スリーパー効果(Sleeper effect)とは?由来や活用例を紹介

著者名ハシ ビロコ
スリーパー効果(Sleeper effect)とは?由来や活用例を紹介

相手の話を疑っていたにもかかわらず、時間が経つにつれ信じるようになってしまった経験はありませんか?もしかすると、心理学用語で「スリーパー効果」と呼ばれる現象かもしれません。

広告や選挙、営業、さらには恋愛にまで影響を与えるスリーパー効果。その仕組みや特徴を知れば、自分の武器として利用できる可能性があります。この記事でスリーパー効果の知識や、活用方法を確認してみましょう。

スリーパー効果とは?

スリーパー効果とは、情報の説得力が、時間の経過とともにだんだんと膨れ上がる心理現象のことです。初めて聞いたときは「信ぴょう性がない」と情報源や内容を疑っていても、1か月ほど経つと「本当のことかもしれない」と信じやすくなるのです。

スリーパー効果は1951年に、アメリカの心理学者であるカール・ホブランド(Carl Ivor Hovland)とワルター・ワイス(Walter Weiss)が提唱しました。時間が経つにつれ、情報の疑わしさが眠って(sleep)しまうため、スリーパー効果(Sleeper effect)と呼称したといわれています。

(参考:マイナビニュース│説得力はビジネスの武器! 「スリーパー効果」とは

スリーパー効果が起きる理由

スリーパー効果は、記憶の特徴を利用した現象です。

人は話を聞いたとき、「誰から聞いたのか」、「どこからの情報なのか」といった情報源を気にする傾向にあります。その情報源が信頼できない相手だった場合、内容をうのみにはしません。しかし、ある程度の時間が過ぎると情報源を忘れ、「何を聞いたのか」という内容だけが記憶に残るのです。

なので、インパクトの大きな内容ほど、スリーパー効果は影響を及ぼしやすいと考えられています。

また、ホブランドとワイスが行った実験によると、スリーパー効果が高まるのは約4週間後。つまり約1か月経過すると、もともとは情報源を信用していなかった場合でも、内容を信じ込みやすくなるといえます。

一方で、情報源を信用していた場合は時間とともに内容の信ぴょう性が下がっていく傾向が見られます。そのため、最初に情報源をあまり信じていない場合の方が、スリーパー効果の影響が大きいといえるでしょう。

(参考:SBクリエイティブonline│スリーパー効果─人は情報源を忘れてしまいやすい

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スリーパー効果の事例

スリーパー効果は、私たちの生活においてさまざまな場面で利用されています。いくつかの事例を見てみましょう。

プロパガンダ映画

ホブランドがスリーパー効果の研究で利用した題材がプロパガンダ映画です。とくに第二次世界大戦中は、兵士たちの士気を高める目的でプロパガンダ映画が製作されました。

たとえばフランク・キャプラ監督による『Why We Fight(なぜ我々は戦うのか)』シリーズ。アメリカ政府からの依頼を受けて制作されたプロパガンダ映画で、兵士たちの教育に利用されました。

映画視聴後に時間をおいて兵士たちの心理を調べると、5日後よりも9週間後のほうが作中の思想を肯定的にとらえていたことが判明しています。

映画の内容が戦意高揚を目的としていたため、視聴直後は政府や軍に対して疑念を抱いた兵士もいた様子ですが、時間が経つと情報源に対する記憶が薄れ、戦争を肯定する兵士が増加しました。兵士たちの約50%は映画の内容を忘れており、愛国心や戦意高揚などのメッセージだけが記憶に残っていたといいます。

(参考:神戸映画資料館│世界のドキュメンタリー

選挙でのキャッチフレーズ

スリーパー効果は選挙にも影響を与えると考えられています。

選挙運動でよく目にする選挙カーや、候補者による演説を思い出してみましょう。候補者は自分の名前や、キャッチフレーズを何度もマイクで呼びかけており、「もう聞き飽きた」と思った経験もあるかもしれません。

実はこれもスリーパー効果の事例なのです。話を聞いた直後は不信感を抱いても、時間が経ち投票所に行く頃には、情報源を忘れてしまいます。その結果、名前やキャッチフレーズだけが記憶に残り、投票先として選んでしまう可能性があるのです。

(参考:STUDY HACKER│スリーパー効果とは? ビジネスでの活用法を丁寧に解説

ワイドショー

テレビのワイドショーも、スリーパー効果が活用されている事例のひとつです。

有名人の人間関係に関する疑惑や、科学的根拠がまだ明らかになっていない噂なども報道するワイドショーですが、最初は信用していない視聴者も、時間が経つにつれて「本当なのかもしれない」と信じてしまう可能性があります。

また、ワイドショーは同じ話題をくり返し報道する点も特徴的。スリーパー効果によって情報源に対する疑惑が薄れたタイミングで報道を聞くと、視聴者はより内容を信じ込みやすくなります。

(参考:ニッセイ基礎研究所│スリーパー効果の脅威-これは誰が発した情報だったか?

電車の広告

電車内に掲示された広告も、スリーパー効果を利用している場合があります。代表的な事例がゴシップ誌の広告です。

「○○は△△なのか?」などの不確かな見出しを読んだ乗客は当初、情報源の信ぴょう性が低いと感じ、内容を疑う傾向にあります。しかしスリーパー効果によって情報源の記憶が薄れると、見出しの内容が不確かでも、「正しいかもしれない」と思ってしまうのです。

電車内の広告は、乗客が無意識のうちに何度も目にします。とくにスリーパー効果が高まったタイミングで広告を見ると、影響がさらに大きくなるでしょう。

教育の現場での活用例

教育現場でもスリーパー効果を活用できる可能性があります。

たとえば、子どもたちを褒めて伸ばそうとする場合。仮に教師に対して、子どもたちが好感を持っていなかった場合でも、褒められた内容は記憶に残ります。

そのため、スリーパー効果により情報源に対する記憶が薄れれば、「テスト勉強をがんばってえらい」、「部活の試合で勝ってすごい」など、子どもたちは褒められた内容を強く実感するはずです。スリーパー効果をうまく活用すれば、モチベーションアップや自己肯定感の向上が期待できるといえるでしょう。

スリーパー効果は恋愛にも

スリーパー効果は恋愛テクニックのひとつとしても紹介されています。

たとえば好きな人に対し、時間をおいて何度か告白してみること。最初は「自分が告白されるなんて」、「からかわれているだけだ」と信用されなかった場合でも、時間が経つにつれ告白された事実だけが記憶に残ります。スリーパー効果により情報源への不信感が薄れたタイミングでもう一度告白してみると、「本当に好きなんだな」と思ってもらえるかもしれません。

(参考:マイナビウーマン│とにかく信頼されたいあなたへ。悪用厳禁の「スリーパー効果」とは?

ビジネスに!スリーパー効果の活用方法

ここからはビジネスにおけるシーンを例に、スリーパー効果を活用するためのポイントを解説します。営業や企画会議などで実践してみてはいかがでしょうか。

接触回数を増やす

最初のポイントは、相手との接触回数を増やすこと。売り込みたい商品や、検討してもらいたい企画などを何度も相手に伝えてみましょう。

しかしここで気を付けたい点が、同じ表現ばかり使わないこと。決まった言い回しばかりをくり返していると、相手があきれて話を聞いてくれなくなるおそれがあります。

たとえば業務にAという新たなソフトウェアを導入したい場合、「Aを使いたいです」と何度も主張するのは避けたいところです。「他社はAを使ってこれだけ作業の効率が上がったらしいですよ」、「最近Aに新しい機能が増えたらしいです」、「この前SNSAが話題になっていましたよ」など同じ内容でも、さまざまな視点から話を振ってみましょう。

(参考:弥報Online│無意識の心理を利用した「スリーパー効果」で受注獲得!:実践のビジネス心理学①

時間をかける

2つ目のポイントは、焦らずに時間をかけて伝えること。断られた直後にまた同じ話をしても、相手に不快感を与えてしまうだけです。

スリーパー効果の特徴は、時間が経つと情報の内容だけが頭に残る点。そのため情報源が誰だったのか、相手が忘れかけたタイミングで、再度話を切り出してみるのがオススメです。

たとえ最初の営業訪問で相手が興味を示してくれなかった場合でも、1か月後に再訪問すれば、意外と話を聞いてもらえるかもしれません。スリーパー効果は相手が情報源をあまり信用していないときほど役立つため、とくに初対面の相手と仕事をするときは意識をしてみるといいでしょう。

インパクトのある広告を出す

3つ目のポイントは、情報にインパクトを残すこと。広告で使われているような、印象的なキーワードを使って説明してみましょう。

SNS」、「テレビ」、「YouTube」など、一般的に知られている言葉と結びつけてアピールするのもオススメです。長い名詞の場合は、略称を使うのもいいでしょう。

記憶に残りやすいよう、なるべく短い言葉で商品や企画の長所を伝えると、スリーパー効果を活用しやすいです。

いずれにしても、スリーパー効果で大切なのは焦って自分の主張ばかりを伝えないこと。最終的には相手が自分の意思でGOサインを出せるよう、辛抱強く待ってみましょう。

(参考:JMR生活総合研究所│第44回 定期継続訪問の意味―スリーパー効果を活用する

 

人間は時間の経過とともに情報源を忘れ、内容だけを記憶に残す生き物です。そんな特性を活用したスリーパー効果をビジネスや恋愛などに活用できれば、「なかなか意見が通らない」などの悩みを解決できるかもしれません。

ただし、ネガティブキャンペーンやデマなど、スリーパー効果を悪用した事例には注意が必要です。自分自身がスリーパー効果に惑わされないよう、情報源をチェックする癖をつけることも大切かもしれません。

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