2017年から、DMMオンラインサロンでは毎年「DMMオンラインサロンAWARD」を開催しています。イベントでは、その年最も盛り上がったオンラインサロンや、魅力的なプロジェクトに挑戦したオンラインサロンを取り上げ表彰してきました。
2022年から、「DMMオンラインサロンAWARD」は「SALON FES」という、新たなイベントとしてリニューアル!「新しいセカイをのぞき見」をイベントのコンセプトとして、著名人、インフルエンサー、実業家、アーティストによるトークを、オンラインでお届けしています。
そして2022年8月26日に開催された「SALON FES 2022 SUMMER」では、
【ピンチをチャンスに!オンラインレッスン活用の秘訣】
【マーケティング担当者必見!コミュニティマーケティングの重要性】
という2つのトークセッションを実施。誰もがよく知るアーティストから、超有名商品・サービスの「中の人」が集まり、オンラインサロンをはじめとしたビジネスの可能性について語り合いました。今回は、そんな各トークセッションのハイライトをご紹介します。
なお、当日の様子は下記のリンクよりご登録いただくと、アーカイブもご覧いただけます!
ピンチをチャンスに!オンラインレッスン活用の秘訣
現在、学習塾やスポーツ教室、学校とあらゆる「学ぶ環境」がオンラインへと移行しています。このセッションでは、オンラインサロンを通じて、さまざまな学びを提供するオーナー3名が登壇。オンラインならではのメリットや苦労、オンライン化の重要性について語ってもらいました。
【ゲスト】
EXILE ÜSAさん:「DANCEARTH VILLAGE」を主宰
ユッキーさん:「英語科準備室 powered by ユッキー」を主宰
石井 東吾さん:「石井東吾 ジークンドーオンライン道場 ONE INCH SALON」を主宰
加藤 知華さん(MC)
EXILE ÜSAさん「ダンスには人を元気にして、癒す力がある」
ÜSAさんは、オンラインサロンを「みんなが集うオンライン上の“村”」にしたいと考え、農業プロジェクト「ODORÜ YASAI」や、健康増進のウォーキングダンス「DANCE EARTH WALK」など、ダンスを広める様々な企画をサロン内で実施しています。
全世界の子どもたちが、言葉の壁を越えて仲良くなれるようにという願いを込めた「ダンス語」プロジェクトは、100言語を達成したら国連にプレゼンテーションするという壮大な目標も掲げています。
ÜSAさんは、ダンスには人の心を元気にしたり、癒したりする素晴らしい力があると話します。それを体現するオンラインサロンの7つのプロジェクトを、さらに多くの人と共有していきたいと語りました。
「“私はリズム感がない”と悩む人と多く出会いますが、ほとんどの人はダンスを難しく考えているだけです。手拍子や足踏み、ジャンプといった動作を繰り返し、心がほぐれていくうちに、ダンスの動きが生まれていくんです。
そうやって踊ると、不思議と元気になっていきます。僕も、オンラインサロンで皆さんとダンスを踊ることで、ポジティブになれる機会が増えました。メンバーさんとそういった想いを共有できることに、感謝しかありません。」
ユッキーさん「一人では実現できなかったことが起き続けている」
ユッキーさんはサロン内で、「英語日記」という主要コンテンツを立ち上げています。ここには、誰でも英語でその日あった出来事を英語で投稿でき、それを添削してもらえるという内容です。はじめの1週間は、非常に好評で多くの人が書き込んでくれました。
しかし、1週間が経過すると、投稿はパタッと止んでしまいました。英語を書ける人だけが残り、他の人が「ここに書くのは気が引ける…」と遠慮するようになったそうです。
そこでユッキーさんは、モデレーターと試行錯誤して、ルールを設けました。それは、「日記は1〜3行で書く」、「日本語で内容を補足してOK」というものです。あえてハードルを下げ、投稿できる内容を絞り、日本語で日記を理解できるようになってから、投稿がまた活発になっていきました。
オンラインサロンを開いたことで、一人では実現できなかったことが起き続けていると、ユッキーさんは言います。メンバーの発信する英語が、情報量を一気に増やしてくれました。それだけでなく、メンバー同士の交流という「横のつながり」によって、英語学習のモチベーションアップにもつながっています。
「今後も、自己表現の楽しい手段として、英語を使うという発想の転換を届けられたらいいなと思っています。メンバーさんとの交流や、今ここに登壇することができているのも、すべてのきっかけは“オンラインサロンを開こう”と決めたことにあります。
はじめは、私がオンラインサロンを開いても意味がないのでは…?とも思いました。しかし、実験思考でメンバーさんと取り組んできたことが、今につながっているんだと強く感じます」
石井 東吾さん「オンラインでも技術を教えられると知り、励みになった」
YouTubeチャンネル「石井東吾 Togo Ishii ワンインチチャンネル」でも大人気の、石井 東吾さん。道場で学びたい!という人が非常に多くなったことから、オンラインサロン開設を決断しました。
オンラインサロンはアーカイブを通じて、好きな場所・時間で技術を学ぶことができます。師匠の動きをひたすら観察し、稽古後に必死にメモを取って学習していた石井さんは、今の環境を「ぶっちゃけ悔しいです」と語っていました(笑)。
とはいえ、武術というのは対面での稽古が伴います。生徒の皆さんが正しく技術を身につけ、なるべく早くレベルアップできるようにと、稽古動画を必死に考えている日々を送っているそうです。
そんな努力の甲斐もあったのか、2022年5月に実施したはじめての対面稽古では、基礎が身についている生徒さんの様子に、石井さん自身も驚いたとか。カリキュラムを整えれば、オンラインでも教えられるものなんだと、石井さんにとっても励みになりました。
「武術は相手がいて成り立つものです。オンラインのよさとリアルの稽古のバランスをうまく取りつつ、今後もサロンを広く展開していきたいと思います。せっかくオンラインサロンを始めた以上、やるからにはとことんやりたいですね」
マーケティング担当者必見!コミュニティマーケティングの重要性
第1部のセッションとは一転。第2部のトークセッションは、さまざまなジャンルの企業のスペシャリストが集まりました。「コミュニティマーケティング」は、顧客との新たな関係性を築き、マーケティング効果を最大化させる手法として注目されています。マーケティングのスペシャリストである島袋孝一さんをMCに、各企業のコミュニティマーケティングの実践例が紹介されました。
【ゲスト】
萩原 彩織さん&新井 学さん
東武鉄道株式会社。昨年9月より、DMMオンラインサロン「東武鉄道公式ファンクラブ」を運営。オンラインサロンを活用しながら鉄道ファンとの交流を深めている。
谷澤 渓介さん
2016年、カルビー株式会社に入社。マーケティング本部にて『カルビーポテトチップス』の担当を経て、2020年より『じゃがりこ』ブランド担当として従事する傍ら、カルビー初のスマホアプリ『カルビールビープログラム』立ち上げを経験。
前田 徹哉さん
「Quizknock」を運営する株式会社batonの執行役員 マーケティング部 ゼネラルマネージャー。著書に「売上を倍増させる“顧客勘定”マーケティング “赤字顧客” を黒字に変える実践手法」がある。
MC 島袋 孝一さん
2004年パルコ入社。店舗リーシング・宣伝・オムニチャネルを担当。その後、総合飲料メーカーキリン、株式会社ヤプリなどを経て、2022年1月より株式会社Preferred Networksに参画。
東武鉄道株式会社 萩原 彩織さん&新井 学さん
東武鉄道 萩原 彩織さん
第2部のセッション登壇者で、唯一オンラインサロンを開設している東武鉄道株式会社。コロナ禍をきっかけに鉄道利用者が激減し、毎年2万人が来場するファンイベント「東武ファンフェスタ」も中止せざるをえなくなりました。
こうした事態をきっかけに、長期的に東武鉄道のファンと交流できる取り組みを始めようと、オンラインサロン「東武鉄道公式ファンクラブ」が立ち上げられたのです。
東武鉄道は、関東ではもっとも長い距離を走る私鉄で、車両の種類も豊富です。日光では、SLが現役で走っています。こうした車両の走行シーンや、車窓からの眺めを動画で楽しんでもらおうと、日々コンテンツを提供しているそうです。
なかには、車両の塗装シーンや引退車両の「その後」の活躍を描いた動画など、オンラインサロンでしか見られない貴重なコンテンツも発信しています。ほかにも、廃車車両の部品やプレートの販売会「ジャンク市」を開催するなど、これまであまり価値が見出されていなかった「埋没資産」にも着目し、イベントを企画しています。
イベントの企画では、オンラインサロン事務局とは関係のない部署の協力も必要です。他部署に協力をあおぐことを繰り返すことで、全社的な取り組みとして動く仕組み作りが、整いつつあると萩原さんは話します。
東武鉄道 新井 学さん
最後に、「今後、大きなジャンク市の開催も予定しています。」と、目玉となるイベントに関して萩原さん、新井さんの口から告知していただきました。
カルビー 谷澤 渓介さん
じゃがりこは1995年に発売された商品で、当時からお客様からの手紙やメールに、担当者が手書きで返信するなど、お客様とのコミュニケーションを大切にしてきたそうです。2007年には、じゃがりこファンコミュニティである「じゃがり校」を始動。毎年1品、ファンと新商品を作り発売するという企画では、大ヒット商品も生まれました。
イベントで谷澤さんが着用する「jagarico」のテキストがプリントされたTシャツ。これは、じゃがりこのシンボルキャラクターであるキリンが着用していたものだそうです。社内向けに制作したところ、Twitterで「欲しい!」という声が殺到。結果、キャンペーン景品として展開しました。
カルビー 谷澤 渓介さん
カルビーでは、2020年5月に「カルビールビープログラム」という、カルビー初のロイヤリティプログラムを立ち上げました。このプログラムでは、購入商品を読み込むとポイント(ルビー)が貯まり、景品と交換できるというものです。
ルビーは景品の応募やオンライン工場見学に利用できます。コロナ禍の状況次第では、畑での植え付け・収穫体験も実施していく予定とのことです。メーカーが、直接お客様と接する機会は多くありません。購買を通じたお客様との接点づくりは、メーカーとして新しい取り組みだと、谷澤さんは説明します。
谷澤さん「東武鉄道さんの話を聞いて、埋没資産をまだフル活用できていないと感じました。今後ぜひ、社内でも埋没資産の活用を検討していきたいです。」
baton 前田 徹哉さん
baton 前田 徹哉さん
2022年9月時点で、チャンネル登録者数191万人の「Quizknock」では、現在新規事業開拓に取り組んでいるとか。そこで重視しているのが、「ライブとアーカイブ」「リアルとデジタル」という軸を元にした、ファンベースマーケティングです。
ライブをデジタルで提供することで、空間的制約に縛られないコンテンツを展開できます。ライブをアーカイブに残せば、時間的制約からも解放されます。
「Quizknock」では、リアルの取り組みとして「QK GO 」を展開しています。これまで、全国30以上の中学校、高校、自治体を訪問して、クイズ・教育をテーマとしたレクリエーション、講演会、ワークショップを実施しているそうです。レクリエーションでは、○×クイズなどで現地の学生と触れあってきました。
コロナ禍の状況を鑑みて、2022年9月から「QK GOオンライン」を再開する予定です。前田さんは、オンラインでは共感を得やすいですが、信頼関係を構築するのはリアルでの活動が重要と話します。こうした活動を通じて、リアル・デジタル双方のタッチポイントをフル活用していく予定です。
前田さん「“面白いものを作っていればいい”ではなく、しっかりとファンの方々を大切にしている姿勢を、コンテンツ側からアピールする必要があると考えています。今後も、コンテンツづくりとファンコミュニティ作り両方を、大切に取り組んでいきたいです」
MC 島袋 孝一さん
アーカイブ動画も公開中!
今回紹介したトピック以外でも、「SALON FES 2022 SUMMER」ではたくさんのトークが繰り広げられました。当日の様子は、期間限定でアーカイブ動画が公開中です。オンラインサロンについてもっと知りたい方も、コミュニティ形成やオンラインコミュニケーションの秘訣を知りたい方も、以下のリンクより登録を行い、ぜひ一度ご覧になってください!