く、これが青クマの原因にもなります。血流が滞り、目の周りにある多くの毛細血管が青く透けて見えることで、青クマが現れます。
青クマの原因②:睡眠不足
睡眠不足のときも、青クマができやすいとされています。
睡眠が十分でないと、血圧を増幅させるコルチゾールというストレスホルモンが活発に。すると血管が拡張され、皮膚の上からでも血管が目立つようになります。とくに目元の皮膚は薄いため、冷え性の場合と同様に血管が青っぽく透けて見えてしまうのです。
青クマの原因③:肩こり
肩と目とは、一見関係ないようにも思えますが、肩こりも青クマの原因のひとつです。デスクワークなどで肩がこっている人は血流が滞っており、青クマができやすいといわれています。
青クマの原因④:スマホなどの電子機器
スマホなどの電子機器も青クマの原因になります。長時間画面を眺めることで、自然とまばたきの回数が減り、目の周りの筋肉が凝り固まります。すると、眼精疲労が起き、目の周りの血行が悪くなってしまうのです。
(参考:漢方のツムラ 温 the Life|目の下のくま-冷え症[冷え性]と美容の関係-、TCB美容外科美容皮膚科|目の下のクマの原因と治療法、中塚カイロプラクティック研究所|そのしつこいクマ、肩こりが原因かも クマ 肩こり 目の下真っ黒!そのしつこい「クマ」は肩こりが原因かも【専門家が解説】)
青クマの改善方法
青クマの改善方法①:体を温める
青クマは、体を温めることで改善できる場合があります。目元を蒸しタオルで温める、お風呂に入るなどの方法で血流をよくしましょう。
ただし、乾燥肌の人の場合は蒸しタオルを使うと目元が乾燥してしまうため、ホットパックなど、保湿成分の入ったアイテムで目元を温めるのがおすすめです。
青クマの改善方法②:マッサージ・ツボ押し
マッサージやツボ押しで血行をよくするのも、青クマ改善方法のひとつ。とくに入浴中に行えば、体を温めながら青クマを改善できます。
ただし、爪が長いと目元を傷つけてしまうことがあるので、事前に爪を切っておくか、十分注意してマッサージを行うようにしましょう。
ツボ押し方法について説明します。
①まず最初に、鼻の根元と目頭の間にある睛明(せいめい)というツボを両手の人差し指を使って押しましょう。この時、指の腹を使うと、皮膚を傷つけにくくなります。
②続いて、目尻とこめかみの間にある瞳子膠(どうしりょう)も同様に押しましょう。どちらのツボも眼精疲労に効果的だといわれています。
③さらに、下まぶたから指一本分下部にある四白(しはく)を、少し長めに押します。四白は人差し指ではなく、中指の腹を使うと押しやすくなります。
以上が青クマ改善に効果が期待できるツボ押しの方法です。
また、肩こりの解消も青クマ改善につながるといわれています。肩甲骨を意識して肩を回す、両手を首の後ろで組んでから上に伸ばすなど、肩こり解消のために簡単なストレッチもしてみましょう。
ただし、マッサージやツボ押しをしすぎると茶クマの原因になってしまうことがあるので、力を入れすぎず、ほどほどに行うようにしましょう。
青クマの改善方法③:生活習慣の改善
青クマを改善するためには、生活習慣そのものを見直すことも大切。喫煙や肥満なども目のクマを悪化させると考えられています。
栄養バランスのとれた食生活、禁煙、十分な睡眠時間の確保、軽い運動など、健康的な生活を心がけましょう。
青クマの改善方法④:電子機器を使いすぎない
青クマの原因のひとつとしては、電子機器の使いすぎも挙げられます。そのため、画面を見る時間をできる範囲で短くしてみましょう。また、意識的にまばたきをし、目の周りを動かすことも大切です。
そのほか、端末自体にブルーライトを軽減する「ナイトモード」が搭載されている場合は、それを使用するのもおすすめ。睡眠のリズムを乱す原因となるブルーライトを減らすことで睡眠の質が改善され、睡眠不足による青クマを軽減できると考えられています。
(参考:omRon|体内時計に影響する「ブルーライト」、Walker+t|「クマ」の原因は目元の冷え “睡眠”と“血行促進”で対策を、VOGUE|目の下のクマよ、さようなら! 世界の専門家が解消方法をレクチャー。)
青クマ改善にオススメの化粧品
青クマを見えにくくするためには、オレンジ系のコンシーラーを使うのがおすすめ。
青クマのできやすい涙袋の下にコンシーラーを乗せ、指でなぞってぼかします。このときぼかしすぎると青クマが見えてしまうので、不自然に見えない程度に軽くぼかしましょう。
化粧品例)
・イプサ クリエイティブコンシーラー
3種類のコンシーラーがセットになったパレット。とくにピンクオレンジは青クマを目立たせたくないときにおすすめの色です。
(商品リンク:イプサ クリエイティブコンシーラー)
・エトヴォス ミネラルコンシーラーパレット
シミ、クマ、ニキビ跡のカバーに特化したコンシーラー。オレンジベージュとナチュラルベージュを重ねると青クマが目立たなくなります。
(商品リンク:エトヴォス ミネラルコンシーラーパレット)
また、普段から目元を温め血行をよくすることも青クマ予防には大切です。「オルビス ホットアイリフレパック」などの温め系美容液を使ってケアしてみましょう。
(商品リンク:オルビス ホットアイリフレパック)
(参考:くらし&ハウス 暮らしの知恵|目のクマ 「青」は血流改善、「茶」はメークで対応、美的.com|クマはコンシーラーで徹底カバー!青クマ・黒クマ・茶クマ…種類別原因&おすすめコンシーラー)
【茶クマ】の改善
茶クマの原因や改善方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
茶クマの原因
茶クマの原因①:紫外線
茶クマの原因のひとつに紫外線があります。
目の周りの皮膚はとてもデリケートで、太陽光などに含まれる紫外線によってダメージを受けてしまいます。すると、皮膚が受けるダメージを低減するために、皮膚内では過剰にメラニン色素が作られ、これらが目の周りに沈着することで茶クマが生じます。
茶クマの原因②:目元の触りすぎ
茶クマは目をこすりすぎたときや、過度なマッサージをしたときにも見られます。また、アイメイクをする際や落とす際に目元にたくさん触れていると、それがダメージになってしまうことも。
目の周りの皮膚に刺激を与えると皮膚内にメラニン色素が生成され、色素沈着が起こってしまいます。
もし目の周りがかゆいときにはアレルギーを起こしている場合もあるので、力任せにこすらず医師に相談してみましょう。
(参考:くらし&ハウス 暮らしの知恵|目のクマ 「青」は血流改善、「茶」はメークで対応)
茶クマの改善方法
茶クマの改善方法①:紫外線対策
茶クマを改善するために、原因である紫外線を予防することが大切です。
お出かけ前のケアにひと手間加え、顔用として販売されている日焼け止めを目元に塗っておきましょう。まぶたや目頭、目尻などに日焼け止めを少量乗せ、指でやさしくなじませてください。
茶クマの改善方法②:ビタミンCの摂取
ビタミンCの摂取も、茶クマ改善に効果が期待できる方法のひとつ。ビタミンCには肌を老化から守る抗酸化作用があるだけでなく、皮膚の弾力を保つために不可欠なコラーゲンの生成を助ける働きがあると言われています。
また、新陳代謝のサイクルを整える効果もあると言われているため、日頃からビタミンCを意識的に摂取するといいでしょう。
ビタミンCは食事から摂取することもできますが、皮膚全体に行き渡らせるためにはかなりの量を食べなければなりません。茶クマをケアしたい場合は、ビタミンC配合のアイクリームなどを使うのもおすすめです。
(参考:マイナビウーマン|目のクマは病気かも!?クマの原因と効果的な対処法とは?、スキンケア研究所たて|ビタミンCの主なはたらき)
茶クマ改善にオススメの化粧品
茶クマをカバーするためには、イエロー系のコンシーラーを使ってみましょう。
化粧品例)
・NARS ラディアントクリーミー コンシーラー
11種類の豊富な色展開が特徴的なコンシーラー。「1310」や「1311」などのイエローベースになじむ色で、茶クマをカバーするといいでしょう。
(商品リンク:NARSラディアントクリーミーコンシーラー)
・DAZZSHOP テクニカル スムースコンシーラー MEDIUM BEIGE 02
肌なじみのいいコンシーラー。茶クマをカバーするときはイエロー系の「MEDIUM BEIGE 02」がおすすめです。
(商品リンク:DAZZSHOP テクニカル スムースコンシーラー MEDIUM BEIGE 02)
また、色素沈着が原因でできる茶クマには美白系美容液によるケアも効果的だといわれています。「アンプルール ラグジュアリーホワイト コンセントレート アイ」などの美容液で、日ごろから適度なアイケアをおすすめします。
(商品リンク:アンプルール ラグジュアリーホワイト コンセントレート アイ)
ただしアイメイクやアイケアをするときは、目元を強くこすらないように注意しましょう。
(参考:美的.com|茶クマにおすすめのコンシーラー|色選びのコツや消えない茶クマにおすすめのコンシーラーを伝授! 、Domani|目の下のクマと決別!クマができる原因と解消方法、効果的な化粧品のまとめ)
クマではなく病気の可能性も
目のクマは肝機能の低下といった病気の前兆となっている場合があり、糖尿病や甲状腺の病気であるバセドウ病の初期症状としても、目のクマが挙げられています。
黒クマの原因として挙げた眼球突出はバセドウ病にも見られる症状で、その初期症状としてクマができる場合があります。
セルフケアをしてもなかなか目のクマが改善しない場合は、医師に相談してみてもいいでしょう。
(参考:松本クリニックt|目の下のクマ ~3~)
目のクマは、自分の体調を映す鏡でもあります。クマができてしまったときは正しく原因を探り、自分に合った改善策を講じて無理のないよう身体をいたわってあげましょう。