地頭には「じあたま」「じとう」「じがらみ」「じがしら」など、さまざまな読み方がありますが、この記事で紹介する地頭は「じあたま」と読み、人間が生まれたときから持っている頭のよさのことを指すもの。地頭(じあたま)という言葉は、2007年に発売された細谷功さんの『地頭を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』によって広まりました。
今回は、地頭がいい人の特徴や地頭をよくする方法、おすすめの書籍を紹介します。
地頭と知識、スキルの使い分け
地頭と知識、スキルはいずれも頭のよさに関係している言葉ですが、実際には異なる意味を持っています。地頭は学校などで身に付けられる知識ではなく、生まれたときから備わっている頭のよさのこと。思考力や論理的思考、発想力、コミュニケーション能力を指します。
知識とは物事を認識して理解すること。ほかには考える働きや知恵も指し、後天的に増やせるのが特徴です。スキルとは技術的な能力を指し、訓練や学習によって培われた高度な能力のこと。知識や教養はスキルとして扱われることもあります。
(参考:Weblio辞書|地頭)
地頭の類義語
地頭がいいという言葉の類義語は以下のとおりです。
・利口
・有能
・優秀
・賢い
・クレバー
・機才
・頭の回転が速い
(参考:言葉の手帳|「地頭」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!)
地頭がいいとされる3つの能力
地頭がいいと言われる能力は、思考力と発想力、コミュニケーション能力の3つです。一つずつ詳しく見ていきましょう。
思考力
思考力とは考える能力のことで、考える能力とは論理的思考力と多面的思考力、批判的思考力の3つを指します。思考力が高いと、人の話に惑わされずに自分の考えや意見を持てるのが特徴です。また、物事の原因を追求できたり、効率よく動けたりします。
発想力
発想力とはさまざまなことを思いつける能力のことで、考案力とも呼ばれることも。発想力がある人はユニークな思いつきをしたり、新しいものを生み出したりします。
(参考:Weblio辞書|発想力)
コミュニケーション能力
コミュニケーションは情報の共有や意思の疎通を行うことであり、コミュニケーション能力はそれらをスムーズに行える能力のこと。コミュニケーション能力に優れている人は、相手の気持ちを考えながら会話し、柔軟な対応をするのが得意です。また、相手との距離感もうまく保てるため、心地よい関係性が築けます。自分の気持ちを押し付けるのではなく、相手を尊重しながら接することができるのが特徴です。
コミュニケーション能力についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
地頭がいい人の特徴
次に、地頭がいい人の特徴を見ていきましょう。
理解力が高い
地頭のいい人は頭の回転が速く、新しい情報への理解力が高いです。理解する方法も内容を取り込むだけではなく、本質を掴み、変化やメリットまでを考えます。しっかりと自分のなかで考えて的確に理解するため、理解した内容を自分の知識として活用できるのもポイント。インプットとアウトプットの両方に優れています。
相手に合わせて話ができる
頭のいい人は、相手にわかるように説明できると聞いたことはありませんか?同様に、地頭のいい人も相手に合わせて話をするのが得意です。地頭のいい人は相手の特徴を瞬時に判断する観察力を持っているため、たとえばITに強くない高齢者にも上手にスマホの使い方を説明できます。なるべく専門用語を使わずにわかりやすく説明し、相手が理解するだけではなく、使えるように情報を伝えられるのです。
会話の引き出しが多い
地頭のいい人は多くの知識を蓄えているため、会話の引き出しが多いのが特徴。勉強や仕事の話だけではなく、アートやスポーツ、食べ物、街の情報など、さまざまなジャンルの会話に対応できます。また、視野が広いため、知らないことを瞬時に判断して関連性を見つけるのも得意です。地頭のいい人との話は刺激的で楽しいと感じる人が多いでしょう。
(参考:Oggi|「地頭」の意味や類語は? 地頭がいい人の特徴や地頭をよくする方法もまとめてご紹介)
好奇心旺盛
地頭のいい人は好奇心が旺盛で、子どものころから生活や遊びを通して知識を増やしています。たとえば、水辺の生き物に興味を持ち、それを毎日観察しているうちに生物全体に関心を持つようになり、無限に知識が増えていく。そのようなケースもあります。地頭のいい人は日常のなかで自然に知的を鍛えていくのが得意だと言えるでしょう。
(参考:個別指導塾けやき|地頭がいいと思う子は知的好奇心が旺盛。ではどうすれば・・)
地頭をよくするためにできること
地頭は本来から持っている頭のよさを指しますが、先天的なものだと諦める必要はありません。地頭のよさは努力で向上させることができるためです。ここからは、地頭をよくするためにできることを紹介します。
読書をする
地頭をよくするためには知識を蓄えることが必要です。多様な考え方を身に付けるのにぴったりなのが読書。週に1冊、少なくとも月に2〜3冊ほど、さまざまなジャンルの本を読むのをおすすめします。急いで読むのではなく、わからないことがあればネットなどで調べるなど、理解しながら読むようにしましょう。読書に慣れてきたら、本の内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分なりの考えや解釈と照らし合わせるのが効果的です。
(参考:中途採用サクセス|地頭のいい人って結局何?特徴や見極め方、地頭力の鍛え方)
なぜを繰り返す
多くの人は目の前に起こったことや他人の意見をそのまま受け取って生活しています。しかし、地頭のいい人は情報をそのまま鵜呑みにせず、本質を探り出そうとします。地頭をよくするためには、常に「なぜそうなのか」「本当にそうなのか」を考える癖をつけることが大切です。自分で仮説を立て、あらゆる観点で物事を見ようと思考力を高めることで、幅広いアイデアを持つことができるようになるでしょう。
(参考:Domani|「地頭がいい」人になりたい!地頭がいい人の特徴と地頭を鍛える方法を解説します)
コミュニケーションを多く取る
コミュニケーションを多く取ることも地頭をよくするために必要です。社会には多くの考え方があるため、偏見を持たずにいろいろな意見を聞くことは視野を広げることにつながります。また、さまざまな人とコミュニケーションを取ると、相手に応じた話し方や接し方を身につけることができるでしょう。コミュニケーション能力を向上させるためにも、ぜひ多くの人とコミュニケーションを取るようにしてみてください。
(参考:中途採用サクセス|地頭のいい人って結局何?特徴や見極め方、地頭力の鍛え方)
論理的思考を身につける
論理的思考とは、物事を結論と根拠に分けて論理的に理解する思考のことであり、ロジカルシンキングとも呼ばれています。論理的思考を身につけると、人と情報共有する際に論理立てた説明ができるようになり、原因特定や問題解決の能力も向上します。論理的思考を身につけるためには、意識して結論から話したり、どのようなことにも仮説を立てたりする訓練がおすすめ。さらに、意見について深く掘り下げて考え、第三者を説得するような一人でディベートを行うのも効果的でしょう。
(参考:リクルートマネジメントソリューションズ|人材育成・研修・マネジメント用語集 ロジカルシンキングとは)
批判的思考を意識する
批判的思考とは、物事のよしあしを考えて評価・判断する思考のこと。批判というとネガティブなイメージを持つかもしれませんが、批判的思考は論理的・合理的思想であり、よりよい思考を行うために実行されることです。批判的思考を意識すると、取り組んでいる課題や主張、根拠を明確化できるようになります。また、批判的思考を意識して自分で振り返ることで、よりよい意思決定をできるようになるでしょう。
地頭を鍛えるのにおすすめの書籍
地頭を鍛えるための具体的なやり方を知りたい人には、細谷功さん著の『地頭力を鍛える問題解決に活かす「フェルミ推定」』をおすすめします。この本は、問いへの解答を導き出す考え方であるフェルミ推定に着目し、例題を用いながら地頭を鍛える方法を解説しています。訓練によって鍛えられる思考力を知りたい人にとって、多くのヒントを与えてくれる一冊になるでしょう。
まとめ
地頭はその人が本来持っている頭のよさのことです。地頭がいいとされる能力は思考力と発想力、コミュニケーション能力の3つ。地頭がいい人の特徴は理解力が高い、相手に合わせて話ができる、会話の引き出しが多い、好奇心旺盛などです。地頭のよさは生まれつきの能力ですが、読書をしたり、考え方の訓練をしたりすることで後からでも身につけることができます。ぜひ諦めずに地頭を鍛えてみましょう。