社会人として働いていると、やりたくない仕事を頼まれる場面も珍しくありません。モチベーションがなかなか上がらず、仕事そのものが嫌になってしまった経験がある方もいるでしょう。また、現在メインで取り組んでいる業務内容に魅力を感じなくなったという場合もあるかもしれません。
そこでこの記事では、やりたくない仕事に多い原因や、向き合い方のコツなどを紹介します。
やりたくない仕事にありがちな原因
やりたくない仕事の原因は人によってさまざま。思いつくものを紙に書き出してみると、客観的に思考を整理しやすくなるはずです。
代表的な例として、ここではやりたくない仕事の原因を4つ紹介します。心当たりがないか、確認してみましょう。
単調な作業が多い
書類整理やデータのコピーなど、単調な作業ばかりしていると、「この仕事には本当に意味があるのだろうか」と感じてしまいがち。最初は楽しく感じていたとしても、気がつけばやりたくない仕事になっている可能性があります。
また、組織の中で自分が担当している仕事の位置づけが見えてこないときも、モチベーションが下がってしまうでしょう。スキルアップが見込めないようなルーティンワークばかり任され、やりたくない仕事だと感じてしまう人もいます。
(参考:マイナビ転職│「仕事辞めたい」7つの理由 仕事が合わない、苦痛、やる気が出ない…… リアル対処法)
仕事内容が得意じゃない
自分の能力と業務内容が見合っていないときも、やりたくない仕事だと感じやすくなります。とくにスキル不足を実感すると、失敗を恐れて萎縮してしまうことも。努力してもなかなかうまく行かず、もどかしさを感じる場面もあるでしょう。
自分1人でこなせない仕事量や難易度の高い案件、過去に何度もミスをしたことのある作業などを目の前にしたときも、「やりたくない」と思ってしまいがちです。
一緒に取り組む仕事仲間が苦手
仕事内容そのものに不満はなくても一緒に取り組む仲間に苦手意識があると、やりたくない仕事だと感じやすいでしょう。上司に理不尽な態度を取られる、同僚と気が合わない、後輩の育成がうまくいかない、取引先が無茶な要求ばかりしてくるなど、人間関係に関するストレスはさまざまです。とくに毎日顔を合わせる相手に苦手意識を持ってしまうと、会社に行くことも億劫になってしまいます。
私生活で頭がいっぱい
プライベートでなんらかのトラブルを抱えていると、普段取り組んでいる業務がやりたくない仕事になってしまう場合があります。
たとえば親の介護の問題や、子どもとのコミュニケーション、パートナーとの関係、生活費の不安など、仕事意外にも考えなければいけないことが山積みで、集中できないこともあるでしょう。また、私生活がうまくいかず体調が本調子ではないときも、やりたくない仕事だと感じてしまいがちです。
(参考:paranabi│【医師監修】どうしてもやりたくない仕事との向き合い方|断るべきケース)
やりたくない仕事でも続けるメリット
たとえやりたくない仕事だとしても、続けていればプラスになることがあるかもしれません。ここでは、仕事を続けることによるメリットを紹介します。
自分自身のスキルアップにつながる
やりたくない仕事であっても、自分自身のスキルアップにつながる場合があります。
新卒や中途採用で会社に入ったとき、これまでとは違う業務内容に取り組むときなどは、簡単な仕事を任されることもあるでしょう。やりがいを感じず嫌になってしまうかもしれませんが、今後の業務に必要なスキルが詰まっているはずです。もしかすると、やりたくない仕事で培ったスキルが、将来の躍進に役立ってくれるかもしれません。
やりきったという自信や成功体験
やりたくない仕事でもきちんと成功させれば、自分自身の糧になります。「期限までにプレゼン資料の準備ができた」、「会議で意見が言えた」など、たとえ小さなことであっても成功体験のひとつ。小さな成功を積み重ねていけば、自信や達成感が増していくと考えられています。
さらに「次はもっと早くプレゼン資料を用意しよう」など、自分の中で次の目標を設定すれば張り合いも出るでしょう。地道に続けていくことで、いつか大きな成功体験を得られるはずです。
(参考:DMM WEBCAMP│楽したい人がやるべき仕事術を7つのポイントに分けて解説)
業務や作業の効率化ができるようになる
やりたくない仕事をこなしているうちに、効率のいい働き方が身につく可能性があります。
やりたくない仕事はなるべく早く終わらせたいもの。早く片付けるためには、作業の順番を整理したり業務を効率化したりといった工夫が必要です。考えた方法を実践しているうちに、たいていの仕事を手早く正確に完遂するスキルが身につくはず。その結果プライベートの時間を確保できるようになるなど、仕事以外の場面でもメリットを得られるかもしれません。
(参考:HITACHI│【第3回】自己効力感 ~小さな成功の積み重ねを大切に~)
やりたくない仕事を片付けるコツ
やりたくない仕事は早く片付けてしまいたい、と思う人も多いでしょう。しかしなかなかやる気が出ず、取りかかるまでに時間がかかってしまうもの。やりたくない仕事へのモチベーションを上げ、うまく対処するためのコツを紹介します。
とりあえずやってみる
頭で考える前に、まずは行動に移してみるといいでしょう。やりたくないからといって後回しにすると、かえって面倒に感じてしまうもの。どのような仕事も「15分だけやろう」、「メールに1件返信しよう」など簡単なことからはじめれば、ハードルが下がるはずです。手を動かしてみれば、意外と集中できたり作業がスムーズに進んだりするかもしれません。心理学や脳科学の観点でも、行動を起こさなければやる気は出てこない、と考えられています。
また、取り組む前には気づかなかったやりがいや楽しさに出会える可能性もあります。隠れていた魅力が見つかれば、やりたくない仕事を続けることもできるかもしれません。
(参考:東洋経済online│やる気がない人ほど「まず手を動かすべき」理由)
自分1人で解決しようとしない
スキル不足などが原因でやりたくない仕事がある場合、1人で取り組もうとすると至らない点ばかりが目に付いてしまいます。できないことや難しいことがあれば、周囲に相談してみるといいでしょう。仕事のコツやアドバイスを伝授してくれるかもしれません。また、状況によっては仕事を手助けしてもらえる可能性もあります。
会社の外では、友人や家族にやりたくない仕事への気持ちを打ち明けてもいいでしょう。モヤモヤした感情を表に出すだけでも、心がすっきりするかもしれません。
何か得られるものがないか探してみる
やりたくない仕事に取り組むことで得られるメリットを考えてみると、モチベーションが上がる可能性があります。
たとえばほかの仕事にも役立つスキルを習得できるかもしれません。内容にもよりますが、表計算ソフトの使い方、ビジネスマナー、取引先との交渉を成功させる方法など、さまざまなスキルが考えられます。
また、やりたくない仕事でも転職に有利な経歴になる場合があります。「営業職として5年勤務」、「システムエンジニアとして大型案件に携わる」など、客観的に見ると立派な実績になっているかもしれません。もし将来を見据えて「この肩書きや経歴があれば得をするかもしれない」と思えたら、やりたくない仕事に取り組みやすくなるはずです。
仕事を通してどうなりたいか考える
やりたくない仕事があるとすぐに転職や退職を考えたくなる人もいますが、その前に自分のキャリアを見つめ直すことも大切だと考えられています。仕事を通して自分がどのような将来を手に入れたいのかあらためて振り返ると、やりたくない仕事にも向き合えるかもしれません。
また、キャリアプランだけでなく、人生全体で達成したいライフキャリアを思い浮かべるのもいいでしょう。「目標金額を貯金するために働く」、「この資格を取得するために仕事を続ける」など、具体的な目標ができると、やりたくない仕事でも少しやる気が出るはずです。
ほかにも思い切って休みを取る、やりたくない仕事が終わったら自分ご褒美を与える、など対処方法はたくさんあります。自分が一番喜ぶ方法や、やりたくない仕事の原因を解決できそうな手段を実践してみるといいでしょう。
まとめ
やりたくない仕事には、作業内容や人間関係、プライベートとの兼ね合いなどいくつかの要因があります。すぐに別の仕事を探したくなりますが、続けてみるとスキルアップや作業の効率化といったメリットを得られるかもしれません。まずは短時間だけ取り組んでみる、周囲に相談するなどの方法を試すと、やりたくない仕事が早く終わる可能性があります。自分のキャリアを長い目で見て、やりたくない仕事に利点があるかどうか考えてみてはいかがでしょうか。
また、やりがいのある仕事については以下の記事で詳しく紹介しています。やりたい仕事を見つけるヒントも詰まっているので、ぜひチェックしてみてください。