「どうせ自分にはできない……」と、ネガティブな思考に陥ったことはありませんか。
ポジティブになれば物事がうまくいく、と思っていても、いきなり考え方を変えるのは難しいもの。しかし言葉遣いなどを工夫するだけでも、ポジティブな気持ちになることができるのです。
この記事ではネガティブ思考からポジティブ思考に切り替えるためのコツを紹介!
ネガティブに考えてしまう原因やデメリットなども解説します。
ネガティブとは?どんな状態を指す?
まずはネガティブの定義を確認してみましょう。
小学館『デジタル大辞泉』によると、ネガティブは否定的・消極的な状態だと説明されています。いいことを言われても「きっと嘘に違いない」と思う、挑戦する前から「どうせ自分にはできない」と諦めてしまうなどの性格が当てはまるでしょう。
ネガティブは場面によっては別の意味合いで使われます。たとえば電気のマイナス極は英語で言うと「negative」。また、化学や医学では、陰性をネガティブと表現することもあります。
この記事では性格面でのネガティブ、つまり否定的な状態について説明してきます。
ネガティブの使われる場面例
「ネガティブ」はほかの言葉と組み合わせて使われる場合もあります。
たとえば「ネガティブシンキング」。「どうせ失敗する」などなんでも後ろ向きに考えてしまったり、悲観的になってしまったりする思考を指します。
また、相手の悪いところを宣伝して評判を下げることを「ネガティブキャンペーン」といいます。選挙で特定の候補者を落とすために行われることもあれば、ライバルをおとしめて自分への評価を上げるために実行されることもあります。
ほかにも、ネガティブによく似た言葉である「消極的」は否定的な意味だけでなく、肯定の意味も含んでいます。
たとえば「全面的に賛成ではないものの、場合によっては賛成する」といった場合、消極的な肯定が行われているといえるでしょう。「~しなくもない」という二重否定表現も、消極的な肯定のひとつです。
ネガティブの類義語
ネガティブの類義語には「後ろ向き」、「マイナス思考」、「否定的」などが挙げられます。性格面の「ネガティブ」は暗いイメージと強く結びついているようです。
ネガティブの対義語はポジティブ
ネガティブの対義語といえばポジティブ。
ポジティブの意味や特徴などについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
ネガティブな人の特徴
周囲で見かけるネガティブな人は、どのような言動をしているのでしょうか。代表的な特徴をいくつか見てみましょう。
自己肯定感が低い
ネガティブな人は自己肯定感が低い傾向にあるようです。そのため周囲から褒められたとしても「自分なんてたいしたことはない」と思ってしまう場合も。頼まれた仕事に対して「自分にできるはずがない」とすぐに諦めてしまう人もいます。
プライドが高い
プライドが高いことも、ネガティブな人の特徴だといわれています。前述した自己肯定感の低さとは矛盾するように見えるかもしれませんが、プライドの高さと自己肯定感は密接に関係しています。
そもそもプライドが高い人は、目標も高く設定しがち。理想と現実のギャップが大きいほど、「自分はなんてダメな人間なんだろう」と落ち込んでしまいます。その結果自己肯定感も下がり、「どうせできない」とネガティブな思考に至ってしまうのです。
過ぎたことにこだわる
ネガティブな人は、過ぎたことにこだわってしまう傾向にあります。
「あのとき別の行動をとるべきだった」と終わった仕事についていつまでも考える、「スピーチで噛んでしまうなんて」と小さなミスについて反省し続けるなどが挙げられます。
自分を他人と比べる
自分と他人をつい比べてしまうのも、ネガティブな人の特徴。そのため周囲の目を気にしすぎたり、優れている人と比較して「自分は能力が低い」と思い込んだりします。
ネガティブ思考の原因
ネガティブ思考になってしまう人には、なんらかの原因があると考えられています。主な原因をチェックしてみましょう。
人間関係でのトラブル
ネガティブ思考の人は、過去に人間関係がうまくいっていなかった可能性があります。
たとえば家族から「ダメな子」、「そんなこともできないのか」など否定的な言葉をかけられて育った場合、ネガティブな思考になりやすいと考えられています。
また、ネガティブな人と接しているうちに自分の考え方が影響を受け、ネガティブになってしまう場合もあるようです。
大きな失敗や挫折
大きな失敗や挫折の経験も、ネガティブ思考の原因だと考えられています。過去に失敗したときと似たような状況に置かれると、「どうせ今回も無理だ」とネガティブな思考になってしまうのです。
また、頑張った末に失敗してしまった場合、「自分なんて努力しても何もできない」とネガティブに考えてしまう可能性があります。
脳内伝達物質セロトニンの不足
脳内の状況が変化した場合も、ネガティブな思考に陥りやすくなります。
原因となる物質がセロトニン。脳内における神経伝達物質のひとつで、精神を落ち着かせる働きがあります。セロトニンの分泌が少なくなると、今まで正常に行われていた精神のコントロールがうまくいかなくなり、不安感が増大。その結果、ネガティブな思考に陥りやすくなるのです。
(参考:CanCam.jp│ネガティブな人といると疲れる…ネガティブな人の特徴と心理5つ)
ネガティブ思考によるデメリット
ネガティブ思考を持っていると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。主な例を3つ紹介します。
人間関係の悪化
ネガティブ思考が原因で、人間関係が悪化する可能性があります。
たとえば「どうせ挑戦してもうまくいかない」と自分ではなく友人に言った場合、相手は不快感を抱いてしまうかもしれません。
また、自分の仕事がうまくいかないからといって、周囲に八つ当たりしてしまう人もいるようです。そのため「ネガティブ思考の人と一緒にいると疲れる」と、ネガティブな人から距離を置く人も見られます。
(参考:マイナビウーマン│ネガティブ思考の原因とネガティブを克服する改善策)
自信が持てなくなる
ネガティブ思考の人は、自信を持ちにくくなるといわれています。常に「どうせうまくいかない」と思っているため、本来は持っているパフォーマンスを発揮しにくくなる可能性も。その結果、自分の能力への自信が失われていき、物事に取り組む意欲も弱まってしまうと考えられています。
(参考:Ojji.jp│意外と知らない「ネガティブ」とは一体どういう意味?「ネガティブ」の意味や長所、ポジティブになる方法についてご紹介)
自己肯定感が低くなる
ネガティブな思考が癖になると、徐々に自己肯定感が低くなってしまう可能性があります。
自己肯定感はありのままの自分を好きになることで育まれるため、他人と比べる必要はありません。しかしネガティブ思考の人は周囲を気にして相対的に自分を評価するため、自己肯定感が低くなりがちだと考えられています。
自己肯定感を高めるための方法は以下の記事で詳しく紹介していますので、併せてチェックしてみてください。
ネガティブ思考の隠れたメリット
ネガティブな思考は悪いことばかりではありません。ネガティブをうまくコントロールすることで、自分の強みに変わる可能性もあるのです。
物事に対して注意深く見ることができる
ネガティブ思考は、「慎重な思考」と言い換えることもできるでしょう。
たとえばネガティブな人は、思いついたアイデアに対して「本当におもしろいのか」と注意深く考えることも得意だといわれています。つまり時間はかかるものの、完成度の高い企画を提案することもできるのです。
また、ネガティブ思考を持っている人は、うまい話に対しても「嘘かもしれない」と立ち止まって考えることができます。結果的に、詐欺などにだまされにくくなるといえるでしょう。
(参考:リクナビNEXTジャーナル│デキる人になりたければ、「ネガティブ思考」をうまく活用しなさい)
悪いパターンを想定できる
ネガティブな思考を持っていると、起こりえる悪いパターンをすぐに想定することができるでしょう。すると、最悪の事態に対処する手段も事前に用意することが可能となり、その結果リスク回避がしやすくなるといえます。
また、失敗を恐れて入念にチェックをしてから行動に移すため、ミスが少なくなる傾向も見られます。
ネガティブ思考から抜け出すための9つのコツ
メリットもあるネガティブ思考ですが、「ポジティブな考え方をしたい」と思っている人もいるでしょう。自分のネガティブ思考に気づくことができた今こそ、ポジティブ思考を手に入れるチャンス。ネガティブ思考から抜け出すためのコツを9つ紹介するので、できることから実践してみてはいかがでしょうか。
食事や睡眠の時間を確保する
ネガティブ思考から抜け出すために、まずは自分の生活を見直してみましょう。とくに大切なポイントが、食事や睡眠。睡眠時間が短かったり食事の時間が不規則になっていたりすると、セロトニンがうまく分泌されなくなる恐れがあるのです。
寝る前には、その日あったいいことを思い出したり、好きなことをして気分転換をしたりするとネガティブな記憶を忘れやすくなると考えられています。
早起きして朝日を浴びる
ネガティブ思考からの脱却には、早起きも大切だと考えられています。セロトニンは主に午前中に作られる物質で、朝日を浴びて活動しているときに分泌されるからです。ストレスを感じない程度に早寝早起きを心がけてみましょう。
定期的に運動をする
定期的な運動も、ネガティブ思考を抜け出すためには効果的です。ウォーキングなどの軽めのメニューでもいいので、定期的に運動を続けてみましょう。とくに有酸素運動をすると、セロトニンの分泌が活発になるといわれています。
「自分にはできない」という言葉を使わない
言葉の使い方をひとつ変えるだけでも、ネガティブな思考から抜け出すことができると考えられています。
たとえば「自分にはできない」というフレーズを、意識的に使わないようにしてみましょう。「どうすればできるようになるか」、「少し難易度を下げた内容ならできるはず」など、実現に向けた前向きな言葉を習慣づけることで、少しずつネガティブな考えから脱却できるはずです。
感謝の気持ちを持ち続ける
感謝の気持ちを持つことも、ネガティブ思考から抜け出す手段のひとつ。感謝はポジティブな感情のひとつで、物事のいい側面に目を向けるきっかけを作ってくれるからです。
「ありがとう」と感謝を言葉にして相手に伝えてもいいでしょう。すると自分だけでなく周囲もポジティブな気持ちになり、人間関係が良好になると考えられています。
(参考:テンプ ナレッジマガジン│なぜポジティブシンキングがいいのか)
ネガティブな情報を避ける
テレビやインターネットなどでネガティブな意見を目にして思考が引きずられるときは、思い切って情報をシャットアウトしてみましょう。
ネガティブなニュースを見ていると、不安や暗い気持ちを抱いてしまう人も。さらに、ネガティブな内容に慣れてしまうと、日常的にネガティブ思考になる可能性があると考えられています。
(参考:セキララゼクシィ│ポジティブ思考になるには?前向きな人の特徴やメリットも解説)
気になることは紙に書き出す
ネガティブな内容は頭の中で考えるだけでなく、一度紙に書き出してみるといいでしょう。自分の思考を客観視しやすくなるため、「案外小さなことで悩んでいたんだな」、「イライラしていたけれど、どうでもよくなった」と気持ちが落ち着いてくるはずです。また、漠然としたモヤモヤを言葉に置き換えれば、原因を特定しやすくなります。
小さなことでも成功体験を増やす
小さなことでもいいので、成功体験を積み重ねてみましょう。すると少しずつ自信を持てるようになり、ネガティブ思考が弱まっていくと考えられています。そのためには、最初から目標を高く設定せず、少しずつハードルを上げていくことがポイント。「今が40点だとしたら次は45点を目指そう」と小さな成功を積み重ねていきましょう。
ポジティブな人と過ごす
ネガティブ思考から抜け出すためには、他人の力を借りてもいいでしょう。周囲にポジティブな人がいる場合は、一緒に過ごす時間を作ってみると新たな気づきが得られるはずです。また、ポジティブな言葉が耳に入ることで気持ちが前向きになる可能性もあります。
まとめ
物事に対して消極的に考えてしまいがちなネガティブ思考。とくに自分と他人を比較してしまう人や、自己肯定感が低い人などに多く見られます。過去の経験や、不規則な生活によるセロトニン不足など原因はさまざま。しかしネガティブな思考もうまく活用すれば、リスク回避などの強い味方になってくれます。
ネガティブ思考から抜け出したい人は、生活習慣や言葉遣いを見直すなど、小さなことから実践してみてはいかがでしょうか。