細かいところまで気になったり、責任感が強かったりと、自分では当たり前のことだと思っていても、周りから「完璧主義者」だと言われて驚いた経験はありませんか?この記事では、完璧主義者の特徴をタイプ別に解説します。また、完璧主義者のメリットとデメリットについても紹介しますので、自分を活かしていく方法を確認してみましょう。
完璧主義者とは
「完璧主義」や「完璧主義者」は、なにひとつ欠点がないよう尽力し、常に完璧であり続けることを基準にしている状態やそういった状態になっている人のことを指します。
また、「完璧を目指す」だけではなく、「完璧でないと納得できない」というように、場合によっては精神的な疾患と判断される場合もあります。
(参考:Ojji.jp│「完璧主義」の意味や特徴・やめる方法とは? メリットとデメリットなどもご紹介)
あなたが完璧主義者かどうか診断
完璧主義者は本人に自覚が無い場合も多いとされています。次のチェック項目で、あなたの「完璧主義度」を確認してみましょう。当てはまる項目が多い場合は完璧主義者の可能性があります。
- 常に周囲の評価が気になる
- ミスを指摘されるのが嫌い
- 自分のペースを乱されるのが苦手
- 何事も目標は高く設定したい
- プライドが高い方だ
- 思い通りにならないとイライラする
- 「させていただく」のような日本語が気になる
- 人に助けを求めることはなるべくしたくない
- 常識を逸脱した事柄が許せない
(参考:マイナビ 学生の窓口│完璧主義度を診断でチェック! がんばりすぎて疲れちゃってるかも?)
完璧主義者は3タイプに分類される
ここからは、「完璧主義者」の性質について、3つのタイプ別に見ていきましょう。
自己指向型
自己指向型は、自分自身が完璧であるために、自分に対して常に高い目標を設けるタイプの完璧主義者です。多くの人が「完璧主義者」と聞いてイメージするのはこのタイプでしょう。ストイックな精神で、納得のいく結果が得られなかった場合、自分を責めたり落ち込んだりする面があります。
(参考:Ojji.jp│「完璧主義」の意味や特徴・やめる方法とは? メリットとデメリットなどもご紹介)
社会規定型
社会規定型は、「周囲にとっての自分は完璧な人である必要がある」という思考のもと、完璧を追求するタイプです。自分自身の完璧を目指している点は自己指向型と似ていますが、社会や他人からの評価や目線を重要視している点がその特徴と言えます。
他者指向型
自分ではなく、他者に高い水準を求めるタイプが他者指向型です。他者に完璧さを求めるあまり、ミスを許さず、期待に応えられない人を見下したり、批判したりする一面が見られます。
完璧主義は悪いことか
「こだわりが強い」「理想が高すぎる」など、完璧主義はネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。しかし、悪いことばかりではないのです。
例えば、完璧主義者は堅実に計画を立ててその目標を達成しようと努力できる姿勢があるため、あらゆる職業でその特性を活かすことができます。
職業によっては重宝される場合も多いため、個性のひとつとして捉えましょう。
完璧主義のメリット
ここでは完璧主義のメリットを紹介します。良い面を知って、仕事や勉強など実生活に活かしていきましょう。
細かい作業が得意
完璧主義者は些細な点まで気を抜かず徹底して作業を進めることができるため、細かい作業が得意というメリットがあります。注意深くて慎重な性質により、普通では気付かない点に気付き、人一倍丁寧に仕事をこなすことができるのです。
最後まで手を抜かない
完璧主義者は、自分の仕事に責任を持って、最後まで手を抜かずやり遂げる一面があります。
その時々で気分やモチベーションに自分を左右されることが少ないため、途中で投げ出したりだらけたりせず、クオリティを維持して常に高い成果を出し続けられるのです。
また、完璧を追い求める向上心もあるため、どうしたらより良くなるかを常に考え、できるだけ無駄をなくし効率を重視して仕事に向かう姿勢もみられます。これによって、質の高い結果を生み出すことができるのです。
信頼を得やすい
細部まで気を付けて丁寧にタスクをこなし、クオリティの高い仕事を追い求める完璧主義者は、周りからの信頼を得やすいというメリットもあります。
上司からの信頼や実績が積み重なることで、プロジェクトの責任者に抜擢されるなど、大きな仕事を任されやすい面もあります。また、責任感を持って妥協せずに取り組む姿勢は、部下からの信頼や尊敬も得やすいでしょう。
完璧主義のデメリット
次に、完璧主義のデメリットを紹介します。参考にして自分の性質を見直してみましょう。
慎重になりすぎる
完璧主義者は、細部まで完璧を求めるあまり、慎重になりすぎてしまうというデメリットがあります。「完璧にこなせる」と自分を納得させられるまで行動できず、ついタスクを先延ばしにしてしまう場合も。また、ほとんど完成しているタスクであっても「本当にこれでいいのか」「まだ物足りないのでは」とこだわりすぎてしまい、余計に時間を費やしてしまう一面もあります。これによって、納期までに終わらせることができなくなってしまう場合もあるのです。
他人にも完璧を求める
自分に厳しい完璧主義者は、他人にも厳しく、完璧を求めてしまう面があります。これは、自分と同じように、他人も完璧を目指して取り組むものだと考えてしまうためです。そのため、他人のミスや欠点にばかり目について、自分のタスクが進まなくなってしまう場合もあります。
(参考:TOWNWORKマガジン│完璧主義者の特徴・原因と治し方|頑張りすぎて疲れてしまう人)
少しのミスでもストレスを溜めやすい
小さなミスを指摘されただけで、重大なことのように捉えたり、自分を否定されたような感覚に陥ったりと、ついストレスを溜めてしまう点も完璧主義のデメリットのひとつです。たとえ丁寧に気を抜かず作業をしていても、些細な失敗やミスは誰にでも起こりうるでしょう。しかし、完璧主義者は理想が高く、常に完璧でありたいがゆえに、つい気に病んでしまうのです。
そして、過去の失敗が心に残り、いつまでも気にして新しいチャンスになかなか飛び込めず、二の足を踏んでしまう一面があります。
完璧主義者に向いている仕事
ここでは、完璧主義者の人に向いている仕事を紹介します。
経理関連
細かな数字や金銭を扱う銀行員や税理士、会計士などの仕事は、完璧主義の人に向いていると言えます。書類の作成や管理などの仕事が多いため、丁寧さや正確さが重要となり、完璧なクオリティを求められます。そのため、完璧主義者であれば質の高い成果を目指すことができるでしょう。
研究開発
地道に研究を積み重ね、データ収集、検証などを行うことで製品化に結びつけていく研究開発職も完璧主義者に向いています。開発に数年単位で時間を要する場合も多く、細部までこだわりぬく完璧主義者に最適な環境と言えるでしょう。
デザイナー
アイディアを出し、形にすることが得意な完璧主義者はデザイナーの仕事にも向いていると言えます。細部にまでこだわり、わずかなズレも見逃さず注意深く制作していくため、やりがいや満足感を得られるでしょう。
デザイナーには、雑誌やポスターなどの印刷物に携わるグラフィックデザイナー、Webサイトのレイアウトに携わるWebデザイナー、食品や飲料などの包装や容器のデザインに携わるパッケージデザイナーなど様々な種類があります。
完璧主義の直し方
完璧主義を直したい場合は、まず前提として「うまくいかなくても自分を責めない」ことを頭に入れておくことが大切です。100%の完璧を追い求めすぎず、失敗しても自分を許容することで、ストレスを溜め込まず肩の力を抜いてタスクをこなすよう意識してください。
それから、物事の優先順位をつけて状況を把握し、いつまでに完成させる必要があるのか時間制限を設けることも重要です。また、時には周囲の力を借りることも一つの方法です。素直に頼って作業を分担することでより効率的に物事を取り組めます。
完璧主義を直すことは、頑張りすぎて疲れてしまう状況を打開することにもつながります。頑張りすぎないよう適度に休憩をはさんで、自分にも周囲にも厳しい要求をしていないか、その都度振り返ってみましょう。
完璧主義者は何事にも全力で頑張りすぎてしまう部分があります。完璧主義のメリットを活かしながら、自分なりに仕事や勉強への向き合い方を変えてみることで、程よくリラックスしたやり方を目指してみましょう。