「英語を話せるようになれば、世界中の人たちと話せるようになる」とはよく聞く言葉です。でも「同じ日本人同士でも、ちゃんと話ができているのか?」と改めて問われると、考え込んでしまう方も少なくないのではないでしょうか?
仕事やプライベートなど、あらゆる場でしっかりとした「議論」が求められる昨今。社会のことを楽しく学び、「ちゃんと議論ができる力」を育成するオンラインサロンが「堀潤と若新の【論破禁止】ゼミ」です。
社会のいろいろな意見や視点・価値観・立場を知り、違いを認め合い、事実を理解し、自分なりの意見や考えを少しずつでも発信し、じっくりと議論ができるようになればそれだけで世界が広がるはず。
そこで今回は、同コミュニティを運営する、元NHKアナウンサーで若手ジャーナリストの堀潤氏と、若手研究者・プロデューサーである若新雄純氏に「読書」についてお二人の考えや、オススメの本をお聞きしました。
読書は「頭の中の整理」につながる
−−お二人が思う「本を読んでいて良かったこと」や「読書が日常に与えた影響」を教えていただけますか?
若新雄純(以下、若新):都合のよい話し相手になってくれて、頭の中を整理してくれることですね。
堀潤(以下、堀):本を読んでいて良かったこと、それは情報を得るコストの圧縮です。自分の知りたい情報を最も丁寧に集約してくれているのが本だと思っています。自分でも書きますが、とにかく書く側に回ると膨大な時間と資料の読み解きと、様々な現場へ出かけていく経験が必要になります。コストも随分かかっていますよね。1冊にかかる労力を考えると読む側にとってこんなに便利なものはありません。
そして日常へ与える影響は、若新さんも答えている通りに、なんといっても頭の中を整理することができるという点が挙げられます。そして考えるための軸が出来上がるという点です。物事を思考し、消化するためのサプリのような感覚でしょうか。背中に羽が生えるように未知の世界を垣間見ることができるとても便利なツールです。
2017年のベスト本、そして2018年に読みたい本
−−2017年、一番影響を受けた本、面白かった本を教えてください。
堀:西田亮介『民主主義』です。
若新:文響社の『日本一楽しい漢字ドリル うんこかん字ドリル』ですね。
−−2018年、一番に読みたい本がございましたらお聞かせください。
堀:川端康成『美しい日本の私』、カズオ・イシグロ『日の名残り』。
両ノーベル文学賞受賞作品をあらためて、時代の変化を感じながら読みたいですね。
若新:さいとう・たかを『ゴルゴ13』です。
今、ぜひ読んでほしい一冊は?
−−最後に、読者にオススメの本を紹介いただけますでしょうか。
堀:春名幹男『仮面の日米同盟』です。
冷戦終結後、中東の混乱や、過激主義の台頭によるテロの世紀に突入し、アメリカの米軍再編問題や日本の集団的自衛権行使問題が浮上した今、日米同盟が内在する意義や具体的な役割に大きな変化の時が訪れました。これによって、本来あるべき外交や防衛問題への感度の高さがわれわれ国民にも求められる時代になったと言えるでしょう。一方で、主権者であるわれわれ日本国民には、日米間でどのような政治的な交渉が繰り広げられてきたのか、正確な情報は伝わってはいません。開示されていない密約や外交機密文書は依然として存在するからです。
本書では、共同通信ワシントン支局長などを務めたジャーナリスト・春名幹男が、精緻な取材によってこれまで明らかにされてこなかった機密文書を掘り起こし、核心を知る日米両国の関係者への長年にわたる聞き取りをもとに、日米が交わした高度な政治交渉の舞台裏が描かれています。
「誤った現状認識の上に、確かな安全保障を築くことはできない」。これが春名のメッセージです。私たちが主権者の一人として、この国の外交・防衛に主体的な関わりを持つためには、その土台となる事実関係は必ず押さえておかなくてはならないのですが、本書はその一助になるはずです。
若新:河合隼雄『コンプレックス』 です。
心理学の大御所、河合隼雄先生が1971年に執筆されたコンプレックス(心的複合体・感情複合)の入門書です。コンプレックスとは何か、どう向き合っていくべきか、とても分かりやすく書かれています。
コンプレックスは簡単には解消できないですし、隠しきることもできません。だからそれを素直に認めて上手に付き合っていくべきだというメッセージは、僕自身の不完全さや複雑さを受け容れて開示することで、「僕らしく生きる」ということの礎になりました。
現代人における最大の関心事であり人生のテーマだと思うので、ぜひ一読いただければと。完璧な自分を目指す人。そしてそれに絶望している人に特にオススメです。
読書と議論で、自分を磨く2018年
時代の変化に合わせ、そして人間の持つ普遍的な悩みに対して、それぞれオススメの書籍を紹介していただきました。この2018年に「社会と個人の関わり」を改めて見直すきっかけとなる2冊となるはずです。
そして、今回オススメの2冊を紹介してくれたお二人が運営されている会員制コミュニティ「堀潤と若新の【論破禁止】ゼミ」は【論破禁止】という絶対のルールを尊重し、参加者同士がお互いに否定・攻撃せずに、議論や討論・コミュニケーションの基礎を学ぶことができる場です。
社会が変化しただけではなく、SNSの発達などでさらに議論の機会が広がっている現代。情報発信だけでなく、自らの考えを深め、判断するためには、こうした議論などのコミュニケーション能力がさらに重要になってくるはず。読書と議論、その両面から自分を磨くために、この「堀潤と若新の【論破禁止】ゼミ」も覗いてみてはいかがでしょうか。