夏や冬の生活に欠かせないエアコンですが、使っているうちに嫌な臭いがしてきた経験はありませんか。特に久しぶりに動かしたときは、雑巾のような悪臭が気になることがあるかもしれません。
この記事では、エアコンの悪臭の原因や自分でも簡単にできる対処方法を詳しく紹介します。エアコンを正しくメンテナンスして、悪臭のない快適な生活を手に入れましょう!
エアコンが臭くなる原因
エアコンの悪臭は、内部に蓄積されたカビや雑菌などが原因です。
エアコン室内機の内部は結露によって湿度が高くなりやすく、カビや雑菌にとっては理想的な環境であることに加え、ホコリがエサとなって繁殖をうながしてしまいます。このようにしてエアコン内部に大量発生したカビや雑菌が悪臭を発生させるのです。
また、タバコ、汗などの生活臭もエアコンが臭う原因のひとつ。エアコンは、室内の空気を吸いこみ、冷やしたり温めたりした後に室内へ送風する仕組みになっているため、そもそもエアコンが吸い込む室内の空気が汚れていると、臭いを部屋中に行きわたらせることになります。
(参考:nojima│家電小ネタ帳)
すぐにできる臭い対策
エアコンの臭いが気になったとき、自分でもすぐにできる対処法を覚えておくと便利です。ここでは運転温度を利用した臭い対策をご紹介します。
エアコン16度運転
夏場に臭いが気になったときは、エアコンの温度を16度に設定し、部屋の窓を開けた状態で1時間程度運転すると、臭いが改善されるといわれています。
16度とは、一般的なエアコンの最低温度。エアコン内部の温度が急激に下がると結露が発生しやすくなり、大量の水がドレンホースから排水されることになります。このとき水と一緒にエアコン内部に溜まったカビや雑菌が排出されるため、臭いを改善することができるのです。
また、エアコンの運転と同時に窓を開けて換気を行うことで、室内にこもった臭いやカビの死骸も外に出すことができます。
エアコン30度運転
エアコンを30度の高温に設定して1時間程度運転させる方法も、臭い対策に効果的です。
カビが好む気温は25度~28度とされており、湿度が高ければさらに繁殖しやすくなります。そのため、エアコンを高温で稼働させて内部を乾燥させることで、カビの繁殖を防ぐことができるのです。
ただし室内がかなり暑くなるため、必ず窓を開けて実践しましょう。
自分?業者?エアコンの臭い対処法!
エアコンの臭いをしっかり除去するためには掃除が一番です。しかし、自分でできるのか、それとも業者に頼んだ方がいいのか迷う場合もあるかもしれません。
そこで判断基準となるのは、掃除したいエアコンのパーツや、汚れの程度です。状況に合わせて、適切な対処を行いましょう。
自分で掃除する
エアコンのフィルターなど、目に見える部分の汚れは自分で掃除できます。掃除の手順は以下の通りです。
・フィルターの掃除
《用意するもの》
掃除機
シャワー
乾いたタオル
1.エアコンのカバーを外し、フィルターの表面に軽く掃除機をかけます。
2.フィルターを取り外し、裏面からシャワーをあてて水洗いします。汚れがひどくて落ちにくい場合は、バケツなどに水を張って中性洗剤を入れ、浸け置き洗いをしてみましょう。
3.乾いた布でフィルターの水分を軽く拭き取り、日陰で乾燥させます。水滴が残っているとカビの原因になるため、しっかり乾かしましょう。
・ルーバー(風向き調節用の羽)や吹き出し口、ファンの掃除
《用意するもの》
割り箸
キッチンペーパー
輪ゴム
1.割り箸の先にキッチンペーパーを巻き付け、輪ゴムで止めます。
2.エアコンのコンセントを抜き、ルーバーを手で軽く回して掃除をしやすい角度に調整します。
3.手順1で作った道具を使い、ルーバーや吹き出し口に付着したホコリを拭き取ります。吹き出し口の奥にあるファンも、傷つけないように注意しながら掃除してください。
汚れがひどい場合は、キッチンペーパーを水で濡らしてよく絞ったものを割り箸に巻き付けて使いましょう。
※エアコンの内部は精密機器のため、掃除は目で見える範囲にとどめておきます。
・フィン(熱交換器)の掃除
《用意するもの》
養生用のビニールや養生テープ
洗浄スプレー(対応している機種かどうかは取扱説明書で確認すること)
1.エアコンの周囲をビニールで覆い、養生テープで止めて室内の汚れを防止します。
2.エアコンのコンセントが抜けていることを確認し、フィルターを取り外します。
3.露出したフィンに、洗浄スプレー1本分を噴射します。掃除中は窓を開けたり換気扇を回したりして、室内に汚れた空気がこもらないようにしましょう。
※洗浄スプレーを使用した掃除は、噴射する場所や手順などを間違えると故障の原因になりかねません。自信がない場合は無理をせずプロに任せましょう。
専門業者に依頼する
室外機、エアコンを分解しなければ見えないドレンパンなどを掃除したいときは専門業者に依頼するのがおすすめです。自力でエアコンを分解して掃除しようとすると、誤って故障させてしまったり、メーカー保証の対象外になったりすることもあるため、注意してください。
エアコン掃除の料金は業者によって異なりますが、相場は約5,000円から1万円前後。作業時間も掃除場所や内容ごとに異なりますが、目安は約2時間ほどです。養生や分解など、初心者には難しい工程もプロならば手際よくこなしてくれるため、効率よくエアコンをきれいにできます。
1年に1回を目安に申し込む人が多く、とくに夏場は予約がいっぱいになる業者も出てきます。繁忙期は年末年始や6、7、8月とされているため、この時期を避けて、余裕をもって依頼するのがおすすめです。
(参考:KOMERI.COM│エアコンのお手入れ)
エアコン掃除による効果
エアコン掃除による効果は、臭いの除去だけではありません。主なメリットを見ていきましょう。
汚れの除去
エアコンを掃除するとホコリなどの汚れを除去できます。カビの栄養源となるホコリはエアコンを稼働させていなくてもたまってしまうので、こまめな掃除が大切です。
アレルゲンの除去
エアコンをつけると咳やくしゃみが出る人もいるかもしれません。このような症状は、エアコンから放出されたカビの胞子がアレルギーの原因物質となって起きるとされています。そのまま放置すると、症状を悪化させたり、肺炎を引き起こしたりする恐れもあるため、エアコン内部までしっかり掃除してカビやホコリをこまめに取り除きましょう。
電気効率がよくなり節電
フィルターやエアコン内部に汚れがたまると、風量が不足したり効き目が低下したりする場合もあります。見える範囲の汚れは掃除機などでこまめに取り除くことで電力効率が良くなるため、節電にも効果が期待できるでしょう。
(参考:FUJITSU GENERAL│エアコンの上手な使い方 節電のポイント)
エアコン掃除でよくある質問
最後にエアコン掃除に関する、よくある質問にお答えします。
どのくらいの頻度で掃除するべき?
エアコンのフィルターはほこりがたまりやすいため、1か月に1~2回程度掃除機をかけておくといいでしょう。業者へ依頼する本格的な掃除は1年に1~2回、エアコンを使い始める少し前に依頼するのがおすすめです。
ただし、自動掃除機能が付いているエアコンの場合、次のクリーニングまでに長い期間が空いても問題ない場合があります。最適な掃除頻度は機種によって異なるため、事前に取扱説明書で確認してみましょう。
洗浄スプレーの効果はある?
フィンなどの掃除に使う洗浄スプレーは、汚れやカビなどを落とす効果がありますが、洗浄スプレーがエアコン内部に残ると、かえってカビの発生源になってしまう場合もあります。
また、誤った場所に噴射して故障や火災の原因になることもあるため、使用には十分注意しましょう。
機種によっては洗浄スプレーの使用を推奨していない場合もあるため、少しでも不安があればプロに任せるのがおすすめです。
臭いが気になるからといって洗浄スプレーの代わりにファブリーズを使うのは厳禁。ファブリーズはあくまでも布製品向けの消臭スプレーです。故障の原因になるため、エアコンには絶対に使わないようにしてください。
臭い予防で普段から心がけておくことは?
臭いを予防するためには、エアコンの運転を停止させる前に1時間程度送風モードで運転することが効果的だとされています。送風運転を行うことでエアコン内の空気が循環し、結露によってエアコン内部に溜まった水分が乾燥します。これにより、カビの発生による嫌な臭いを防止することができるのです。
また、春や秋など、エアコンのオフシーズンも月に1~2回送風運転を行うことで、エアコン内の空気が循環して臭い予防につながります。さらに、エアコン運転中はこまめに窓を開け、空気がこもらないようにすることも臭い予防に効果的でしょう。
カビや生活臭が原因で発生するエアコンの嫌な臭い。こまめな掃除や運転停止前の送風などで予防できる場合もあるため、まずは試してみてはいかがでしょうか。それでも臭いが改善されない場合は、掃除のプロに相談することをおすすめします。