社会人として働いている多くの人は、通勤にどのくらいの時間を費やしているのでしょうか。自分の通勤時間が長いのか短いのか、気になる人もいるかもしれません。この記事では、日本の平均通勤時間がどのくらいなのかを地域別ランキングや世界の通勤時間とともに解説します。また、通勤時間と幸福度の関係性や時間の有効的な活用例も紹介します。
通勤時間の平均
総務省統計局によると、日本人の平均通勤時間は平均1時間19分です。これは往復時間を示しており、片道では約40分になります。週に5日勤務すると、1週間で約7時間、月に22日勤務すると約29時間。年間だと約348時間の通勤時間になります。
約348時間を日数にすると約15日間です。つまり、日本人は年間15日間も通勤時間に使っていると言えるでしょう。
(参考:総務省統計局 平成28年社会生活基本調査)
車通勤の平均時間
通勤でもっとも多く利用されている移動手段は自家用車であり、その次が鉄道や電車です。車通勤をしている人の多くが通勤時間は片道30分から1時間だと答えているため、往復では1時間から2時間になります。
長時間運転は疲労が蓄積することで危険性が増す可能性があります。理想的な通勤時間は片道30分以内と考えられていますが、多くの人がそれより長い時間を使って通勤しているのが現状です。
(参考:MAYONEZ|車での通勤時間の平均時間・通勤車に軽自動車)
都市部と地方部の通勤時間の平均を比較
続いて、都市部と地方部では通勤時間にどれほど差があるのか見ていきましょう。
総務省統計局によると、関東や関西、東海の都市部では、平均通勤時間が全国平均の1時間19分を上回っています。しかし、地方では全国平均を下回っているところが多く、なかには平均通勤時間が1時間未満の地域もあります。
たとえば、神奈川県の平均通勤時間は1時間45分ですが、大分県は57分と通勤時間に約48分も差がある結果に。ただし、地方でも近郊に大都市がある場合は通勤時間が長い傾向です。
(参考:総務省統計局 平成28年社会生活基本調査)
都道府県 通勤時間が長いランキング
ここでは、都道府県の通勤時間ランキングを紹介します。平均通勤時間の長い順に紹介します。
1位の神奈川県は平均通勤時間が1時間45分となっており、全国平均よりも26分長くなっていることがわかります。神奈川県からは都心まで通う人が多いため、通勤時間が長くなると考えられます。また、4位まで関東に集中しているのも都心に通う人が多いからでしょう。
5位から8位までは関西近郊の県が集まっており、いずれも全国の平均通勤時間を超えています。一方で、11位以降の平均通勤時間は全国平均を下回る結果に。40位以降の平均通勤時間は1時間未満ですが、最下位の大分県でも57分という結果になっており、極端に通勤時間の短い地域はありません。
(参考:総務省統計局の平成28年社会生活基本調査)
東京都の通勤時間 平均
東京都の平均通勤時間は1時間34分となっており、ランキングは4位という結果に。東京都から通勤する人の多くは都心勤務であり、都心までのアクセスの良さが通勤時間を短くしていると考えられるでしょう。
大阪府の通勤時間 平均
大阪府の平均通勤時間は1時間25分となっており、ランキングの結果は6位。関東圏の平均通勤時間に比べると短いのが特徴です。また、関西圏でトップなのは奈良県であり、大阪府ではありませんでした。
埼玉県の通勤時間 平均
埼玉県の平均通勤時間は1時間36分となっており、ランキングの結果は大阪府と同じく6位でした。埼玉県は都心で働く人と埼玉県内で働く人に分かれます。そのため、都心で働く人は通勤時間が長く、埼玉県内で働く人は通勤時間が短い傾向です。
(参考:エイブル|都内近郊の通勤時間の平均ってどのくらい?)
愛知県の通勤時間 平均
愛知県の平均通勤時間は1時間19分となっており、日本全体の平均時間と同じです。また、ランキングは9位と、東海圏で唯一10位以内という結果に。関東や関西では近隣県からの通勤時間が長い傾向ですが、東海では大都市のある愛知県が1番通勤時間が長くなっています。
世界の通勤時間 平均
主要14カ国の通勤時間から計算すると、世界の通勤時間は1時間5分となっています。各国の平均通勤時間は以下のとおりです。
主要14カ国で平均通勤時間が1番長いのはベルギー。日本は中国と並んで2番目に長いという結果です。また、世界で平均通勤時間が1番長いのはセネガルの2時間14分であり、1番短いのはキプロス共和国の12分でした。
(参考:マイナビニュース|世界の平均片道通勤時間、最長セネガルは片道平均67分-日本は?)
通勤時間と幸福度の関係性
世界で発表される幸福度報告には通勤時間の長さが含まれています。国連が発表する世界幸福度報告では、幸福度が高いトップ10の国はすべて通勤時間が平均通勤時間を下回っていました。これは通勤時間と幸福度に深い関係があるからだと考えられます。ランキング1位のノルウェーは通勤時間が平均66分、デンマークは58分、フィンランドとスウェーデンは42分です。
また、日本ではニッセイ基礎研究所が幸福度と通勤時間の調査をしており、通勤時間が20分以内の人は幸福度が高い結果になっています。一方で、3時間以上の人は幸福度が低い結果が出ています。
(参考:ニッセイ基礎研究所|通勤時間と幸福度の関係-リモートワークの拡大で幸福度は高まるか?)
みんなの通勤時間の活用方法
通勤時間は自分の意志ではなかなか変えられません。しかし、その時間を充実した時間に変えることはできます。多くの人が行っている通勤時間の活用例は以下のとおりです。
- 電子書籍を読む
- 資格取得の勉強をする
- ニュースを読む・聞く
- 音楽を聴く
- 景色を眺める仕事をする
- 英語の勉強をする
- 映画を見る
- 小説など創作をする
通勤方法や通勤時間、乗換方法などによって、できる内容は異なります。一つのことをずっと行うのではなく、状況に応じて活用しましょう。前述したように、通勤時間は年間で考えると膨大な量になります。その時間を有意義に過ごすかどうかで、人生の充実度が変わる可能性もあります。ぜひ試してみてください。