筋肉痛に効果的な湿布は温湿布?それとも冷湿布?

著者名サトートモロー
筋肉痛に効果的な湿布は温湿布?それとも冷湿布?

慣れない運動やハードなトレーニングをした翌日に激しい筋肉痛を経験したことはないでしょうか。筋肉痛は、運動で傷ついた筋肉が回復する過程で起こる炎症が原因だと考えられているため、しばらく時間が経てば自然に回復する場合がほとんどです。しかし、痛みが強い場合には「湿布」をうまく活用することで痛みを和らげることができます。

この記事では、湿布の種類別に筋肉痛に適した湿布使い方を詳しく解説していきます。スポーツやトレーニングに取り組んでいる方は、筋肉痛の解消にぜひ役立ててみてください。

湿布の種類

主に腰痛や肩こり、筋肉痛のケアに使用される湿布は、「冷湿布(れいしっぷ)」と「温湿布(おんしっぷ)」という2種類に大別できます。

冷湿布

冷湿布は、肌に貼るとひやりとした感覚を覚えるタイプの湿布で「冷感湿布」と呼ばれることもあります。抗炎症効果や鎮痛効果のあるサリチル酸メチル、メントール、ハッカ油といった成分が含まれており、特に筋肉痛やねんざ、打撲、肉離れといった急性疾患での炎症・痛みの緩和に役立ちます。

温湿布

温湿布は、冷湿布とは反対に、肌に貼るとじんわりとした温かみを覚える湿布で、「温感湿布」と呼ばれることもあります。温湿布に含まれるトウガラシエキス、合成トウガラシのノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸エステルなどの成分には、湿布を貼った場所の血管を拡張し、患部の血流を促す効果があるため、慢性的な腰痛や肩こりなど、患部の筋肉が硬くこわばっているケースでの使用が最適です。

(参考:社会医療法人 将道会 総合南東北病院│健康インフォメーション

筋肉痛の種類

筋肉痛は、痛みの発生のしかたによって「即発性筋痛」と「遅発性筋痛」の2種類に分けられます。湿布による筋肉痛のケア方法を知る前に、2種類の筋肉痛の違いついて詳しく理解しておきましょう。

即発性筋痛

即発性筋痛は、思い切り走り込んだり、自転車をこいだりなど、非常に激しい運動をしている最中に起こりやすいとされる筋肉痛で、「急性筋肉痛」とも呼ばれています。

強い負荷がかかって筋肉の緊張状態が続くと全身の血流が悪化するため、運動中に乳酸(筋肉の疲労物質)と一緒に生成される「水素イオン」が体内に蓄積されていきます。すると、身体が酸性に傾くため、痛みやだるさを覚えやすくなるのです。

(参考:痛みwith OmROn│筋肉痛はなぜ起こる?その症状と原因、疲れにくい体づくりのポイント

遅発性筋痛

普段、私たちが筋肉痛と呼ぶもののほとんどは「遅発性筋痛」と呼ばれるもので、運動の数時間後〜数日後に痛みを感じるのが特徴です。

運動によって傷ついた筋線維には炎症反応が起きますが、さらにその炎症が筋膜を刺激することで、時間を置いて痛みを感じるようになります。これが遅発性筋痛を引き起こす主なメカニズムです。特に、ベンチプレスでバーベルを下げる動作やスクワットで膝を曲げる動作など、筋肉を伸ばしながら力を発揮する運動(エキセントリック運動)を行った後は、遅発性筋痛が起こりやすいとされています。

筋肉痛に効果的な湿布はどっち?

湿布の種類や効能、筋肉痛の種類について説明しました。ここからは、筋肉痛を事前に防ぐため、あるいは筋肉痛からの回復を早めるために覚えておきたい「湿布の使い分け」について解説します。

運動直後に貼る湿布

激しい運動の直後は、筋肉が熱を持っているため体温が非常に高くなっています。この体温上昇によって生じる炎症を緩和させたり、発痛物質の発生を抑えたりするためには、冷湿布を使用しましょう。ただし、湿布は局部のケアに特化しているため、下半身全体など広い範囲をケアしたい場合は、消炎鎮痛成分を含むスプレーなども併用するのがおすすめです。

筋肉痛の回復期に貼る湿布

筋肉を冷やし身体の炎症を抑えたあとは、回復を促すために温湿布を使用しましょう。患部を温めることにより血行が促進されて筋肉の緊張がほぐれるため、鎮痛効果が期待できます。

(参考:ココカラクラブ│筋肉痛

馬原孝浩 - MAHARA Trainer Academy - DMM オンラインサロン
馬原孝浩 - MAHARA Trainer Academy - DMM オンラインサロン元プロ野球選手であり、現在はプロアスリートのトレーナーを行っている馬原孝浩による、「理論と経験に基づく新しい治療法」を指導するサロン。 柔道整復師・鍼灸師の立場から、毎日の治療に励む治療家を対象に「馬原の治療法」を紹介。
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筋肉痛のケア方法

湿布を貼る以外にも、筋肉痛をケアする方法はいくつかあります。運動前や運動後など、それぞれのタイミングによって様々なケア方法があるため、自分のライフスタイルに取り入れやすいものから実践してみましょう。

栄養・水分の補給

トレーニング後に体内の栄養が不足していると、傷ついた筋繊維がしっかり回復できず、筋肉痛が長引いてしまうこともあります。筋肉痛を防ぎ、トレーニングの効果を最大限に発揮するためにも、次に紹介する栄養を多く含むバランスの良い食生活を心がけましょう。

(参考:大正製薬ダイレクト 健康コラム│積極的に治す!サヨナラ筋肉痛

 

タンパク質

タンパク質は、髪や皮膚、ホルモンなど、私たちの身体を作る上で欠かせない栄養素で、筋肉の修復や成長においても重要な役割を担っています。タンパク質を豊富に含んでいる食品としては、鶏肉や豚肉、牛肉といった肉類のほか、魚介類、大豆、卵などが代表的です。

 

ビタミンB群

エネルギー代謝を促進させる効果と疲労回復効果が同時に期待できるビタミンB群は、豚肉やピーナッツに豊富に含まれています。特に、豚肉にはタンパク質も多く含まれているため、運動後の食事に最適と言えるでしょう。

(参考:サツドラ│筋肉痛緩和と治し方!予防と対策で和らげる

 

マグネシウム

ミネラルの一種であるマグネシウムには、筋肉細胞に吸収されるカルシウムの量を調整して筋肉の収縮を正常にすることで、筋肉痛を緩和させる働きがあります。一方で、発汗や過度な運動によるストレスなどで失われやすいため、意識的に摂取したい栄養素と言えるでしょう。マグネシウムは、アーモンドをはじめとする種実類やほうれん草、ルッコラ、バナナなどに多く含まれています。

こうした食事での栄養摂取に加えて、運動中はこまめに水分補給をするよう心がけましょう。身体に十分な水分を取り入れることで、血液が効率よく乳酸(筋肉の疲労物質)を運べるようになるため、筋肉痛の緩和する効果が期待できます。

(参考:Aqua Clara│筋トレと水分の密接な関係

マッサージやストレッチ

運動後のマッサージやストレッチは、血流を促して酸素や栄養素の運搬を活発化させることができるため、筋肉痛の回復を早める効果が期待できます。ただし、強度が高すぎるストレッチを行うと、かえって筋繊維が傷ついて筋肉痛を悪化させてしまう恐れがあるため、適度な強度で行うようにしましょう。入浴後の身体が温まった状態で行うとさらに効果的です。

入浴

入浴による温浴効果は、筋肉痛の回復を早めることができるとされています。ただし、運動直後は体温が高くなっているため、一旦クールダウンをして体温を下げて、平熱に戻ってから入浴するようにしましょう。

特に、疲労回復に効果が期待できる入浴方法として、「温冷交代浴」がおすすめです。

 

温冷交代浴の方法

(1)30℃前後の冷水に30秒浸かります。(シャワーでも可)

(2)41℃の温水に10〜15分浸かります。

(3)5分前後の休憩を挟み、(1)と(2)を3〜4回繰り返します。

 

温かいお湯の作用による「血管の拡張」と、冷たい水の作用による「血管の収縮」が繰り返血流が改善されるため、疲労回復効果が期待できます。

また、普段はあまり運動をする習慣がないという方の場合は、より身体の負担が少ない漸温浴(ぜんおんよく)という方法を試してみてください。

 

漸温浴のやり方

(1)39〜40℃のぬるめのお湯に約20分浸かります。

(2)好みの温度まで上げて、1〜2分浸かります。

 

ぬるめのお湯に浸かることで、深部体温を上げすぎない一方で、身体の表面部分はしっかり体温を上げることができるため、入浴時にかかる身体へのストレスを最小限に抑えることができます。

 

筋トレやスポーツなどの運動を始めたものの、筋肉痛がつらくて挫折してしまったという方も多いのではないでしょうか。特に、運動初心者の方はどうしても筋肉痛になりやすいもの。記事内で紹介した湿布などのアイテムを正しく使いながら、筋肉痛をしっかりケアをしてあげてください。

学院代表 兼子 ただし - 日本ストレッチトレーナー学院 - DMM オンラインサロン
学院代表 兼子 ただし - 日本ストレッチトレーナー学院 - DMM オンラインサロンストレッチ業界NO.1キャリアカリスマトレーナー、兼子ただしが教える日本ストレッチトレーナー学院。早稲田大学大学院スポーツ科学修士号を取得した第一人者からストレッチで肩こり、腰痛を解消する方法が学べます。
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