日本伝統の麺といえば、うどんや蕎麦がまず挙げられますが、忘れてはいけないのがそうめん。調理しやすいことに加えて、暑くて食欲がないときでも食べやすいという嬉しい特徴があります。一方で、そうめんのカロリーや栄養について詳しく知っているという方は少ないはず。この記事では、そんなそうめんについての知識やおすすめレシピを紹介します。
そうめん(素麺)の栄養素
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によると、乾麺タイプ100gのそうめんに含まれる栄養素は以下の通りとなっています。
たんぱく質:9.5g
脂質:1.1g
炭水化物:72.7g
脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.25g
・一価不飽和脂肪酸:0.1g
・多価不飽和脂肪酸:0.56g
ビタミン
・ビタミンA:0μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.3mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0.08mg
・ビタミンB2:0.02mg
・ナイアシン:0.9mg
・ビタミンB6:0.03mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:8μg
・パントテン酸:0.7mg
・ビオチン:1.3μg
・ビタミンC:0mg
ミネラル
・ナトリウム:1500mg
・カリウム:120mg
・カルシウム:17mg
・マグネシウム:22mg
・リン:70mg
・鉄:0.6mg
・亜鉛:0.4mg
・銅:0.12mg
・マンガン:0.44mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:16μg
・クロム:1μg
・モリブデン:14μg
食物繊維:2.5g
・水溶性食物繊維:0.7g
・不溶性食物繊維:1.8g
そうめんは小麦を原料としているため、炭水化物を多く有しており、次いでタンパク質や脂質などが含まれています。
一方で、そうめんは茹でることで、糖質量や塩分量、タンパク質、脂質など全てが茹でる前に比べると、半分以下まで減少するという特徴があり、なかでも塩分量に関しては、7.8gから0.4gまで減少します。これは、茹でることによって小麦が茹で汁の中に溶けるためです。ちなみに、茹でるとそうめんは水分を吸うため、元の状態からおよそ3倍膨らみます。
(参考:オリーブオイルをひとまわし│そうめんの栄養価やカロリーを紹介!1人前のカロリーや糖質量も!)
そうめんとひやむぎの違いは?
そうめんとひやむぎは、どちらも小麦粉や塩を原料として作られる乾麺であり、その明確な違いは麺の太さにあります。
日本農林規格(JAS規格)の規定では、麺の長径が1.3mm未満のものがそうめんで、長径1.3mm~1.7mmのものがひやむぎとされています。また、同じく小麦粉が原料であるうどんは、長径を1.7mm~3.8mmのものを指しています。
(参考:オリーブオイルをひとまわし│【管理栄養士監修】ひやむぎのカロリー|栄養図鑑)
そうめんのカロリー・糖質
乾麺の場合(100gあたり)
カロリー:356kcal
糖質量:70.2g
茹で麺の場合(100gあたり)
カロリー:127kcal
糖質量:25.8g
そうめんは茹でると水分量が多くなるため、茹で麺は乾麺よりも相対的にカロリーと糖質量が減少する傾向にあります。
ひやむぎのカロリー・糖質
乾麺の場合(100gあたり)
カロリー:356kcal
糖質量:70.2g
茹で麺の場合(100gあたり)
カロリー:127kcal
糖質量:25.8g
比べてのとおり、ひやむぎとそうめんの違いは麺の太さなので、カロリーや栄養価の違いはありません。
めんつゆに注意
めんつゆのカロリーは、基本的に1人前で40kcal前後です。また、実は糖質が7.0gと多く含まれているため、糖質量が気になる場合は砂糖不使用のめんつゆを選ぶのがおすすめです。また、だしを自分で調味して、めんつゆを手作りするのも良いでしょう。
その他麺類のカロリー
ひやむぎ以外の麺類とそうめんのカロリーはどのように違うのでしょうか。
100gあたりのカロリーをそれぞれ見てみましょう。
茹でパスタ:カロリー165kcal、糖質量30.3g
茹で中華麺:カロリー149kcal、糖質量27.9g
茹でそば:カロリー132kcal、糖質量24.0g
茹でそうめん:カロリー127 kcal、糖質量25.8g
茹でうどん:カロリー105kcal、糖質量20.6g
そうめんはパスタやそばより低カロリーですが、麺類の中でもっとも低カロリーかつ低糖質なのはうどんであることがわかります。また、そばもそうめんより糖質が低く、ダイエット向きの炭水化物食品と言えるでしょう。
そうめんダイエットとは?効果は?
そうめんダイエットは、主食をそうめんに置き換えるダイエット方法のこと。
一般的な主食であるお米とそうめんのカロリーはそれほど変わりません。しかし、麺類の中では比較的低カロリーなことに加えて、そうめんは風味にクセがないためアレンジしやすく、めんつゆやみそ汁などの和食のほか、レモンソースをかけたり韓国風にしたり、どんな調理方法にも相性がいいというメリットがあります。さらに、そうめんには腹持ちが良くなり便秘の改善にも役立つ食物繊維のほか、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど健康に必要な栄養素が豊富に含まれているのです。
とは言え、そうめんばかりを食べていると栄養が偏ってしまい、体調不良を招く場合があります。そうめんダイエットを取り入れる場合は、食事のバランスを考慮して野菜や肉や魚なども摂取するよう気を付けましょう。
そうめんにおすすめの組み合わせ食材
ツナ
ツナを組み合わせることで、そうめんにコクと旨味を追加することができます。ツナには豊富にたんぱく質が含まれているほか、ビタミンB群の一種であるナイアシンが含まれており、糖質や脂質を分解する酵素の働きをサポートしてくれるため、脂肪燃焼効果が期待できるのです。
どんな食品とも相性が良く、そうめんでは補えない栄養素をカバーすることができるため、おすすめの食材です。
(参考:まごころケア食│良質なタンパク質を含んだツナ缶|買い置き必須)
トマト
トマトの酸味はそうめんをよりさっぱりとした風味に仕上げてくれます。さらに、トマトに豊富に含まれているリコピンには、血行を促進して代謝を向上させる働きや、脂肪細胞が増加するのを抑制する効果が期待できるのです。トマトは熱を加えたり油と一緒に摂取したりすることによってリコピンの吸収率が上がるため、調理をする際は、トマトを炒めてアレンジすることをおすすめします。
卵
栄養バランスに優れている卵は使い勝手もよく、そうめんとも相性抜群。そうめんだけでは不足しがちなビタミンやミネラル、たんぱく質を効率よく摂取することができるのです。また、錦糸卵や炒り卵、温泉卵など様々なアレンジで組み合わせることができる点もメリットのひとつです。お好みの調理方法で取り入れてみましょう。
そうめんのおすすめレシピ
最後にそうめんのアレンジレシピを紹介します。おすすめの組み合わせ食材を取り入れたレシピもありますので、好みの食べ方を見つけてみましょう。
おろしトマトそうめん
【材料】
そうめん:3束
大根おろし:100g
大葉:3枚
みょうが:1/2本
ツナ缶(小):1缶(80g)
貝割れ菜:適量
トマトソース:1/2缶(約150g)
めんつゆ(ストレート):大さじ5
1.トマトソースとめんつゆを混ぜ、冷蔵庫で冷やしておきます。
2.大葉、みょうがは千切りにし、ツナ缶は缶汁をきっておきましょう。
3.そうめんを茹でてザルにあげ、水気をきっておきます。
4.1で冷やしておいたソースを器に半量ずつ入れ、3のそうめんを入れます。具材をのせて、最後に貝割れ菜を飾って完成です。
(参考:揖保乃糸│おろしトマトそうめん)
ニラとツナのそうめんチャンプルー
【材料】
そうめん:2束
ニラ:1束
ツナ缶:1缶
塩コショウ:適量
ラー油:適量
ごま油:適量
1.そうめんを茹で、水気を切ってごま油をまわしかけておきます。
2.フライパンを熱して、ツナ缶を油ごと加え、5cm幅にカットしたニラも加えて炒めましょう。
3.ニラがしんなりしてきたらそうめんを加えて混ぜ合わせ、塩コショウで味を調えます。お好みでラー油をかけて完成です。
塩昆布たまごそうめん
【材料】
そうめん:1束
お湯 (茹で用):適量
〈ソース〉
塩昆布:7g
ごま油:大さじ1/2
しょうゆ:大さじ1/2
白いりごま:小さじ1
〈トッピング〉
卵黄:1個
小ねぎ:適量
のり:適量
1.ボウルにソースの材料を混ぜ合わせます。
2.そうめんを茹で、水気をきります。
3.1と2を器に入れ、よく和えます。
4.小ねぎ、卵黄、のりを盛り付けて完成です。
韓国風ビビンそうめん
【材料】
そうめん:2束
鶏のササミ:60g
キュウリ:60g
キムチ:60g
コチュジャン:大さじ1
ごま油:大さじ1
すりごま:適量
酢:大さじ1/2
醤油:大さじ1/2
砂糖:大さじ1/2
温泉卵:2個
1.鶏のササミは耐熱皿に入れ、酒をかけます。ラップをし、500Wの電子レンジで1分ほど加熱し、粗熱が取れたら手で細かく裂きましょう。キュウリは細切りにします。
2.コチュジャン・ごま油・しょう油・酢・砂糖・ごまを混ぜ合わせます。
3.そうめんを茹で、水気をよく切り、2とよく混ぜ合わせましょう。
4.3を器に盛り、キュウリ、鶏ササミ、キムチ、温泉卵をトッピングして完成です。
(参考:揖保乃糸│韓国風ビビンそうめん)
ねばとろそうめん
【材料】
そうめん:3束
納豆:2パック
付属のたれ:2袋
白だし(10倍濃縮):大さじ2と1/2杯
水:240cc
オクラ:3本
かぼす:1個
みょうが:1個
たくあん:20g
1.鍋でそうめんとオクラを茹で、流水で洗ってザルにあげます。オクラは粗熱を取って輪切りにしましょう。
2.納豆は付属のたれとみょうがを入れて混ぜ合わせます。
3.白だしと水を混ぜ合わせます。
4.器にそうめんを入れて、3を注ぎます。2、オクラ、たくあん、かぼすを盛り付けて完成です。
まとめ
低カロリーなことに加えて手軽に調理できるそうめんは食卓の強い味方。上手に日々の食生活に取り入れることでダイエットにも役立ちます。
この記事で紹介したレシピを参考に、ぜひ自分好みのアレンジ方法を見つけてみてください。