テレビや雑誌など様々なメディアで話題になり、身近な食材となってきたココナッツオイル。料理にはもちろん、美容アイテムとしても活用できるという嬉しい特徴があります。
この記事で、ココナッツオイルの活用方法や美容効果について詳しく見ていきましょう。
ココナッツオイルとは
ココナッツオイルは、名前の通りココヤシの実の胚乳から採取される油のことです。
油脂は基本的に固体のものを「脂」、液体のものを「油」と分類しますが、ココナッツオイルは約20℃以下になると固まり、温めると液体になるという特性があるため、どちらにも属しません。一方で、ココナッツオイルは飽和脂肪酸を多く含んでおり、酸化しにくい性質があるため、どちらかというと「脂」に分類されるとも言われています。
ココナッツオイルには、脂肪燃焼に効果が期待できる飽和脂肪酸や中鎖脂肪酸が多く含まれているため、美容や健康を意識したい方におすすめです。
ココナッツオイルの種類
ココナッツオイルは、製法によって3つの種類に分けられます。ここではそれぞれの違いについて見ていきましょう。
バージンココナッツオイル
バージンココナッツオイルとは、加熱処理や化学処理をせず、添加物も加えていない天然のココナッツオイルのことです。生産にとても手間がかかるため、精製されたココナッツオイルと比べて高価格ですが、栄養素が豊富に含まれているため、ダイエットや美容効果に高い効果が期待できます。一方で、生産の過程で不純物が残っている場合もあるため、肌が弱い人は注意しましょう。
エキストラバージンココナッツオイル
エキストラバージンオリーブオイルは、酸度が0.8%以下の特に良質なバージンココナッツオイルのことで、味や香り、栄養面に優れているという特徴があります。
(参考:NISSHIN│Q.エキストラバージンオリーブオイルとオリーブオイルの違いは?)
RBDココナッツオイル
RBDココナッツオイルの「RBD」とは、Refined(精製)Bleached(漂白)Deodorized(消臭)の頭文字をとったもので、化学処理されているココナッツオイルの総称です。
RBDココナッツオイルは、ココナッツを乾燥させた後、加熱処理によってオイルを抽出し、さらに漂白・脱臭等の加工が施されているため、安価なことに加えて、スーパーなどで手に入りやすいというメリットがあります。一方で、バージンオイルと比較すると栄養素は少ないため、購入する際は自分の用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
ココナッツオイルの効果
ココナッツオイルにはどのような効果が期待できるのでしょうか。ここではその代表的な効果を紹介します。
脂肪燃焼の促進
ココナッツオイルは、ほかの植物油と比較して中鎖脂肪酸という脂肪分を豊富に含んでいますが、この中鎖脂肪酸は、吸収が速くエネルギーとして活用されやすいため、脂肪として体内に蓄積されにくいというメリットがあります。これによって代謝が向上し、脂肪燃焼を促進させることができるのです。
(参考:ABC Cooking Studio│ココナッツオイルの秘密)
抗菌効果
ココナッツオイルには「ラウリン酸」という成分が豊富に含まれていますが、このラウリン酸は体内で「モノラウリン」という物質に変化します。
モノラウリンには細菌やウイルスに直接働きかけてそれらの細胞膜を破壊する作用があり、これによって抗菌・抗ウイルス作用が期待できるとされています。また、モノラウリンには免疫細胞を活性化させる作用もあるため、普段の食生活にココナッツオイルを加えることで免疫力を高めましょう。
空腹感の軽減
ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、体内に蓄積されにくいという点に加えて、空腹感を軽減させる働きがあります。
中鎖脂肪酸は、肝臓で「ケトン体」を生成しますが、このケトン体とは脂肪から生まれ、糖に代わってエネルギー源となります。このケトン体によって炭水化物や糖を過剰に摂取しなくても活動できるため、食欲を抑制する働きが期待できるのです。
肌の保湿
ココナッツオイルをスキンケアに取り入れる場合は、洗顔後に化粧水の前に塗るのがおすすめです。油分が肌をカバーして水分蒸発を防ぎ肌の水分を保つ働きがあるため、素肌に何も付けていない状態でココナッツオイルを塗ることで、その後につける化粧水や乳液の浸透性を高める効果が期待できるでしょう。
さらに、ココナッツオイルにはビタミンEの一種であるトコトリエノールが豊富に含まれているため、抗酸化作用も期待できるのも嬉しいポイントです。
(参考:オリーブオイルをひとまわし│ココナッツオイルで肌の保湿をしよう。効果的な使い方と注意点を解説)
アンチエイジング効果
ココナッツオイルに豊富に含まれるビタミンEは、「若返りのビタミン」と言われており抗酸化作用・美白効果・肌を保護するバリア機能などの役割があります。また、中鎖脂肪酸には肌の保湿力を高める作用や、紫外線のダメージを和らげる作用があるため、これらの成分が豊富に含まれるココナッツオイルは老化予防に高い効果が期待できると言えるでしょう。
口臭予防
ココナッツオイルに含まれる「ラウリン酸」は、食中毒の原因である黄色ブドウ球菌や、真菌(カビ)のガンジダ・アルビカンスなどを取り除くがあるため、ココナッツオイルでうがいすることで、効率的に口の中の汚れを落とすことができるとされています。
さらに、口臭の原因となる菌を除去することで、口臭トラブルだけでなく歯周病予防にも役立つというメリットもあるのです。
ココナッツオイルのマイナス効果
身体に嬉しい様々な効果を持つココナッツオイルですが、もちろんデメリットもあります。ここではココナッツオイルを活用する際に注意すべき点について見ていきましょう。
摂りすぎると腹痛や下痢になる
ココナッツオイルを一度に多く摂取すると、腹痛や下痢を起こす可能性があります。そのため、初めて摂取する場合は、まずは少量から始めて、慣れてきたら徐々に増やすと良いでしょう。
料理や食材に加えて摂取する場合、使用量は小さじ1杯(4.6g)を目安にしてください。
カロリーが高い
ココナッツオイルは油であるため、大さじ1杯(12g)でおよそ100~110kcalと、ほかの油と同程度のカロリーがあります。健康や美容に効果が期待できるからといって摂取し過ぎると、反対に身体に悪い影響を与えてしまう可能性があるため注意しましょう。
肌荒れなどのアレルギーが出るかも
ココナッツは木の実です。そのため、ナッツなどの種実類アレルギーがある場合は腫れたり痒みを感じたりといった反応が出てしまう可能性があるため注意して使用しましょう。特に顔の皮膚は敏感なため、ココナッツオイルをスキンケアに活用する際は、まず腕や足に塗って試したり、頰や額など顔の中でも比較的厚い部分に少量塗ったりするなどして、様子を見ながら使用することが大切です。
ココナッツオイルの使い方(食事編)
ここからは、食生活におけるココナッツオイルの活用方法を紹介します。お好みの方法で取り入れてみましょう。
油の代用
ココナッツオイルは発煙点が高く、酸化に強いため、サラダ油などの代用として揚げ物に活用することができます。いつもの油脂製品の代用として食生活に取り入れてみましょう。
鶏のココナツオイル揚げ焼き
材料(2人分)
鶏もも肉 1枚
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ1
生姜1かけ
片栗粉 大さじ1
小麦粉 大さじ1
ココナツオイル 大さじ2
1.鶏もも肉をひと口大に切ります。
2.すりおろした生姜としょうゆ、酒と合わせて、鶏肉にもみ込みます。
3.冷蔵庫で1時間ほど時間を置きましょう。
4.3に片栗粉と小麦粉を加え、混ぜます。
5.フライパンにココナツオイルを敷き、揚げ焼きにして完成です。
(参考:ELLE│オリーブオイルだけじゃない! パンやお菓子、料理に使えるヘルシーなオイル10選)
バターの代用
ココナッツ特有の甘い香りが特徴的なココナッツオイルは、バターの代わりにお菓子作りに活用することができます。
トースト
材料(1人分)
食パン 1枚
ココナツオイル 大さじ1
シナモンシュガー 適量
1.食パンを好みの加減で焼きます。
2.焼き上がった食パンにココナツオイルを塗りましょう。
3.お好みでシナモンシュガーを振りかけて完成です。
(参考:DELISH KITCHEN│バターがないときに使ってみよう!代用品6選)
ドレッシングのベースに
サラダのドレッシングのベースにココナッツオイルを加えることで、酸味とコクがマッチした風味を楽しむことができます。
ココナッツレモンドレッシング
材料
ココナッツオイル 大さじ1
レモン汁 大さじ1
粒マスタード 小さじ2
しょうゆ 大さじ1
1.ボウルに材料をすべて入れます。
2.よく混ぜ合わせて完成です。
フルーティーな味わいのココナッツオイルは様々な調味料と相性抜群です。和える食材に合わせてアレンジしてみましょう。
(参考:pokka sapporo│ココナッツレモンドレッシング)
飲み物に加える
ココナッツオイルをコーヒーや豆乳に加えるのもおすすめです。
ホットココナッツ豆乳ラテ
材料(2人分)
豆乳 400cc
ココナッツオイル 大さじ1
きび砂糖 大さじ2
1.鍋に材料すべてを入れて温めます。
2.ココナッツオイルと砂糖が溶けたら完成です。このとき、豆乳は沸騰させません。
はちみつやきび砂糖などで甘みを足したり、シナモンで風味をつけたりと、自分好みの味付けを楽しみましょう。
ココナッツオイルの使い方(美容編)
料理だけでなく化粧品としても活用可能なココナッツオイル。ここではその具体的な使用方法を紹介します。
シェービングオイル
ココナッツオイルはシェービングオイルとしても役立ちます。肌にたっぷりと添付し、その上を滑らせるように優しくカミソリを当てましょう。滑りが良くなり肌へのダメージを抑えられるため、カミソリ負けしやすいという人におすすめです。
日焼けケア
ビタミンやミネラルを豊富に含むココナッツオイルは、紫外線によりダメージを受けた肌のケアにもおすすめ。抗炎症作用によって日差しを受けて赤くなった肌の炎症を抑えてくれるほか、高い保湿効果によって肌にやさしく潤いを与えてくれます。
クレンジング
油分を分解するのは油分であるため、ココナッツオイルはメイク落としとして使用することができます。高い保湿力を活かして乾燥が気になる日に使用するのがおすすめです。
ヘアケア
ココナッツオイルには、ビタミンやカリウム、ミネラルなといった髪に栄養を与えてくれる成分が豊富に含まれています。さらに、高い保湿力で髪の表面をコーティングし、髪のパサつきやダメージを防いでくれるほか、ココナッツオイルに豊富に含まれるラウリン酸には、強い抗菌作用と抗酸化作用があるため、ココナッツオイルをヘッドスパに活用することで頭皮の毛穴汚れや皮脂汚れの解消などにも効果が期待できるでしょう。
ココナッツオイルが固まった際の対処方法
少量使う場合は、耐熱の容器に必要分を入れ、40〜50℃程度のお湯を張った鍋やボウルに浸けて湯煎するのがおすすめです。
多くの量を使うのであれば、ココナッツオイルの瓶ごと湯煎して溶かしましょう。この場合は、湯温が冷めないように鍋の火加減を調整しながら行ってください。
また、油は一定の温度を超えると発火する可能性があるため、温度感が把握できない電子レンジでの加熱は避けましょう。
健康や美容に売れ数効果が期待できるココナッツオイル。料理からスキンケアまで様々な方法で身体に取り入れることができます。容量や自身の体質をよく確認して、日々の生活に取り入れてみましょう。