ユッキーさんが主催する「英語科準備室 powered by ユッキー」と、穂高ジョージさんが主催する「英語の勉強に、金はかけるな! 無料英会話学習術「エイコミュ・ゼロ」」。大人気の英語学習オンラインサロンが7月25日にコラボイベントを開催しました!
英語を話せるようになりたいけれど、うまく話せる自信がない。多くの人々が抱える英語学習への悩みについて、2人は「英会話が楽しめる」さまざまなヒントを教えてくれました。
ユッキーさん
英語教材プロデューサー、ナレーター。日本生まれの日本育ち。学生時代に英語劇や英語スピーチの面白さに夢中となる。現在は教育系YouTuber、英語教材プロデューサーとして、英語教材の開発や生徒の指導に携わる傍ら、有名企業でのビジネス英語セミナーにも登壇。2018年5月発行の著書「場面と言葉がパッと浮かぶスッと出てくる ユッキーのいますぐ英会話ノート」はAmazon総合1位を獲得。
穂高ジョージさん
会社員時代にリクルートの情報誌「ケイコとマナブ」で英会話スクールを担当し、内部事情に精通。「英語を話したいなら、英会話スクールに行ってはいけない」を信念に、英会話学習コミュニティ「エイコミュ」を設立。2020年からはじめたYouTubeチャンネルでは、開設1ヶ月半で5万回再生を達成し、TikTokでは300万回再生を超えるバズ動画も。
小学生レベルでも、十分に英語は話せる。
自身も海外への留学経験がなく、決して英語をペラペラ話せるわけではないと語る穂高ジョージさん。「エイコミュ」では英語を話せる人を毎回ゲストに呼んで、彼らとの会話を通して英語学習の楽しさを伝えています。
一方で、ユッキーさんは幼少期から習い事のひとつとして英語を学び、英語を通じて知らない人・ものに出会えることの喜びを知ります。その後、ネットを活用して自分で積極的に英語を話しつつ、オンラインで英語学習を解説するというスタイルをとるようになったそうです。
英語学習のスタンスは真逆にも見える2人のオーナーですが、根底にある考えは同じ。実際に話してみるとすぐに意気投合し、今回のイベントの開催が決定しました。
イベントは、オンライン会議ツール「zoom」を使用して行われ、参加者もコメントで2人とコミュニケーションを取りながら、英語学習について意見を交わし合いました。
ジョージさん:英語学習には自信がとても大切ですが、英語力と自信を同時に身に着けるのは非常に大変です。このイベントでは、「今の英語力でも、十分に英語が話せる」という自信を、60分で少しでも身に着けてもらえたらと思っています。
ユッキーさん:学校であれだけ勉強してきたのに、なぜ、英語を聞き取れない、話せない、言葉が出ないとなってしまうのか。その根底にはマインドブロックの存在もありますが、今日は実際に映像を見つつ、その原因について考えていきたいと思います。
そのうえで、「これなら私も今すぐできそう」「今日からやってみよう」と思ってもらえたら嬉しいです。
ジョージさん:まずは、僕がYouTubeでアップしている動画を紹介したいと思います。現在、小学校では約600単語の英単語を習います。そんな小学生レベルの英語力で外国人と話したら、どうなるかという企画です。
場所は明治神宮で、初対面の外国人と英語で会話した後、ネタばらしをした上でコミュニケーションの感想を聞きました。
ジョージさん:英語力に自信がない人の多くは、ヒアリング、スピーキングがうまくできません。特に英語は、ゆっくり話していても発音が速く、単語を聞き逃してしまいます。だから、単語ごとに区切って話してくれとお願いすると、かなり聞き取りやすくなりますね。僕の会話も、ほぼ単語だけです。
「相手と自分がどういう状況で、何をしたいのか」
この共通認識さえ持てれば、会話は成立するんですよ。むしろ、ネタばれ後の感想で相手は「英語を話してくれることに感謝している」と話していました。
ユッキーさん:英語をペラペラ話せないことが、恥ずかしいと思っているのは日本人同士だけなんですよね。相手は、何も気にしていないというか。
コメント:逆の立場で考えると、日本語で話そうとしてくれている外国人がいたら、相手の文法とか発音を気にするより、一生懸命話してくれているからこっちもくみ取ってあげようって気になりますよね。
ジョージさん:その通りなんです!つたない英語でも、「会話を楽しもう」という気持ちがあれば全く問題ありません。正しい英文法ばかりを気にして、相手が目に入っていない。今を楽しむという考えがない方が、失礼だと僕は思います。
うまく話せなくても何とかなる。それを実際に想像してもらうために、僕はこの動画を撮影しました。
コメント:英語圏の人から、「英単語数の多さで教養のレベルがわかる」と何度も言われたことがあります。実際、外国の方はそういう感覚はないですか?
ジョージさん:日本でも、敬語使わないと教養がなさそうと見えてしまうことはありますね。とはいえ、外国人にまでそれを求めるでしょうか?ビジネスシーンでは別ですが、つたない英語でも笑顔とジェスチャーで、コミュニケーションはある程度成立すると思います。
ユッキーさん:本当にそうですね。
私も毎日英会話に取り組んでいますが、ジェスチャーに頼るシーンが多いです。この前もオリンピックの話をしていたんですが、体操(Gymnastics)って単語に自信がなくて。それっぽいジェスチャーをしながら話していました(笑)。
ジョージさん:日本人同士でも、16歳の女子高生と90歳では会話が通じないことってあるじゃないですか。しかし、互いに歩みよれば、ちゃんと会話は成り立つんですよね。
ユッキーさん:言葉も日々進化しますからね。この前も、「草ってなに?」と検索したことを思い出しました(笑)。
※草
笑いを意味するネットスラング。(笑)を「w」と省略して書いていたが、wが草に見えるという理由から、表現が変化していった。
文法、単語が苦手でも英会話を楽しめる技術
ジョージさん:もう一本動画を観てみましょう。これは、「こんな気持ちで外国人と話せばいいよ」という技術編の動画です。あまり英語が得意でない方に、パッと見せた日本語を英作文してもらいました。
よければ皆さんもチャレンジしてみてください。
ジョージさん:この文章を英語に直す時、特に難しいのは手品の「タネ」をどう訳すかです。
英語では「trick」と訳せるわけですが、これが100%、日本のタネと一緒の意味ではありません。何をどう訳すかに正解はない以上、出てこない単語はあきらめるしかありません。うんうんと悩んでいると時間がかかれば、「会話を楽しもう」という、コミュニケーション本来の目的からずれてしまいます。
後半に披露した僕の英語では、タネという言葉は使わず、「なぜ鳥が出てくるのか」というのを、身振りとWhyから始まる文章で表現しています。
もちろん、会議など正確な内容を伝えるべきシーンで、さきほどの英語はNGです。しかし、相手との会話を楽しむ、共感することが大事なシーンでは、出てこない単語や文法を考えて黙ってしまうくらいなら、自分の知っている英語でとりあえず伝えてみればいいと僕は思います。
僕は、難しければ日本語でいいよってスタンス。日本語と英語を交えて話していいよと。
ここで、理論的な解説をしてもいいですか?
ジョージさん:正確な英語というのは、伝えたいことがぶれずに速く伝わるんですね。しかし、意味が通じないと思わぬ誤解を生みます。
一方で、シンプルな英語はふわっとしていて、内容を特定するのにコミュニケーションを何度も繰り返す必要があります。その代わり、相手に誤解される可能性が低いです。
日本人は特に、完璧じゃないと伝わらないと思いがちです。でも、シンプルで曖昧な英語、ムリのない英語を何度も繰り返したほうが、いい場合もあります。
お互いの語学レベルを配慮して、うまくやりとりしようとすればコミュニケーションは成立するんです。
コメント:確かに。for exampleで説明することあります。連想ゲームみたいに。日本語でも同じですよね、「あれなんだっけ…?~みたいなやつ」みたいな。
ユッキーさん:たしかに!こうした配慮は日本語でも大事ですよね。結構「あれなんだっけ?」と、思い出せないこともありますから(笑)。
四者四様の英語ネイティブから分かる、英会話で大切なこと
ユッキーさん:次は私です。今年の7月から、特訓を兼ねてオンライン英会話に取り組んでいます。その様子を皆さんと観ながら、感じたことをお伝えしていきたいです。その前に、皆さんは外国人と英語で話すとき、相手はどんな感じで話してくると思いますか?
コメント:
結構ゆっくり英語で話してくれるイメージです。
めっちゃはやい。めっちゃたくさん話す
文法よりも、単語の羅列が先に入ってきて、そのあと構文ですかね。
こちらが初心者だったとわかったら、ゆっくり話してくれるけど、ある程度わかると思えば、途端に早くなって、突然わからなくなる!
ユッキーさん:ありがとうございます。では、さっそく動画を観てみましょう。
1人目
ユッキーさん:この話、なにが話題か分かりましたか?
私は最初、マドンナの話題と思っていたんです。何度かモデルナという言葉が出て、新型コロナウイルスの話だと気づきました。
ジョージさん:確かに、僕も最初マドンナの話だと思いました(笑)。ワクチン(vaccination)の単語が分からないと、ピンとこない気がします。
ユッキーさん:ちなみに、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約は、「reserve」ではなく「appointment」を使います。これまで何度も記事で書いてきたのに、いざという時に出てこないものなんですよね。
もうひとりの会話を観てみましょう。
2人目
ユッキーさん:今回もコロナウイルスワクチンの話題がありましたね。最初はオリンピックの報道、正しい情報得るのが大変だと話していました。最初の方と比較してどうでしたか?
コメント:
聞き取りやすい方でした。
後者の方が分かりやすかったです。ひとつのセンテンスが短かったからかな?
ギャルと僧侶のテンションみたいな。
聞き取りやすいね
後者のほうが聞き取りやすいし、前者もアメリカ人のなかでは聞き取りやすいほうかと
ユッキーさん:ありがとうございます。実は最初の方は、オンライン英会話の生徒に韓国人のお医者さんがいて、ワクチンに関する情報をたくさん聞いていたんです。その情報を、私にたくさん伝えようとしてくれたんですね。同じ国でも、話し方はまったく違うなと実感させられます。
では、もうひとつ映像を観てみましょう。ここでは、「ペラペラ話す」ということの意味を考えてみたいなと思います。
3人目
コメント:
人によって話すスピードは違うし言い回しも違いますよね。日本人も同じ。
すごく聞き取りやすいです!
興奮したり、話を早く伝えたいときは早口になりますよね。それはどこの国の人も同じなんですね。
ユッキーさん:3人目の方は、私と話すとき以外でも、普段からこのスピードで会話すると話していました。英語ネイティブだからといって、まくしたてるように話すわけじゃないということが分かります。
最後の映像を観てみましょう。この方は、ここまでに皆さんと共有したことのまとめを話してくれています。
4人目
ユッキーさん:最後の方の話は、「ミスを恐れるな」と伝えてくれていますよね。面白いなと思ったのは、彼は「たとえ文法が完璧でも、何を言っているか分からなければ、僕たちは『もう一回言って?』と言うよ」と話していたことです。
とにかく口にすることが、とても重要なんですね。そのうえで、ジョージさんが話している相手との協力関係が大事だと思いました。
7月1日から毎日オンライン英会話をしていますが、一番の発見は「あいづち英語ってあまり意味がないな」ということです。あいづちってたくさん種類はあるものの、意外と使いません。それよりも、意見を言うこと、相手にパスを出すことのほうが大切だと感じました。
ジョージさん:日本人は察する文化でうんうんとうなづくことが重要ですが、英語では盛り上げたいとき、質問したり、コメントをしたりした方がいいということですね。
ユッキーさん:日本語と英語との会話で、型を完全に変えないといけません。逆に考えると、型を変えるだけで英会話がすごく楽になるんですよ。
コメント:まずは自分の意見を伝える姿勢を示すことが大事なのかもしれないですね。
ジョージさん:会話の目的にもよる気がします。もちろん、信頼感や正確性が重要なとき、文法は必要になりますが、相手と仲良くなりたいとき、正確な英語を話している「風」な人って、逆に印象が悪く見えてしまうんですよね。
正確さではなく、まずは「英語は下手なんだけど、あなたとこういう関係になりたい」という気持ちを相手に伝えること。そして、同じ気持ちを相手にも持ってもらうことが重要かなと。
ごくまれに、「現地では英語で話すの当たり前だよね」という人がいます。かたくなに「英語を話せ」の一点張り。こういう考えの人は、そもそもコミュニケーションに対する配慮がありません。だから、「ごめんね」と伝えて距離を取ればいいんです。
ユッキーさん:日本人同士でも、こうした対応は一緒ですね。
自分なりの目標で、英語学習を楽しく続けてほしい
ジョージさん:ここで僕たちがいくら話しても、体験しないと変化は起きません。ぜひ皆さんも、何かしら一歩を踏み出してほしいです。
ユッキーさん:小さな成功体験を積み重ねていくことが大事ですよね。特に「この人なら協力してくれるかも」というか、波長合いそうな人は、きっとつたない英語でも皆さんが話すのを待ってくれます。
ジョージさん:そうなんです!こっちは英語が話せない、つまり語学のハンディを背負っていますから。そこで僕がおすすめしたいのが、何かしらおもてなしのアイディアを持つこと。
実際「エイコミュ」では、コロナ前は積極的に部活動をしていました。料理部とか折り紙部とか。
ユッキーさん:披露されたら「おー!」と思ってもらえるものばかりですね。
ジョージさん:語学力がなくても、外国人に喜んでもらえたことが成功体験になります。日本のおすすめの品を渡すとか、難しいことじゃなくていいんです。
コメント:
伝えたい気持ちを前面にだして、TRYしていきたいと思います。
完璧さよりも、いかに相手に楽しんでもらえるかを重視することの大切さを教えて頂けました。
これは英語だけではなく、何事にも通じる事ですね。
ユッキーさん:私もイベントに参加する度に思うんですが、イベントが終わると、そのときの感動ってすぐ忘れてしまいますよね。今日は、皆さんもチャット欄を活用して「イベントに参加して、こうしようと思えた」という思いをぜひ言語化してみてください。
コメント:なんで英語を勉強始めたのか、最近わからなくなったのでもう一度考えてみます。
ジョージさん:英語学習は一生のおつきあいだからこそ、なんのためにやっているのか分からなくなりますよね。
そんな時、僕はいつも、中学校・高校時代の部活をイメージしてもらいます。部活って、全国大会を目指すという大きな目的もあれば、毎日部活に行くこと自体が楽しいというケースもあるじゃないですか。友達に会いたい、うまくなるのが嬉しいとか。
英語学習も、海外旅行や転職といった明確な目的がなくても、自分なりの楽しみを持てばいいと思うんです。そのなかで、小さな成功体験を積み重ねつつ、英語学習を続けていただければいます。
英語を話すためには、まず単語、英文法といった知識が必須と考える人はたくさんいます。しかし、ユッキーさんとジョージさんは英語の話者として、「知識よりもっと重要なことがある」と話していたことが印象的でした。英語が好きなのに、苦手意識があるという方は、2人のオンラインサロンをのぞいてみたら、そんな悩みを解消するヒントがきっと見つかる。そんなことを感じさせるイベントでした。