「もっと収入を増やしたい」とモヤモヤした気持ちを抱えていませんか?
毎日の生活はもちろん、趣味に使うお金や老後の資金などを考えると、収入面で不安を抱いている人も多いかもしれません。
収入を増やすために転職する道もありますが、リスクが大きいのも事実。そこで注目されているのが、本業をしながら副業で収入を得る方法です。
この記事では、副収入を得るためには何から始めればいいのか、どのようなことに注意すればいいのかなどをご紹介します。
副収入を得ている人はどれくらいいる?
本業とは別に副業で副収入を得ている人は、日本にどれくらいいるのでしょうか。
総務省が実施した「平成29年就業構造基本調査」(※)によると、副業を行っていると答えた人は約268万人。つまり、有業者(正規雇用、非正規雇用をどちらも含む)の約4%が副業で収入を得ているといえます。
また、副業をしたいと考えている「追加就業希望者」は約424万人で、有業者の約6.4%を占めています。
※総務省「平成29年就業構造基本調査」概要
(参考:日経経済新聞|副業の平均月収はおいくら?6万8200円と民間調べ)
副収入を得る手段として人気なのは?
リクルートワークス研究所が行っている「全国就業実態パネル調査」によると、2018年時点で多く見られる副業は「アンケートの回答」。手軽に取り組める副業のため、15歳から65歳まで性別を問わず、比較的高い比率を占めています。
また、25歳から54歳の正規雇用女性に多く見られる副業が「飲食店・小売店・コンビニのスタッフ」。いずれも18.8%~26.3%の比率を占めています。
正規雇用男性の場合は「軽作業(清掃、梱包、工場での作業など)」が人気。15歳から44歳で11%~12%前後、45歳から54歳では17.5%の比率を占めています。
副収入の平均額はどれくらい?
副業で得られる副収入には職種などによって個人差がありますが、パーソル総合研究所が2018年10月に実施した調査(※)によると平均月収は6万8200円。もっとも多いのは5万円~9万円でした。
ただし、5万円以下のケースも多く、仕事内容や副業時間によってかなり差があるといえます。また、得られる収入に対して労働時間が長いことや、本業との両立の難しさを課題としている人もいるようです。
※日本経済新聞「副業の平均月収はおいくら?6万8200円と民間調べ」
(参考:まねーぶ|【働き方改革・実態調査】副業している1000人に聞いた収入事情と満足度)
手軽に副収入を稼ぐ方法
副収入を稼ぐためには、具体的にどのような準備をしたらいいのでしょうか。
比較的手軽に始められる「アンケートの回答」に関する副業を例にご紹介します。
ポイントサイト
ポイントサイトとは、簡単にいえば「広告サイト」のこと。買い物やサービス申し込み、広告の閲覧をすることで、見返りとしてポイントが付与され、そのポイントは現金や電子マネー、ギフトカードなどに交換することが可能です。例として「モッピー」、「げん玉」、「ポイントインカム」などのポイントサイトがあります。
必要な道具はパソコンやスマートフォンのみ。また、ブログやSNSでポイントサイトを紹介するとさらにポイントがもらえる場合もあるので、あらかじめ会員登録を済ませておくと便利です。会員登録の際は、メールアドレスや個人確認用の電話番号が必要となる場合も多いので準備をしておきましょう。
会員登録が済んだらサイト内で紹介されているアプリをダウンロードしたり、無料広告をクリックしたりしながらポイントを貯めていきます。
隙間時間で取り組めるため、副業としての難易度は低く、誰でも手軽に始められる方法です。
収入面に関しては、要領よく稼いで月10万円以上の収入を得ている人もいますが、活動一回あたりの収入が低いため、期待していたほど稼げない人もいるようです。
実績のあるポイントサイトで、コツコツ取り組むことが重要でしょう。
アンケートモニター
アンケートサイトに登録してアンケートや調査に参加することで副収入を得る方法です。パソコンやスマートフォンがあればすぐに始められます。
「楽天インサイト」や「アイリサーチ」のようなアンケートサイトのほか、「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングサイトに会員登録して始めます。
仕事内容はWEB上でアンケートに答えるだけなので、特別なスキルや資格は必要ありません。
アンケートに回答するごとにポイントや現金が貯まる仕組みですが、1件あたりの収入はそれほど高くないため、月収は数千円から10万円以上まで、個人差が大きいのが特徴です。ポイントサイトと同じくコツコツ取り組むことが大切といえるでしょう。
治験モニター
治験モニターも人気の高い副業のひとつ。新薬や健康食品などの効果を検証するための臨床試験に協力することで、報酬を受け取ることができます。「生活向上WEB」などの治験モニター募集サイトに登録して、情報を得るところから始めましょう。
注意しておきたいのが、治験モニターは他の副業に比べて、実施の難易度がかなり高い点です。
まず、治験モニターとしての活動の前後には、診察や採血などの検査を行うケースも少なくないため、ひとつの案件が終了するまでに比較的長い時間がかかります。
また、治験に用いる新薬や食品は国の基準に沿い、すでに動物実験などで安全性と効果が検証されたものだけが使用されますが、想定外の副作用が出てしまう可能性も捨てきれません。
一方、前述したように治験モニターは1案件当たりの拘束時間が比較的長いこともあり、アンケートモニターやポイントサイトに比べると収入が高い傾向にあります。また、新薬の治験の場合、病院来院費などが必要になるため、「負担軽減費」として交通費などが支給されることもあります。相場は案件にもよりますが、1来院あたり約7,000円から約10,000円程度です(※)。
治験モニターは自身の健康にかかわる副業なので、始めるときは応募要項を熟読し慎重に判断するといいでしょう。
※医学ボランティア会「治験ボランティアとバイト/アルバイトの違いについて」
(参考:医学ボランティア会|よくあるご質問)
オークションサイト
「ヤフオク!」などに代表されるオークションサイトを利用して副収入を得る人もいます。
パソコンやスマートフォンのほか、オークションに出品するものがあれば気軽に始められる副業です。
サイトに登録したら、売りたい物の写真を撮影し、商品説明とともにサイトにアップします。価格は任意でつけることができますが、売れ行きに影響するので慎重に決めましょう。また、オークションサイトによって利用料・手数料が異なるため、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
商品の買取り希望者が現れたら、価格や発送方法について合意をとります。商品に不具合が出ないよう、梱包作業は丁寧に行うといいでしょう。
注意したいのは、出品するものによっては「古物商許可」が必要になることです。営利目的で購入(仕入れ)した物、他人から販売を頼まれた物などを売るときは「古物商許可」がなければ取り締まりを受ける可能性もあります。必ず、オークションサイトの注意書きをよく読んでから始めるようにしてください。自分の家にある不用品や無償で譲ってもらった物を出品する場合、基本的に「古物商許可」は不要です。
オークションサイトで高い収入を得るためには、売れ筋商品をリサーチしたり魅力的な商品説明を付けたりといった戦略も必要になります。マーケティングや営業のスキルを高めたい人に向いている副業といえるでしょう。
(参考:神奈川県警察|古物商営業許可申請手続き)
趣味・特技を生かして副収入を稼ぐ方法
上記で挙げた副業の他に、趣味や特技を活かして副収入を得ている人もいます。ここでは、人気のある副業の中から6つをピックアップしてご紹介します。
ブログ
ブログを運営して副収入を得る方法です。ブログの運営はスマートフォンからも行えるため、手軽に始められることが人気の理由でしょう。また、無料のブログサービスを使えば、初期費用もかかりません。
ただし、記事を書くだけでは収入を得られないので、副収入源とする場合はGoogleAdSenseのような広告サービスに登録する必要があります。GoogleAdSenseでは、訪問者がブログに埋め込まれた広告をクリックすると報酬が発生する仕組みになっていて、1クリックあたりの単価は広告によって異なります。
ブログを収益化する方法としては、「アフィリエイト」と呼ばれる仕組みもあります。アフィリエイトは、成功報酬型広告とも呼ばれ、訪問者がブログに挿入されたリンクから商品を購入するなどの成果をあげたとき、その売上の一部が報酬として付与される、というシステムです。報酬の条件達成までのハードルが高いため、1成果ごとの収入も高めに設定されているようです。
ただし、ブログサービスの中にはアフィリエイトを禁止しているものもあるので、登録前に利用規約を確かめておきましょう。
ブログは簡単に始めることができますが、誰でも安定して副収入を得られるようになるわけではありません。月に10万円以上稼ぐ有名ブロガーはほんの一握りといえるでしょう。
収益化までには、コツコツ記事を作成し、SEOなどを意識して検索順位を上げるといった日々の努力が大切です。
(参考:Paranavi|ブログで副収入を得る方法とは?デメリット2つとブログ開設の手順4STEP)
ウェブライター
ウェブ記事を執筆するウェブライターも、人気の副業のひとつ。
ウェブライターとして仕事をするには、「クラウドワークス」や「ランサーズ」、「サグーワークス」などのクラウドソーシングサイトに登録し案件を見つける方法や、ウェブメディアを運営している会社にライター登録をして案件を受注する方法などがあります。
クラウドソーシングには、初心者や未経験者歓迎の案件も多いので、経験の浅いうちはそういった案件から取り組んでみるのがおすすすめ。
単価はばらつきがあり、1記事数十円の案件から数万円の案件までさまざまですが、経験者のみを対象とした案件は単価が高めに設定されている傾向にあります。初心者向け案件で実績を作ってから経験者向け案件にチャレンジするなど、収入を上げるためにはステップアップが大切になるでしょう。
ウェブメディア運営会社と直接契約する案件は比較的単価が高いものの、内容によっては取材や修正依頼などで平日に対応しなければならない場合もあります。本業との両立ができそうか、応募前に確認しておくといいでしょう。
書けば書くほど収入が上がるため、すき間時間を活かして月5万円以上の収入を得る人もいるようです。
(参考:副業ガイド|【副業のリアル】私が副業でライターを始めた理由ー下村さきー)
YouTube
YouTubeに動画を投稿して副収入を得る方法です。企画の立ち上げから動画編集、宣伝などすべてを1人でこなしているYouTuberも多く、スキルアップの手段としても人気があります。
YouTubeで収入を得るためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
まず、YouTubeのガイドライン(※)に違反する動画には広告を掲載できません。
※YouTube「広告掲載に適したコンテンツのガイドライン」
さらに「YouTube パートナー プログラム(YPP)」の審査を受け、合格する必要があります。広告収入を得るための条件は、動画投稿者が18歳以上であること、チャンネル登録者数や年間再生数の基準を満たしていること、などです。
条件を満たし、広告掲載が許可された場合は、動画の再生回数や広告のクリック数に応じて報酬が発生します。有名YouTuberは毎月数百万円以上の収益を出していますが、いきなり高額収入を目指すのは現実的ではありません。
2019年6月時点では、1再生あたりの広告収入は0.05~0.1円程度と言われているので、動画投稿数を増やす、動画の独自性を上げるなど、再生数を伸ばす努力が必要です。
(参考:Yahoo!ニュース|YouTuberで食べていくには,最低1万人以上の登録ユーザーが必要だ!しかし、本当に重要なのは…)
イラスト出品
イラストで収入を得るには、クラウドソーシングサイトに登録して案件を受ける方法や、PIXTAなどのストックイラストサイトに作品を登録する方法などがあります。登録後、簡単なテストを受ける場合もあるので、事前にサイトの方針を確認しておきましょう。
クラウドソーシングサイトやストックイラストサイトでは、完成した作品をデータ形式で受け渡すことが主流になっているので、イラストを副収入源にする場合は、デジタルイラストを作成できる環境を整えておくのがおすすめ。Adobe illustratorなどのペイントソフトウェア、ペンタブレットなどがあると重宝します。
イラストの単価は案件によって異なり、月の収入は1万円程から10万円以上まで、個人差が大きく出ます。高額報酬の案件は競争率も高くなりやすいので、収入を上げたい場合は、作業時間の確保と継続的な受注に加え、スキルや個性も重要になるでしょう。
ハンドメイド販売
アクセサリーや編み物などのハンドメイド作品を販売して副収入を得る人もいます。
いきなり実店舗に出品するのはハードルが高いため、「minne」などのネットショップや「メルカリ」などのフリマアプリを利用して販売するといいでしょう。
値段を自分で設定できるため、売れ行きがよければ比較的収入を得やすい副収入源になります。継続的に作品を売って、月に10万円以上円稼いでいる人もいるようです。
値段設定の際には、実際に作品を作るときの材料費や人件費、発送にかかる梱包費などのバランスも見極めることが大切。また、出品した作品のクオリティーが低いと評判が下がってしまう可能性もあるので、ひとつひとつの作品を丁寧に作ることも意識しましょう。
(参考:lulucad|ハンドメイド作家の収入は?売れない人の特徴&売れっ子になる方法)
翻訳
翻訳は、語学力があれば誰でも取り組める副業なので、初期投資が少ないという点でも人気があります。
翻訳で収入を得るには、クラウドソーシングサイトや「アメリア」などの翻訳者募集サイトに登録し、案件を受注します。翻訳会社に直接売り込んでみるのもひとつの手段ですが、実績がなければ難しいといえるでしょう。
案件ごとに単価が違うため、収入には個人差があります。高収入にこだわらなければ、日常会話程度でも問題ない案件も多いので、語学のスキルアップ手段として副業に取り組む人もいるようです。また、翻訳の仕事には多言語かつ多分野の案件があるため、英語や中国語はもちろん、マイナー言語も需要があります。
(参考:Warajee|翻訳で稼ぐには?)
副収入に関する注意点
副収入を得ることによって、確定申告などの手続きが必要になる場合があります。副業を始める前に注意しておきたいことを見てみましょう。
確定申告が必要になる条件とは?
本業以外の所得が20万円以上発生した場合は、確定申告を行う義務が生じます。
所得とは売り上げから経費を引いて残った額のこと。たとえば、ハンドメイド作品の売り上げが30万あり、材料費が5万円だった場合の所得は25万円になります。
また、会社に所属せずに個人で得た副収入は、基本的に雑所得として扱われます。ただし、継続した期間で安定した収入が得られることなど、一定の条件を満たすことで、事業所得として扱われる場合も。この場合、開業届を提出することで、控除額の大きい青色申告が利用できる、給与所得との損益通算ができるなど、様々なメリットを得ることができます。
開業届については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてください。
マイナンバー制度で副収入が会社にバレるって本当?
マイナンバー制度によって、副収入が本業の会社にバレてしまうのでは、と疑問を持っていませんか?しかし、2020年6月時点では、民間事業者のマイナンバー制度利用には厳しい制限が課せられています。そのため、ただ副業をしているだけでは会社側が社員の副収入を知ることはできません。
しかし、副収入を確定申告する場合、住民税の徴収方法によっては、副業をしていることを会社側に知られてしまう可能性があるので注意が必要です。住民税の徴収方法には個人で納める「普通徴収」と、会社の給与から天引きする「特別徴収」の2種類があり、確定申告の書類で「普通徴収」を選択しなかった場合、自動的に「特別徴収」が適用されます。
住民税は所得に応じて金額が決まるので、「特別徴収」を選択した場合は、年末調整の際に副収入を含んだ所得が会社側に通知されてしまうのです。副業していることを会社に知られたくない場合は注意しましょう。
(参考:TOWNWORKマガジン|会社に内緒で副業バイト(ダブルワーク・Wワーク)。バレる理由は何?バレない方法はある?)
公務員が副収入を得るのは問題ない?
「副業をしたいけれど公務員だからムリ」と思っている人も多いかもしれません。たしかに、営利目的の副業や自営は「国家公務員法」第104条や「地方公務員法」第38条で禁止されています。しかし、近年は働き方改革の一環として、NPO法人などの非営利団体での副業が認められつつあります。
ただし、公務員が副収入を得るために所属できる団体は、「公益性が高い」、「本業の職場とかかわりがない」などの条件を満たしたものに限られています。そのため、副業を希望していても受け入れ先を探しにくい点が課題となっていました。
これを受け、総務省は地方自治体に対し2020年1月に認可基準の設定を求めたため、今後はより明確な基準が作られることが期待されています。
(参考:Estate Luv|公務員でも副業できる?公務員が収入を増やす方法3選と3つの事例)
本業の収入を補いたいという理由から始める人が多い副業。本業に支障が出ないようにする、たくさん稼いだら確定申告をするなど、注意点も多くありますが、新しい働き方のひとつとしても注目されています。
また、本業とは異なるスキルや趣味を活かせたり、時間や場所を気にせず取り組めたりする場合もあり、うまく活用すれば楽しく副収入を得ることができるでしょう。
金銭面で不安を感じている人は、副収入で補う方法を検討してみるのもいいかもしれませんね。