2021年9月、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」は、直近1年間で実施したプロジェクト、パートナー(支援者)を表彰する『Makuake Award 2021』を開催。4,500以上あるプロジェクトから、20プロジェクトが表彰された中、ユッキーさんが運営するオンラインサロン「英語科準備室 powered by ユッキー」で生まれたプロジェクトが、「Makuake Supporter賞」を受賞!
受賞したユッキーさんから、プロジェクトへの熱い想いを伺いました。
英語教材プロデューサー、ナレーター。日本生まれの日本育ち。学生時代に英語劇や英語スピーチの面白さに夢中となる。現在は教育系YouTuber、英語教材プロデューサーとして、英語教材の開発や生徒の指導に携わる傍ら、有名企業でのビジネス英語セミナーにも登壇。2018年5月発行の著書「場面と言葉がパッと浮かぶスッと出てくる ユッキーのいますぐ英会話ノート」はAmazon総合1位を獲得。
英語学習者が作った、英語学習者のための教材
ーーまずは、「Makuake Supporter賞」の受賞、おめでとうございます!
ありがとうございます。まだちょっと、状況を理解できていないくらい興奮しています(笑)。
「Makuake Supporter賞」は、サポーター(支援者)さんが応援したいプロジェクトに人気投票をすることで決められるのですが、私たちのプロジェクト『英語学習者による「大人のための英語ノート」を届けたい!』は、ほかのプロジェクトと比較すると決して大きな規模ではありませんでした。応援購入総額やサポーターさんの人数も、私たちより何倍も大きなプロジェクトもあったので、受賞は難しいだろうなと思っていたんですが、サポーターの皆さんがとても積極的に投票をしてくれて。
Makuakeのスタッフさんも、皆さんが口をそろえて「サポーターさんの熱量が圧倒的でした!」と仰っていました。
「Makuake Supporter賞」を受賞することができて、嬉しいと言う気持ちと同時に、一緒にノートを作ったサロンメンバーさんはもちろん、サポーターさんにも恩返しができたと、ホッとする気持ちもあります。
ーー今回の受賞はサロンメンバーさんにとっても誇らしいことですよね。
英語学習サロンは、レッスン型や悩み共有型など、さまざまな種類があります。私のサロンは、立ち上げ当初からずっと「すべての人が英語の先生になる」というコンセプトで活動してきました。
メンバーさん一人ひとりは、英語学習者でありプレイヤー。だから、もっと自由にコンテンツを発信していいし、先生のように英語を教えてもいい。
今回の受賞は、その世界観が間違っていなかったことの証明になったんじゃないかなと思います。
ーー今回、皆さんがプロジェクトで制作した「大人のための英語ノート」について、ぜひ詳しく教えてください。
「英語科準備室」では、「実験ノート」というものを作っています。
これはサロンメンバーさんが制作しているものなんですが、2020年2月から、毎週欠かさず更新していて。量もかなり貯まってきたタイミングで、「ノート内容を使った教材が作れないか」と考えるようになりました。それが、「大人のための英語ノート」を制作することになったきっかけです。
ーーなぜ、「実験ノート」を作り始めたのでしょうか?
オンラインサロンでは、古いコンテンツはどんどん流れていってしまいます。だから、少しアクセスしていない時期があると、その時何をやっていたのか、分からないメンバーさんが出てきてしまうんですね。
私の配信やメンバーさんからの質問など、サロン内での学びをノートにまとめておけば、みんながハッピーになれるかもしれない、ということで始めたのが「実験ノート」でした。
「英語科準備室」には部活動のような形で、「ノートチーム」というグループがあります。テキストデータから手書きノートまで、皆さんさまざまな形でノートをまとめてくれていて。実験ノートは今年2月に1周年を迎えたのですが、その頃には合計200ページ分くらいの量になっていました。
ーーその時点で、ちょっとした本一冊分の量になっていますね。
そうなんですよ。当初は、ノートの内容をまとめて同人誌を作り、サロンメンバーさんにお配りしようと考えていたのですが、中身を見れば見るほど「これ、普通に英語教材になるぞ」と思うようになってきて(笑)。
私はオンラインサロン運営以外に、英語教材のプロデュースやディレクションを仕事としていたこともあり、どうせなら本格的にノートを使った教材作りをやろうと考えたんです。
ーー「大人のための英語ノート」完成までには、どのような苦労がありましたか。
実は「大人のための英語ノート」は、プロジェクトを閉め切ってから約2週間で完成させたんですよ(笑)。
ーー本を2週間で完成させるというのは、すごいスピード感ですね!
英語学習の教材は、毎年1月に最も多く販売されます。年初ということで、新しいことを始めたい方が多いんですね。だから、なんとしても、お正月明けにはサポーターさんの元にノートが届いているというスケジュール感を守りたくて。
ただ、Makuakeの募集期間の締め切りは、2020年12月14日。年末年始で印刷会社さんがお休みに入ってしまうこともあり、大急ぎで入稿しなければ間に合いません。メンバーさんにノートを修正してもらって、私が原稿をチェックして…。そのほか、デザイナーさんとの調整もたくさんありました。「今日こそは入稿!」と思っていたのに、「今日こそは入稿!」と思っていたのに、手直しで入稿できなかった時はすごく焦りましたね(笑)。
印刷会社さんのスケジュールを考えつつ、表紙やカバーのデザインもうまく変更するなど、とにかく皆さんの力をお借りして、なんとか「大人のための英語ノート」をお届けすることができました。
それと、実は私、ちょうどノートの制作期間中に妊娠8カ月目を迎えていて。当時は、時期的にもすごく心配させてしまうと思って、サロンメンバーさんやサポーターさんには一切お伝えしていませんでした。
お腹が重い中、せっせと制作に没頭したのも、今では良い思い出です。
ーーご出産前に、もうひとつ大きな難産を経験されたんですね。
そうなんです。そのおかげか、出産自体はものすごくスムーズでした(笑)。
英語科準備室の「これまで」と「これから」
ーー「Makuake Supporter賞」の受賞という大きな成果をひとつ達成したわけですが、これまでの「英語科準備室」での活動も、ぜひ教えてください。
中学校とかに、「英語科準備室」みたいに「○○準備室」という名前がついた部屋がありませんでしたか?準備室は、先生がいろいろな資料や教材を保管したり、テストを作ったり、雑談したりする場所です。
私のオンラインサロンでは、メンバー全員でこの準備室のような雰囲気を作りたいなと思いました。そのうえで、「英語科準備室にいるみんなが、先生なんですよ。学習者こそ、教えるノウハウを持っているんですよ。」とサロンメンバーさんに伝えていく。
ただ、これがなかなか難しくて、最初の半年間は私が皆さんに教える、という雰囲気が強かったです。
ーー英語学習者の方ほど、英語が苦手という意識は強いと思うので、どうしても詳しい方に教わるというスタンスは強くなってしまうかもしれませんね。
そこで、サロン内でもさまざまな仕掛けを考えました。特に好評だったのは、サロンのモデレーターさんに担当いただいた企画で、月1回、英語を使って仕事をしている人や英語で人生が変わった人、人生の転機に英語が関わった人を、サロン外から招いてインタビューするというものです。
英語って聞くと、英語を話すことそのものにフォーカスして、視野が狭くなりがちじゃないですか。だから、このイベントを通じて、「自分らしい英語との向き合い方」を考えるきっかけになればいいなと思いました。
純粋に英語を教えている人から、カラーコーディネーター、ボイストレーナー、結婚後渡米した人まで、さまざまなジャンルの方から英語に対する思いを語っていただく。すると、一人、二人と、英語に関して発信をするメンバーさんが出てきたんです。
それから、「○○さんの投稿楽しみ!」「○○さんの投稿で、1週間分の英文法の勉強ができた」と、私以外のコンテンツメーカーがどんどん増えていき、メンバーさんの間にも「私も、英語について発信していいんだ」という考えが定着していきました。
ーーたしかに、よく考えるとスポーツや映画や音楽などは、仕事にしている人から趣味にしている人までたくさんいる中で、誰もが自分の思いを自由に発信していますよね。英語もそのひとつなんだと思うと、英語に対する苦手意識がすごく軽くなりそうです。
サロンでは20代~70代まで、幅広い年齢層の方がいます。そして、「会社を退職されてから、英語を楽しむようになった人」、「理系的な発想で英語の文法体系をとにかく勉強するのが好きな人」、「日常の料理のことを英語で紹介して交流するのが楽しい人」など、英語に触れる目的も人それぞれです。
「こんな私でも英語をやっていいんだ。英語について発信していいんだ」と思えて、人それぞれの英語を楽しめる。それが、「英語科準備室」の強みだと思います。
「新生英語科準備室」始動!
ーーこれから新たに始めていきたいことはありますか?
実は今、スタッフさんやキュレーターさんと打ち合わせをして、「新生英語科準備室」の企画を進めています。
「新生英語科準備室」では、まずzoomでのイベントを強化したいですね。相談会や報告会、読書会など、これまでは単発だったイベントを定期開催することで、皆さんが顔を合わせて会話する機会を増やしたいと考えています。
それと、これはまだメンバーさんにもお話していないのですが、2022年頃までに「リアル英語科準備室」を作るという構想もあって。
ーー「リアル英語科準備室」とはどのようなものですか?
全国各地、サロンのメンバーさんが多い地域や主要都市に、リアルで集まれる場所を作りたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症が拡大したことで、サロンのオフ会はすべてオンライン開催になってしまいました。
一方で、オンラインでしかコミュニケーションが取れない今でも、メンバーさん同士のつながりはすごく強くなっているのを感じています。前々からいるメンバーさんたちも、新しいメンバーさんに積極的に声をかけて交流してくださっているんですね。そのおかげで、私が間に入らずとも、「○○さんのおすすめアプリ、私も使い始めたよ」みたいに、自然と会話が生まれるようになりました。
それなら、居場所があれば今まで以上にメンバーさんに楽しんでいただけるんじゃないかなって思ったんです。
ーーそれで、zoomとリアル英語科準備室の両方で居場所を増やそうと考えているんですね。
はい。本来はもっと先の計画と思っていたんですが、時は来たかなと。
同時に、私のサロンオーナーとしての役割も変わってきているなと感じます。立ち上げ当初は、メンバーさんに私のサロンのことを知ってもらい、発言やコンテンツ作りを促すしかけを常に考えていました。
それが今では、メンバーさんのコンテンツを本にして発信したり、居場所を作ったりなど、サロンメンバーさんを裏でサポートすることが私の役割になっています。あくまでも活動の主体はサロンメンバーさんで、私は「枠づくり」をしていけたらなと。
ーーこの先、ユッキーさんがどのような枠を作るのか楽しみですね。
これまでの「英語科準備室」は、サロン内のことで精一杯だったこともあって、対外的な告知って全くやってこなかったんです。しかし、サロン内のプロダクトもどんどん育ってきているので、自分らしく英語を楽しめるという「英語科準備室」の価値を、これからはもっと多くの人に知ってもらいたいなと。
実は、「英語科準備室」は3年、5年、10年とそれぞれの長期計画も考えているんです。今後の発表も、ぜひ楽しみにしていてください。
英会話や英語を勉強するとき、なぜか多くの人たちが「完璧に話せないとダメ」「間違っていたら恥ずかしい」という気持ちに陥ってしまいます。ユッキーさんの話は、そうした英語に対する凝り固まった気持ちをほぐしてくれるようでした。
自分なりの英語の楽しみ方を見つけていいんだ、そうやって楽しんだことで気づいたことを発信してもいいんだ。「大人のための英語ノート」には、そんなサロンメンバーさんの想いが詰まっているのかもしれません。
皆さんも、「英語科準備室 powered by ユッキー」に入会して、英語を楽しむという気持ちを見つめ直してみませんか?