「もしかして自分を犠牲にしてしまうタイプ?」と言われたことはありませんか。褒められている気もする反面、どことなく損をしている気持ちになった人もいるかもしれません。
この記事では自己犠牲をしてしまいがちな人の特徴や、原因について解説します。自己犠牲を改善するための方法も紹介するので、自分を変えたいと思っている人は参考にしてみてください。
自己犠牲とは?
自己犠牲とは、自分の欲望などを後回しにして、ほかの目的や他人のために尽くすこと。悪い意味ではありませんが、自分の幸せよりも他人を優先するあまり、損をしてしまう場面も多いです。自己犠牲をする状況ばかりが続くとストレスに感じてしまう可能性もあるので、改善する方法も知っておくといいでしょう。
自己犠牲の類義語と使用例
自己犠牲の類義語は、献身的、利他的など。他人に優しくできたり、組織全体に貢献したり、といったイメージがある言葉です。そのため就職活動の面接で「自己犠牲の精神があります」とアピールポイントにする人も。一方で自己犠牲のしすぎでストレスがたまり、体調を崩してしまう人もいます。自己犠牲にはプラスとマイナスの両面があるといえるでしょう。
(参考:マイナビウーマン│自己犠牲とは何か? 言葉の意味としない人間になる方法)
自己犠牲してしまう人の特徴
つい自己犠牲をしてしまう人には、いくつかの特徴があると考えられています。自分に当てはまる内容があるかチェックしてみましょう。
自分に自信がない
自分に自信が持てない人は、自己犠牲をしやすいと考えられています。たとえば会社のプレゼンでいいアイデアがあっても「自分よりほかの人が考えた案のほうがいいはずだ」と思い込みがち。他人の意見を押しのけて主張するほど、自分には価値がないと考えてしまうのです。人によっては「自分の意見を言うことはわがままだ」と思い込んでいるかもしれません。するとなかなか意見を発表できなくなってしまうため、周囲からは主体性がないと思われている可能性があります。
人からの評価が気になる
他人からの評価が気になってしまい、自己犠牲的な行動をとる人も。たとえば休日はひとりでゆっくり過ごそうと思っていたとき、友人から旅行に誘われたとします。本当は面倒だと思っているものの、他人からの評価を気にしている人は「断ったら嫌われるかもしれない」と本心を押さえつけてしまいがちです。
また、仕事での評価を上げたい、引き受ければ相手に好感を持ってもらえる、と考えて自己犠牲をする人も見られます。
責任感が人一倍強い
責任感が強い人は、任された仕事などを優先して自己犠牲をしてしまいがち。無理な残業や休日出勤をしてまで依頼を完遂しようと努力しすぎてしまいます。また、「自分が頼まれたのだからひとりでやらないと」と考え周囲を頼らずに行動しやすいため、自己犠牲をする場面が増えがちです。
我慢することに慣れてしまっている
我慢する場面に慣れてしまっている人は、知らず知らずのうちに自己犠牲をしているかもしれません。たとえばランチに誘われたとき、本当はカレーが食べたいにも関わらず相手に「パスタでいいよね?」と言われると了承してしまいがち。相手の要望を優先するのが当たり前だと思っているため、すぐに我慢してしまいます。
面倒事を起こしたくない
面倒事を起こしたくないと思っている人も、「自分ひとりが損をすれば穏便に済む」と考えて自己犠牲をしやすくなります。たとえ自分に非がなくても「謝って済むならいいか」と頭を下げたり、場の雰囲気を悪くしないために気乗りしない案件を引き受けたりと、損をする場面が多いでしょう。
また、自分でやったほうがスムーズに事が運ぶからと、他人に任せずに取り組もうとする人も。ときには他人の仕事まで積極的に担当するため、「自己犠牲をアピールしていて感じが悪い」と思われてしまう可能性があります。
依頼を断ることが苦手
「他人に頼まれるとなかなか断れない……」という人も自己犠牲をしやすいタイプです。たとえば疲労困憊で帰宅しても、家族から「家事をやっておいて」と言われると断れない人。心の中にモヤモヤする気持ちがあっても、自分を犠牲にして依頼に取り組むことが当たり前だと思ってしまいます。引き受け続けているうちに、周囲からは「なんでもやってくれる人」だと認識されている可能性も。すると自己犠牲を強いられる場面が増え、都合よく利用されてしまうかもしれません。
やりがい搾取されがち
報酬が少ないにもかかわらず「やりがいがあるから」と引き受けていると、自己犠牲をする場面が多くなってしまいます。依頼を達成したときに周囲から褒めてもらえる、きっと自分のためにもなる、と言い聞かせて取り組んでいるうちに、自己犠牲によるストレスが積み重なっているかもしれません。
自己犠牲を減らすためにできること
自己犠牲をすぐにやめることは難しいですが、改善するための方法はあります。つらくなったときは、以下のポイントを思い出してみるといいでしょう。
もう少し自己中心的に考える
自己犠牲をしそうな状況に陥ったときは、「本当に自分がやりたいことなのか?」と考え直してみましょう。このときのポイントは、普段よりも自己中心的に考えること。自分を大切にして、心の底から取り組みたいことなのか、引き受けて損をしないか、などを確認します。すると今まで見ないようにしてきた怒りの感情やストレスに気づくはず。少しでも自分が幸せになれるような行動を考えて実践するうちに、自己犠牲をする場面が減っていくかもしれません。
ただし怒りの感情をそのまま相手にぶつけるとケンカになってしまう可能性があるので、主張は冷静に伝えるようにするといいでしょう。急ぎの案件をたくさん抱えているので今はできない、など客観視した事実を説明すれば、相手もわかってくれるはずです。
いきなり自己中心的に考えることが難しいときは、自分が無理をして倒れてしまった場合のデメリットを考える、という方法もあります。もし体調を崩して寝込んだり、冷静な判断ができなくなったりした場合、周囲に迷惑をかけてしまうかもしれません。自分自身を大切にすることも、全体のメリットにつながるはずです。
また、自己犠牲をすることで本当に相手のためになるのか、と客観視してもいいでしょう。面倒な仕事をすべて引き受けていては、相手が成長できないはず。他人に優しい人ほど「ほかの人につらい仕事をさせたくない」と考えてしまうかもしれませんが、ときには厳しく接したほうが相手のためになる可能性があります。自己犠牲をやめれば自分にも相手にもプラスになる、と前向きにとらえてみてはいかがでしょうか。
誰かに助けを求める
要領のいい人や努力家な人ほど「自力でなんとかしないと」と思いがち。しかしひとりだけではどうにもならない場面もあるはずです。そんなときは周囲に助けを求めたり、相談したりしてみましょう。すると気分が楽になり、自分が何に悩んでいるのか改めて確認できるはずです。
たとえば案件を多数抱えていてこれ以上は引き受けられないとき、追加で仕事を依頼されたとします。そんなときは自己犠牲をして無理にひとりでやろうとせずに、同僚や上司に協力をお願いしてみましょう。すると周囲も「それほど大変だったのか」と初めて知り、次からも気にかけてくれるかもしれません。自己犠牲を求められる場面を減らすためにも、「つらいときは他者を頼ってもいいのだ」と頭の中に入れておくといいでしょう。
(参考:守谷市│相談の効果・相談の方法)
断ることから逃げない
自己犠牲を強要されそうなときは、思い切って断ることも大切だといわれています。「断ると嫌われてしまうのでは」と思っている人は、対人関係を割り切って考えてみるといいでしょう。依頼や誘いを断ったとしても、全員が自分のことを嫌いになるわけではないはずです。すでに予定が入っている、体調が悪いなど、正当な理由を説明すれば、きっと相手もわかってくれるでしょう。
また、世の中には何をしても自分を批判してくる人が1割、受け入れてくれる人が2割、どちらでもない人が7割いるといわれています。つまり嫌なことを断ったとしても、そんな自分を受け入れてくれる人は存在するのです。いちいち落ち込んでしまうよりも、「断っても気にしないでいてくれる人と良好な関係を築けばいい」とポジティブに考えてみてくださいね。
(参考:YOGA journal ONLINE│「相手のことばかり優先してしまう」自己犠牲の末に疲労や怒りを感じた時に考えたいこと)
まとめ
他者の利益を優先し、自分の気持ちなどを押し殺してしまう自己犠牲。他人に優しくなれることは長所ですが、損をすることが当たり前になっている可能性もあります。「頼み事を断ったら嫌われるのではないか」と不安にならず、ときには自分自身の幸せを考えてみてはいかがでしょうか。つらいときは素直に助けを求めてみると、周囲も喜んで手を貸してくれるかもしれません。